落下の衝撃などでスマートフォンの画面が割れたとき、「見た目が悪いだけで、まだ使えるから大丈夫」と考える方も多いのではないでしょうか。
たしかに画面が割れたスマホは、見た目こそいまひとつですが、引き続きタッチ操作に反応するため、操作性を多少我慢すれば問題なく使い続けられることも多いでしょう。
一方、実際に画面割れを放置すると見た目の問題だけでなく、さまざまなリスクを伴います。ここでは、割れたスマホ画面を放置することのリスクと、その対処法について詳しく解説します。

身体的な危険性
当たり前のことではありますが、割れたスマホ画面を放置することで、割れた細かいガラスの破片が指に刺さったりなどの、身体的な危険性が増します。ほかにも破片が周囲に飛散するリスクが考えられるでしょう。特に小さな子どもやペットがいる家庭では、このリスクは無視できません。

また、破損したスマホのガラス片がスマホ内部に侵入すると、バッテリーが損傷して発火の危険性が生じることも。そのため、やはり画面が割れた場合は、すぐに対処することが重要です。
内部損傷のリスク
スマホ画面の割れ部分から水分やホコリが侵入して、内部損傷を起こすリスクがあります。たとえば考えられるのは、基板やセンサーの腐食または故障。割れたそのときは問題なさそうに見えても、割れたまま使い続けることでこうしたリスクが高まります。

また、最近のスマホは防塵防水の性能が高いものが多いですが、スマホの液晶が割れてしまうことで、その性能が低下。雨に濡れた程度でも簡単に故障してしまうことも考えられるでしょう。
さらに、割れたスマホはその状態ですでに脆く、壊れやすくなっているため、さらなる落下でカメラや内部部品が破損してしまうことも。画面だけ割れている状態であれば安く済んだ修理代も、内部部品の破損により高額になってしまう可能性も否めません。
機能的な問題
割れたスマホ画面を放置すると、仮にその時点ではタッチ操作が通常通り反応し続けているとしても、その後機能的な問題が発生するリスクがあります。
まず、ゴーストタッチが起こる可能性があります。ゴーストタッチとは、実際には画面に触れていないのに、勝手にタップされてしまうこと。画面の損傷部分が誤作動を起こし、意図しない操作(アプリの誤起動や課金トラブルなど)が発生します。つまり、場合によっては経済的な損失につながることもあるでしょう。
さらに初期は軽微なひび割れでも、放置すると液晶漏れが進行し、画面全体が真っ暗になるケースがあります。
割れたスマホ画面の放置が「修理費用高騰を招く」可能性も
スマホ画面の割れを放置することで、修理費用が増加することもあり得ます。初期段階でガラスのみを交換すれば済んだ場合でも、放置すると液晶や基盤の修理が必要になり、費用が高騰する場合があるでしょう。
またスマホが完全に損傷してしまった場合、データの復旧ができるか否かは「バックアップ」を取っているかどうかで変わります。いずれにしても内部損傷が進むと修理不能になるリスクは高く、データ損失や高額な買い替え費用が発生するため、早期の対応が不可欠です。
社会的に悪印象を与える可能性も
自分はスマホの見た目を気にしていなかったとしても、たとえば社会人として仕事先にそのスマホを持って行った場合、相手から「この人はだらしない」と思われてしまうこともあります。
割れたスマホは自分が損をすることにつながってしまうといえるでしょう。
対処法の優先順位
実際にスマホ画面が割れてしまった場合、まずはガラスの飛散やけがを防止することが最も重要です。特に小さな子どもやペットがいる家庭では気を付けましょう。
その上で、データをバックアップし、内部損傷が進むリスクに備えることをおすすめします。故障時点では操作が引き続き可能だとしても、スマートフォンが突然使用不能になる可能性があるため、重要なデータはバックアップしておきましょう。
修理の選択肢としてはメーカー公式サービスやキャリア窓口、街の修理店があります。たとえばiPhoneの場合、アップルケアに加入していれば比較的安価に画面割れの修理が可能な場合があります。
そうした補償サービスに加入していない場は、街の修理店に持ち込むのが現実的な選択肢でしょう。ただし使用している端末の価格帯によっては、無理に修理をするよりは買い替えをする方が良い場合もあります。自身の懐事情や修理の見積もりを踏まえて、検討しましょう。
※サムネイル画像(Image: Orapruek / Shutterstock.com)