10年前と比較し、シニア世代はスマホの所有率が約4倍に増加していることがわかっています。では、スマホを含むインターネット(情報機器)の利用時間はどのように変化しているのでしょうか。今回は、「インターネット利用時間について」の調査をご紹介します。
シニアのインターネットの利用時間は増加傾向に

モバイル社会研究所では、全国の60~84歳男女を対象に「インターネット利用時間について」の調査を実施。
まずはじめに、シニアのスマホ・パソコン・タブレット利用時間(1日平均)を調査。その結果、パソコンの利用時間は女性より男性のほうが長い傾向に。スマホの利用時間は、60代では女性が長く、70代・80代前半は男性が長いことが明らかになりました。


続いて、ここ2年間の利用時間の経年比較結果を見ていきましょう。結果として、スマホ・パソコンの利用時間ともにほとんどの性年代で上昇傾向が続いています。特に60代女性のスマホ利用時間は、2年間で1.5倍(32分)も増加していることがわかりました。
スマホ利用時間に男女差がある理由は「就業状況」の違い?


スマホ利用時間には男女差が出ていますが、その理由として「就業状況」の違いがひとつの要因になっているかもしれません。正規社員として働くシニアのスマホ・パソコン・タブレット利用時間では、男性と女性の間に大きな差はありませんでした。
しかし、男女で正規社員の占める割合の差は非常に大きく、男性のほうが多くなっています。また、他の就業状況において、各端末の利用時間を調査すると、男性のほうがややパソコンの利用時間が長く、パート・アルバイトでは女性のほうがスマホ利用時間が長い傾向が見られました。
地域によるスマホ利用時間の違いは?


地域別のスマホ・パソコン利用時間を調査すると、近畿・東海・関東はスマホの利用時間が長く、近畿・関東はパソコンの利用時間が長いことがわかりました。近畿・東海・関東はスマホの所有率が高いため、利用時間が長くなっていることが考えられます。
一方、パソコンの利用時間が長いからといって近畿・関東のパソコン所有率(家族含む)が飛び抜けて高いということはなく、北陸・甲信越と九州・沖縄を除いてほぼ横並びの状態となっています。
本調査から、男女差・地域差はあるものの、シニアのインターネット利用時間が長くなっていることが明らかになりました。家族や友人との連絡、地図の表示、動画の閲覧…など、何かと便利なインターネットは、今や高齢層にとっても欠かせないものとなっているようです。
出典:【モバイル社会研究所】
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