インフラ整備や5Gの普及、各社通信速度の改善により、自宅はもちろん、公共の場においても通信速度は大幅に向上している。ICT総研は6月25日、同月18日に公表された「混雑時間帯の山手線全30地点での5G通信速度実測調査」の結果をまとめた。測定には「Google Pixel 7a」を使用し、速度測定サイト「インターネット速度テスト」(Google)にて、1地点あたり下り(ダウンロード)と上り(アップロード)の速度を3回ずつ測定。国内の主要通信キャリア4社の通信速度や、山手線における駅別の通信速度について調査結果を見ていこう。

下り通信速度トップはauという結果に

今回の調査結果によると、山手線全30地点における混雑時の平均下り通信速度はauがトップで177.4Mbpsということが判明。僅差で2位にNTTドコモが続き、少し差を開けてソフトバンクが3位、4位の楽天(楽天モバイル)は下り・上りともに、他3社と大きな差が生じる結果となった。上り通信速度においては、下りで3位だったソフトバンクが他3社を凌ぎ、55.2Mbpsでトップに。auは上り通信速度でも安定して2位、NTTドコモは少し差を開けて3位と、下りと上りの通信速度で順位が入れ替わる興味深い結果となった。

混雑時と閑散時でそれぞれ下り通信速度を比較した4社合計の数字を見てみると、閑散時は206.5Mbps、混雑時は131.8Mbpsであり、混雑時の下り通信速度は閑散時の63.8%程度の速度ということが判明。やはり、混雑時と閑散時で、通信速度に大きく差が生まれるようだ。
山手線で下り通信速度最速は原宿駅

山手線の全30地点における、混雑時の5G受信地点比率の調査結果によると、ソフトバンクは100%であり、次いでNTTドコモが96.7%と僅差で2位、auは73.3%で少し差が開き3位、楽天(楽天モバイル)は46.7%で4位となり、他3社とは大きく差が開いた。4社合計で見ると79.2%で、閑散時の94.2%と比べると劣っていることが分かる。

山手線の駅別で駅ホームにおける、4社平均の下り通信速度の結果を比較したところ、原宿駅が393.2Mbpsでトップ、巣鴨駅が339.0Mbpsで2位に続き、上位2駅ともに300Mbpsを大きく上回っていることが判明。鶯谷や有楽町は200~300Mbpsで上位2駅に少し差を開けて続いた。一方、4社平均の下り通信速度がもっとも遅かったのは品川駅で14.8Mbpsと、同じ山手線でも、各駅で通信速度に大きな差があることが分かった。
どのシーンにおいても通信速度が求められる今、山手線の駅ごとの通信速度は向上していくのだろうか。今後の通信速度調査にも注目していきたい。
出典:【株式会社ICT総研】
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