
2017年に登場したiPhone X。ホームボタンを廃止し、有機EL(OLED)ディスプレイとFace ID(顔認証)を初搭載したこのモデルは、まさに現在のiPhoneの「原型」を作った名機です。
しかし、発売から8年が経過した2025年末時点もまだメイン機として使うことはできるのでしょうか?
iPhone Xを使い続ける「3つの問題点」
2025年末時点で、iPhone Xをメイン機として使い続けるには、次の3つの大きな課題があります。
単に古いだけでなく、「故障時の修理が難しい」「対応しないアプリが増えている」といった実用面での制約が目立ちます。

iPhone Xで「もうできないこと」・厳しいこと

もっとも、iOSアップデートが終了し、本体がオブソリート製品に分類されたからといって、端末が即座に使えなくなるわけではありません。
ただし、実用面では「厳しい」「できない」と感じる場面が増えているのも事実です。搭載されているA11 Bionicチップは、発売当時は高性能でしたが、現在のリッチなWebサイトやアプリでは動作の重さが目立ちます。カメラ性能も、最新のiPhoneと比べると見劣りします。
このほかにも、具体的にどのような不便が生じているのかを見ていきましょう。
5G通信は使えない
iPhone Xは4G(LTE)までの対応です。5Gエリアの整備が一層進む2025年末時点において、混雑時の通信速度や安定性で、最新機種に見劣りする場面が増えています。
「Apple Intelligence」などのAI機能は皆無
2024年以降のiOSの目玉である生成AI機能「Apple Intelligence」などは、当然ながら一切利用できません。写真の高度な消去機能、賢くなったSiri、文章要約機能など、現代のiPhoneが提供する「便利」の恩恵は受けられません。
交通系ICカードの予備電力機能
比較的新しいiPhoneには、バッテリーが切れても数時間はSuicaなどが使える「予備電力機能付きエクスプレスカード」が搭載されています。しかし、iPhone Xはこの機能に非対応です。
同機能はiPhone XS/XR以降で利用可能なため、iPhone Xではバッテリー切れ=改札を通れないリスクが高くなります。
それでも「いまでも使える」機能

「メイン機としては限界」とはいえ、iPhone Xにも活用の余地は残されています。Wi-Fi接続でApple MusicやYouTubeを再生する専用機として使ったり、LINEやメール、電話、簡単なWeb閲覧程度であれば、多少のもたつきはあるものの利用可能です。
「子ども用の連絡端末」や「自宅用の固定電話代わり」としてなら、今でも実用に耐えます。
またマスク着用時のロック解除などの高度な機能アップデートは来ていませんが、基本的なFace IDの速度と精度は、日常使いでストレスを感じるほどではありません。
総じて「サブ機としてはまだまだ使える」が「メイン機としては限界」なのが、2025年末時点でのiPhone Xの現状です。
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)




