ドコモやau、ソフトバンクなどの大手通信事業者(MNO)から回線を借り、自社ブランドで通信サービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)。ICT市場調査コンサルティングのMM総研は今回、国内MVNOの2025年9月末時点での実績をまとめた。独自サービス型SIMの市場規模や契約数、事業者シェアなどについて見ていこう。

独自サービス型SIM回線契約数は1,382.9万回線

今回の調査結果から、独自サービス型SIMの市場規模の推移を見ると、2021年3月末以降、じわじわと市場規模が伸びていることが分かった。現在の回線契約数は1382.9万回線となり、前年同月末比4.3%増であり、IoT向け用途や対面販売を重視する個人向けMVNOの伸長により微増したとみられる。

携帯電話の契約数に占める独自サービス型SIMの契約数についても見てみると、2025年9月末時点での携帯電話(3G、LTE、5G)契約数は2億2,962万回線であることが分かった。独自サービス型SIMの契約数比率は6%となり、前年同月末と比べると横ばいとなっている。
IIJは法人IoTとギガプラン強化でシェアを拡大

今回の調査結果から、独自サービス型SIM市場の事業者シェアについて見てみると、2025年3月末、9月末ともに、1位は「BIC SIM」などを提供する「IIJmio」であることが判明。次いで2位は「mineo」を提供するオプテージ。3位はドコモ、4位は「J:COM MOBILE」を提供するJCOM、5位は「イオンモバイル」を提供するイオンリテールという結果となった。トップのIIJは、ネットワークカメラやデバイス接続など法人向けIoT関連が好調で、1年間に65万回線以上増加した。また、個人向けでは2025年4月に開始した「JALモバイル」や「ギガプラン」のデータ増量・月額料金割引キャンペーンが好調となり、契約数を伸ばしたという。

独自サービス型SIM市場の予測を見ると、2026年3月末時点では1,440万回線に達するとされている。ネットワークカメラなど法人向けIoT用途のSIMが主流となり、2029年3月末時点にはIoT向け回線の比率が67.4%に達すると見込まれている。今後のMVNO市場の動向にも注目したい。
出典:【MM総研】
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