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セガサターンで遊ぶのはすでに困難? レトロゲーム機本体で今でも遊ぶ難しさとは

1994年に発売された「セガサターン」に対して思い入れが強い方は少なくないのでは? 正統派RPG『グランディア』や、アドベンチャーゲーム『新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression』のほか、様々なハードで続編が発売されたカードゲーム『カルドセプト』、『サクラ大戦』シリーズなど名作が数えきれないほど登場したハードです。

またセガサターンのみで発売され、他のハードに移植されていない名作なども決して少なくはありません。しかしメガドライブミニが登場した「メガドライブ」と異なり、セガサターンは復刻版ハードが登場していないのが現状です。

またその設計の特殊さから互換機も数少なく、エミュレータも存在こそしているものの、開発の困難さが高めのハードです。つまり個人的にセガサターンで遊ぶ場合、セガサターン実機で遊ぶのが現実的な方法の1つです。しかし30年前に登場したハードを今遊ぶ場合、課題もあるのが事実です。今回は「セガサターン実機で今でも遊ぶ難しさ」について、ご紹介します。

セガサターンの「互換機」は実は希少

まずセガサターン実機にこだわらず、セガサターンのタイトルをプレイするならば「互換機」を入手するのが本来はシンプルな方法です。

とはいえセガサターンの互換機は希少です。代表的な互換機には、Playmaji社が開発・販売するレトロゲーム互換機「ポリメガ」が存在します。ポリメガはPlayStationやセガサターン、メガCD、ネオジオCDなどCD-ROM媒体のゲームソフトが遊べることが特徴の互換機です。

(画像は「ポリメガ」公式サイトより引用)
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もっとも、ポリメガは消費者の手元に届くまでに「大手販売店とのトラブル」や、コロナの影響とみられる「販売延期」などを何度も繰り返したハードです。加えて互換機として高価格帯のハードでもあり、ベースユニット+ワイヤレスコントローラーのみを購入する場合でも、定価は9万円弱。輸入代行業者を介すと10万円超となる場合もあります。

「セガサターンのみを遊びたい」場合、ポリメガはその入手困難さと定価の高さから、入手ハードルが非常に高いのは間違いないでしょう。

エミュレータの利用は可能

なお「互換機の入手が困難な場合、エミュレータで遊べばいい」と考える方もいるでしょう。本稿では個別のエミュレータへの言及や使い方の解説は割愛しますが、確かにセガサターンはPC向けのエミュレータも出回っています。

とはいえ、セガサターンは「特殊設計のハード」であったことも忘れてはいけません。たとえば前期型のセガサターンは日立製作所のマイコンアーキテクチャを採用した「SH-2」チップを2基搭載した特殊構造でした。

そのためセガサターンのエミュレータの開発は、もともとのハードの特殊さから、他のハードに比べて困難であり、高品質なエミュレータは数少ないのも事実です。

セガサターンの「本体」で今でも遊ぶ難しさとは

互換機の入手が困難で、エミュレータも利用しない場合、やはりセガサターンで遊ぶには実機を用いるのが良いでしょう。しかしセガサターン本体で今でも遊ぶことには、特有の難しさもあります。

(画像は「セガ」公式サイトより引用)

その大きな要因は「HDMI接続」や「内部電池」「音声ノイズ」などが挙げられます。

HDMI接続

セガサターンの映像出力は以下の4通りです。
・RFユニット
・3色ケーブルのコンポジット
・S端子出力
・RGB

一方で昨今のテレビやモニターは、高精細な映像を出力するためにHDMI端子を搭載するのが一般的です。そして逆に昨今のモニターには、S端子出力のような古い端子は搭載されていないケースが多いです。そのためセガサターンの映像出力から、できる限り信号を損なうことなくアップスケーリングが可能な「アップスケーラー」を別途入手することが現実的に必要です。

もっともレトロゲーム機本体向けのアップスケーラーは、比較的高価です。比較的安価な「GBS-Control」が12,000円、高性能な「5X-Pro」が325ドル(約5万円)となっています。

またアップスケーラーは品質が「ピンキリ」なケースが多く、ハズレの製品に当たってしまうと映像の遅延が目立つなど思うような品質で遊べないケースがある点にご注意ください。

内部電池

セガサターンにはボタン電池(CR2032)が内蔵されており、このボタン電池はセーブデータの保存や日時の記録などに使用されています。

そしてセガサターンの内部電池は、長期間使用していないと切れている可能性が高いです。電池切れの場合、データがセーブできないほか、起動のたびに日時などもリセットされるため、電池を交換しておきましょう。

音声ノイズへの対応が必要な場合も

セガサターンはRGB出力と先にも述べた「アップスケーラー」の相性や、本体の老朽化など様々な要因によって、音声ノイズが多発しがちなハードでもあります。

たとえばセガサターンの起動画面や、本来は無音のはずのロード画面などでノイズが発生することがしばしばあります。とりあえず遊べれば十分な場合はノイズを無視するのも一案ですが、快適に遊びたい場合は「ハードに問題があるのか」「ケーブルに問題があるのか」と一つひとつ問題を潰していく手間が生じ、やはり相応の大変さがあります。

「セガサターンミニ」の登場も期待される

冒頭で述べた通り、セガは過去に「メガドライブミニ」を発売しています。そのためセガハードの中でも、メガドライブは相対的に今でもかなり遊びやすいハードです。

そのため、セガサターンファンの間では「セガサターンミニ」の登場への期待が高まっています。

互換機は存在しない訳ではないものの入手困難かつ高価で、中古本体で遊ぶにはアップスケーリングなど様々な課題があり、こちらもまた電子工作の知識がない方などにはハードルが高いためです。

(画像は「セガ」公式サイトより引用)

もっとも本稿の中でも述べた通り、セガサターンは設計が特殊なハードで、精密なエミュレートは難しいとされており、実現にはまだ時間がかかる可能性があります。

とはいえセガサターンミニが実現すれば、HDMIケーブルで簡単に接続でき、懐かしのゲームを手軽に楽しめるようになるはず。遠くない将来に『サクラ大戦』シリーズや『グランディア』などが手軽に遊べるようになることを、少なくとも筆者個人としては非常に期待しています。

※サムネイル画像(Image:emodpk / Shutterstock.com)

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