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ウーバーイーツ配達員不足はなぜ? 配達遅延・キャンセル問題の真相と対策

自宅やオフィスから出ずに、手軽に美味しい料理が楽しめるUber Eats(ウーバーイーツ)。私たちの生活に欠かせない便利なサービスですが、「注文した料理がなかなか届かない」「配達が遅れて冷めてしまった」「突然キャンセルされた」といった経験をした人も少なくないでしょう。

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(Image:Shutterstock.com)
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日本のフードデリバリー市場はコロナ禍の2020年に急激に成長し、2023年には約8,622億円規模にまで拡大しました。一方、外食・中食市場情報サービス「CREST®」を提供するサカーナ・ジャパン株式会社によるデリバリー市場レポートによると、2024年のデリバリー市場規模見込みは7,967億円。約7.6%減となっています。

この背景にある要因のひとつといわれているのが、配達員不足などによる配達トラブルの急増です。

ウーバーイーツの注文が届かない?配達遅延が頻発するのは「見えない配達員不足」?1
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

この記事では、ウーバーイーツが直面している課題と、その解決策の可能性について詳しく解説します。

ウーバーイーツの「見えない配達員不足」

ウーバーイーツの「見えない配達員不足」?1
(画像は「Uber Eats」公式サイトより引用)

ウーバーイーツの配達遅延問題を理解するうえでまず見過ごせないポイントが、配達距離の長距離化による表面化しづらい「見えない配達員不足」です。

たとえばコロナ禍においては、都心部の短距離配達で一般的に1時間に4件程度の配達が可能でした。しかし2025年現在では、フードデリバリーの需要減退に加えて配達可能エリアが拡大したことで、1件あたりの配達距離が伸び、結果として1時間に処理できる件数が2件程度に半減しているケースが少なくありません。

この変化をウーバーイーツ側の視点で見ると、従来と同じ数の注文を処理するためには、単純計算で配達員を2倍に増やす必要があることになります。配達員1人あたりの処理件数が半減している以上、人員を増やさなければ対応できないためです。しかし、実際には配達員数が大幅に増えているわけではなく、この構造的な問題が「見えない配達員不足」として顕在化しています。

「配達調整金」が終了

2025年12月16日にウーバーイーツの配達員に適用されていた「配達調整金」が終了予定です。

「配達調整金」が終了1
(画像は「Uber Eats」より引用)

「配達調整金」は配達時間が想定よりも長くなった場合に上乗せされる追加報酬のこと。これによりネット上からは「調整金なくすんならタワマンとか遠方はもう届かないと思っていいな」「届く場所とそうでない場所が明確化される」という声も上がっています。

つまり、たとえばタワーマンションなど、「届けるまでに時間がかかる場所」の案件の場合、これまでは調整金の存在で配達時間がカバーされていました。しかし、調整金が廃止されることによって配達員が受ける確率が低くなり、より注文が届かなくなる可能性があるでしょう。

配達の効率性の低下

ウーバーイーツは配達エリアの拡大などを背景に、配達効率を上げるため、2件同時配達(ダブル配達)や3件同時配達(トリプル配達)を積極的に導入しています。しかし、このシステムには根本的な課題があります。

配達の効率性の低下?1
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

典型的な「ダブル配達」の流れを見てみましょう。

【1】配達員が1軒目のレストランAで、Aさんの注文料理を受け取ります。
【2】次に、配達員は2軒目のレストランBへ向かい、Bさんの注文料理を受け取ります。
【3】その後、Aさんの自宅へ料理を届けに向かいます。
【4】最後に、Bさんの自宅へ届けます。

この場合、Aさんから見れば自分の料理が届く前に「関係のない店」に寄るため、どうしても配達時間が長くなります。同様にBさんも、自分の料理が最初に受け取られた後、別の場所に寄られることになります。この「寄り道」システムが、顧客満足度の低下と配達時間の延長を同時に引き起こしているのです。

さらに言えば配達員からすると、たとえダブル配達やトリプル配達を行ったとしても、1件当たりの報酬が大きいとは限りません。さらに配達件数が増えるほど、「配達先と連絡が取れない」などのトラブルが増える場合もあるでしょう。

ウーバーイーツの業務の複雑化や「3PR」について

配達員にとっては「ダブル配達」「トリプル配達」など配達そのものの複雑性が増していることに加え、「フードデリバリー」に限らない配達業務の増加も業務の工数を押し上げています。

たとえばフードデリバリーに限らない配達の例には以下が挙げられます。

・買い物代行サービス(ピック・パック・ペイ)
・自社配送を持つ飲食チェーン等の配達代行(3PR)

つまりウーバーイーツの配達員は「ある店では食事を受け取り、配達をする」「ある店では他社デリバリーを名乗って配達を代行する」など、従来より複雑な業務を担当しています。その一例をいくつかご紹介します。

ONIGO(※イトーヨーカドーと協業)

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(画像は「ONIGO」公式サイトより引用)

ウーバーイーツアプリには、イトーヨーカ堂と資本業務提携を結んだクイックコマース『ONIGO』なども出店しています。これは、スーパーマーケットの商品を配達するサービスで、食料品から日用品まで幅広い商品を取り扱っています。

ONIGO(※イトーヨーカドーと協業)2
(画像は「Uber Eats」公式サイトより引用)

商品の種類も多く、鮮度管理が必要な生鮮食品もあるため、配達パートナーには従来以上の注意と時間が求められます。また、重量のある食品や日用品を運ぶために従来の自転車での配達が難しくなっていることもあり、配達パートナーの確保をさらに難しくしています。

7NOW(セブンイレブン)

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(画像は「7NOW」公式サイトより引用)

セブンイレブンとの連携によるサービス「7NOW」はセブンイレブンの商品をウーバーイーツのネットワークで最短20分以内に届けるサービスです。

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(画像は「セブン-イレブン」公式サイトより引用)

食料品だけではなく、セブンイレブンで売っている日用品も対象となるサービスですが、業務内容が多様化することで「配達員になれば気軽に稼げる」というイメージが薄れつつあると言えるでしょう。

報酬の魅力低下:スキマバイトに流れる配達員も増加?

業務内容の複雑さを考えると、ウーバーイーツよりも気軽に働けるスキマバイトを選ぶ人が増えているのも事実です。1時間あたりに可能な配達の件数が従来より減る中で、配達エリアが拡大し、業務も複雑化しているならば「より単純な仕事を選ぶ」人が増えていると言えるでしょう。

報酬の魅力低下:スキマバイトに流れる配達員も増加?1
(画像は「タイミー」公式サイトより引用)

スキマバイトの代表的なサービス「タイミー」では面接や履歴書が不要で、アプリで簡単に応募できるうえ、最短1時間から働けるため、空いた時間を有効活用できます。

自由度が高い副業としてコロナの時期に人気を博したウーバーイーツは、「配達員の増加に打ち止め感がある」「サービスを拡大するほど配達員にとっては配達エリアが広がり、業務の複雑性も増す」といったジレンマに今まさに直面していると言えるでしょう。

そして業務が複雑化し、単価が下がるほど、配達員がスキマバイトへ流れやすくなっていると考えられます。

ロボットによる宅配は「配達員不足解消」を実現する?

ウーバーイーツは配達員不足の解消を目指し、自律走行型デリバリーロボットを導入しました。このロボットはAI技術を活用し、歩道を安全に走行しながら料理を運ぶ仕組みです。

実際、東京都内では2024年3月から日本橋エリアで運用が始まっており、料理の温度を保ちながら最大20kgまでの荷物を運搬可能。現在は限定的な運用ですが、少子高齢化や労働力不足への対策として期待されています。効率的なサービス提供と環境負荷軽減にも貢献する取り組みと言えるでしょう。

配達トラブルを避けるための使い方

こうした理由が原因で、最近は、注文が一方的にキャンセルされるケースも見られます。実際に筆者も配達員からほぼ一方的に注文をキャンセルされて、料金だけを請求されそうになったことがありました。

筆者の場合、到着時に配達員からかかってきた2コールほどの電話に出られなかった直後にキャンセルされてしまったというもの。同様のトラブル報告を行うSNS投稿なども決して少なくはありません。

ほかにも、注文後に長時間待たされた挙句にキャンセルされるケースや、配達員側の都合により注文を取り消されるというケースもあります。

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(画像はスマホライフPLUS編集部撮影)

こうしたトラブルを避けるためには、近距離のレストランを選んだり、ピークタイムをずらして利用するのがおすすめ。また、筆者のような失敗を避けるために、注文後はスマホを気にかけ、電話にすぐ気がつけるようにするなど、注意が必要です。

※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)

スマホライフPLUS編集部

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