昨今、オレオレ詐欺のうち警察官を騙る詐欺被害が急増している。警視庁の発表によると2025年5月時点で被害額は316億円にのぼるという。中でも20代~30代の被害が増加しているという。トビラシステムズは「詐欺電話や不審電話に関するアンケート調査」を実施。なぜ若年層の被害が増えているのか、分析結果を見ていこう。

参考:【警察庁「令和7年5月末における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」】
詐欺の危険に遭遇した経験がある人は7人に1人

特殊詐欺対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社は、2025年6月13日~14日、全国の20歳以上の男女1,195人を対象に、「詐欺電話や不審電話に関するアンケート調査」を実施し、詐欺に対する意識や認知度、考えられる被害要因などについて分析した。
これまで詐欺電話をきっかけとして「金銭的被害にあった人」5.4%、「金銭的被害はないが、だまされかけた人」8.6%と全体として7人に1人が詐欺の危険に遭遇していることが判明した。
では、実際に詐欺の危険に遭遇した人の年代を見てみよう。
金銭的な詐欺被害の経験がある人、20代が最多

詐欺の危険に遭遇した経験がある人の年代を分析すると、「金銭的な被害にあった」「金銭的な被害はないが、だまされかけた」と回答した人の約半数以上がいずれも20代・30代を占めた。
なぜこのようなことが起きているのか、理由を尋ねた。
20代・30代が被害にあった(あいかけた)理由は「恐怖・不安・焦り」

20代・30代では、「怖くて逆らえなかった」「パニックになった」「対応を急かされた」「相手が強い口調で指示してきた」など、恐怖や不安、焦りなどの感情に由来する理由を挙げる人が多く見られた。一方、40代以降は「相手が信頼できそうだった」「話が本当のように感じられた」「自分がだまされると思っていなかった」と答えた割合が多く、過信による思い込みが原因で被害に遭遇してしまうようだ。
また、昨今警察官を騙る詐欺が増加しているようだが、年代が若くなるにつれ、その実態を知らない人が多いよう。例えば、警察官を名乗って電話がかかってくる、偽物の警察手帳や逮捕状などで信憑性を持たせる、複数の人物が登場する劇場型の手法を取るなど、その手口は巧妙になりつつある。新しい手口を知らない若年層が被害に陥りやすい可能性もあり、日頃から最新の情報をキャッチしておきたいところだ。家族や友人で共有することも大切なのかもしれない。
出典:【トビラシステムズ株式会社】
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