部下との会話の中で、思わぬ一言が相手のやる気を削いでしまった経験はないだろうか。Z世代と呼ばれる層のすぐ上にはミレニアル世代が位置しており、多くがすでに30代となり、Z世代を部下に持つ機会も増えている。年齢の近い世代同士であっても、価値観の違いからくるコミュニケーションのギャップは意外と多い。本記事では、上司の何気ない一言によって意欲の低下を経験したZ世代の声をもとに、背景にある世代間の認識のズレや、注意すべき言葉の使い方について考えていく。

何気ない一言でも、コミュニケーションギャップにより悪影響が広がることも

ペンマークとアルバトロスは、Z世代にあたる20~29歳の若手社会人316名を対象に、「Z世代と上司のコミュニケーションに関する実態調査」を実施した。
調査によると、Z世代の約6割が「上司の何気ない一言」で仕事への意欲が低下した経験があるという。意欲が低下した結果、どんな悪影響が起こるのか。まずは、仕事の質やスピードが明らかに下がるというパフォーマンスの低下。さらにコミュニケーションを避けることによる受け身の姿勢の強まりや、報連相の減少が考えられる。これらの「コミュニケーションギャップ」を放置すると、Z世代の早期離職やチーム全体のパフォーマンス低下に繋がり、上司としての評価も下がりかねない。では、具体的にどんな言葉に気を付けるべきなのか。
Z世代のやる気を削ぐ「NGワード」とは?

「これまでに上司から言われて、仕事のモチベーションが下がった・やる気をなくした言葉をすべてお知らせください」と尋ねると、「前にも言ったよね?」が最多で59.5%。過去の失敗を指摘するような言葉は、Z世代の学習意欲や挑戦する心を大きく阻害してしまうことが分かった。次いで「(理由を説明せず)いいからやって」が53.8%、「普通はこうだよね?」「常識でしょ?」が49.1%と続いた。これらの言葉はZ世代の持つ、指示の背景にある意図や目的を理解し主体的に業務に取り組みたいという意思とは逆行してしまう。
自分で考えて動くことが当然とされ、「叱られて伸びる」という経験などから、少し厳しい指摘を「当然」と受け止めがちな世代にとっても、かつては上司の一言に悩み、支えられ、成長してきたはずだ。今度は自分たちが「伝える側」として、価値観の違いを意識した言葉選びに、少し注意を払ってみてはいかがだろうか。
出典:【株式会社ペンマーク「Z世代と上司のコミュニケーションに関する実態調査」】
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