生成AIの普及が加速し、その活用範囲は多岐にわたる。就職活動においても、従来はキャリアセンターや先輩に相談するのが一般的だったが、近年はAIを活用して就活相談を行う学生が増加している。Synergy Careerの調査によると、過半数の学生がAIに就活相談をした経験があるという。今回はその実態と、AIに対する学生のイメージや満足度について見ていこう。

AIを活用する就活生は半数以上!相談内容による使い分けも?

就活調査レポートサイト「就活総合研究所」および就活情報メディア「就活の教科書」を運営する、Synergy Careerは2026卒と2027卒の就活生189人を対象に、AI×就活相談に関する調査を実施した。AIに就活相談をした経験について尋ねたところ、「頻繁に相談する(18.5%)」、「ときどき相談する(23.3%)」、「1〜2回だけ相談したことがある(12.2%)」と回答した学生は計54.0%にのぼり、過半数がAIを積極的に相談相手として活用していることが明らかになった。
AIが就活生にとって単なる補助ツールではなく、日常的に利用可能な相談相手として受け入れられつつあるといえる。特に、時間や場所を問わず気軽に質問できる利便性や、文章整理など具体的なサポート力が、AI活用の魅力となっていると考えられる。

また、「AIか人間、どちらに就活相談したいか」について調査すると、人間に相談したい内容としては「自己分析(65人)」や「面接(64人)」が多く、選考や自己理解に直結する場面では、共感的な対話や具体的なアドバイスを重視する傾向が見られた。また「メンタル面の悩み(45人)」や「感情や不安の整理(40人)」といった内面的な支援も人に頼る傾向が強い。一方、ES作成ではAIの活用が人を上回る結果となり、文章の整理や言語化を効率的にサポートするツールとして受け入れられていることがわかった。学生は相談内容の性質に応じてAIと人をうまく使い分けているようだ。
AI相談の魅力は「時間の自由」と「心理的ハードルの低さ」

AIを就活相談に活用する学生が増えている一方で、学生たちはAIに対してどのようなイメージを抱いているのだろうか。AIへのイメージも調査したところ、最も多かった回答は「いつでも相談できる(70人)」で、時間に縛られず手軽に利用できる点がAIの最大の魅力となっているようだ。続いて「客観的な意見がもらえる(50人)」、「恥ずかしくない(45人)」と続き、AIは気軽に相談できる第三者的存在として認識されていることが明らかになった。さらに、AI相談に対する満足度も高く、過半数を大きく超える学生が利用に満足していると回答しており、AIが単なる便利ツールではなく、実用的な就活支援の手段として機能しているようだ。
今後、AIの進化とともに就活支援の形も多様化し、学生が状況に応じて最適な相談相手を選べる環境がさらに整備されることが期待される。
出典:【就活総合研究所】
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)



