
2015年にマイナンバー制度が導入されてから、約10年が経過しました。かつて身分証明書のひとつとして利用されていた『住民基本台帳カード(住基カード)』が、いよいよ完全に利用できなくなる時期を迎えています。
住基カードの新規発行および更新は2015年12月で終了しており、カードの有効期限は最長で10年間と定められています。そのため、2025年(令和7年)12月28日までに、現存するすべての住基カードが有効期限を迎え、利用できなくなります。
現在も住基カードを身分証明書として利用している方は、有効期限切れに備えて、早めに代替手段を準備しておく必要があります。この記事では、住基カードの基礎知識から、後継となるマイナンバーカードとの違い、そしてマイナンバーカード以外の選択肢について詳しく解説します。
住基カードの基礎知識
住基カードは、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)を活用し、市区町村が住民の申請に基づき交付していたICカードです。顔写真付きの住基カードは、運転免許証やパスポートと同様に、公的な身分証明書として利用でき、なおかつ公的個人認証サービスの電子証明書を搭載することで、国税の電子申告(e-Tax)などのオンライン手続きに利用できました。
住基カードとマイナンバーカード、何が違う?
住基カードとマイナンバーカードは、どちらも身分証明書として使うことができますが、実際の役割は大きく異なります。

大きな違いは、やはりその多機能性にあります。マイナンバーカードは、1枚でマイナンバーの証明と本人確認が完結するだけでなく、健康保険証としての利用や、各種行政手続きをオンラインで行うための「鍵」としての役割も担っています。
住基カードからの移行、どうする?
住基カードを利用し続けている方の主な用途は、顔写真付きの身分証明書としての利用が中心でしょう。ここでは、代表的な移行先であるマイナンバーカードと、その他の選択肢について解説します。
代表的な移行先は「マイナンバーカード」
住基カードの機能を引き継ぎ、さらに多くのサービスを利用できるマイナンバーカードは、最も有力な移行先です。オンラインでの行政手続きや健康保険証利用など、その利便性は今後ますます拡大していくと予想されます。
ただし、申請から交付までには1〜2カ月程度かかるため、住基カードの有効期限が近い方は、早めの申請をおすすめします。
マイナンバーカード以外の選択肢は?
一方で、マイナンバー制度そのものや、カードに紐づけられる個人情報への不安から、マイナンバーカードの取得をためらう方も少なくありません。特に、住基カード発行時にはなかった多様な機能が追加されているため、セキュリティ面への懸念を抱く声もあります。
マイナンバーカードを取得しない場合でも、身分証明書として利用できる代替手段はいくつかあります。

1点で身分証明書として認められるもの(顔写真付き)には以下のような証明書が挙げられます。
・運転免許証
・運転経歴証明書(平成24年4月1日以降交付のもの)
・パスポート
・身体障害者手帳
・精神障害者保健福祉手帳
・療育手帳
・在留カード
・特別永住者証明書
総じて住基カードからの主な移行先は、より多機能で便利なマイナンバーカードですが、運転免許証やパスポートなど、他の公的な身分証明書で代替することも可能です。ご自身のライフスタイルや、行政サービスの利用頻度、個人情報に対する考え方などを踏まえ、最適な選択肢をご検討ください。
いずれにしても、有効期限が切れる前に慌てないよう、この機会にご自身の身分証明書を確認しておくと安心です。
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