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意外と知らない『WeChat(微信)』とは? 巨大経済圏は日本でどう活用されている?

『WeChat(微信)』の巨大経済圏は日本でどう活用されている?

『WeChat(微信)』の巨大経済圏は日本でも、訪日観光客による決済やインバウンドマーケティング、また在日中国人の方々による積極的な利用によって存在感が急激に増しています。
WeChatの国内での利用例を見ていきましょう。

訪日観光客による決済

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(Image:Sorbis / Shutterstock.com)

 

特にWeChat Payは、WeChat経済圏の中核を成す存在です。中国国内では、現金やクレジットカードを使わずにQRコードをスキャンするだけで支払いが完了する仕組みが広く普及しており、WeChat Payはその主要な決済手段の一つです。2019年時点で、WeChat PayのQRコード決済による年間取引額は、8兆5800億元(約130兆円)という巨大な規模に達しています。

WeChat Pay は、訪日中国人観光客にとっても日常的に使い慣れたツールです。そのため、日本国内の宿泊施設、飲食店、土産物店など、さまざまな店舗で WeChat Payによる決済が導入されています。

特にWeChat Payの導入は、日本国内の観光業や小売業、飲食業において顕著です。たとえば、大手百貨店やドラッグストア、家電量販店などでは、WeChat Payを利用したプロモーションを実施し、訪日観光客向けの割引キャンペーンを展開するケースが増えています。

WeChat(微信)公式アカウントを利用した集客

WeChatの公式アカウントやミニプログラムを活用したマーケティングも注目されています。日本の観光地や企業は、WeChatの公式アカウントを開設し、中国語で情報を発信することで、中国人観光客に直接アプローチしています。さらに、ミニプログラムを活用して、観光地の案内やチケット予約、クーポン配布などのサービスを提供する事例も見られます。

在日中国人のコミュニティによるWeChat(微信)の活用

一方で、日本国内でのWeChatの利用は、中国人観光客や在日中国人コミュニティに限定される傾向があります。

日本には約84万人(2024年6月末時点)の在留中国人が居住しており、その多くがWeChatを日常的に活用しています。在日中国人コミュニティにとって、WeChatは単なるコミュニケーションツールではなく、生活基盤を支える「巨大経済圏」として機能しています。中国本土とのつながりを維持しつつ、日本での生活を円滑に進めるためのプラットフォームとして、多様なシーンで利用が拡がっています。

WeChatのグループとWeChat Payを利用した買い物

近年、日本に住む在留中国人の間で、WeChatのグループとWeChat Payを利用した独自の経済圏が形成されています。WeChatのグループは、最大500人まで参加可能で、これらのグループ内では、さまざまな情報交換や商品の売買が行われています。

たとえば、中国人の業者が豊洲市場で仕入れた新鮮な魚介類を写真に撮り、WeChatのグループに投稿します。グループのメンバーは、その投稿を見て購入希望の商品を注文し、業者はWeChat Payで支払いを受け、商品を配送します。

このようにWeChatのグループとWeChat Payを利用した取引は、日本国内の経済活動に新たな側面をもたらしています。

しかし、その一方でWeChat Payは中国の銀行口座と連携しているため、日本国内での売り上げが申告されず、税金が支払われないケースが問題としても指摘されています。

不動産情報や求人情報のやり取りが行われることも

WeChatのグループは、単に商品の売買だけでなく、生活に必要なさまざまな情報交換の場としても機能しています。

たとえば、日本に住む中国人が経営する不動産屋の情報がWeChatのグループ内で共有され、部屋探しに利用されています。また、中国語で学べる予備校の情報や、在日中国人が経営する会社からの求人情報もWeChatのグループを通じてやり取りされています。

このようにWeChatのグループとWeChat Payは、日本社会において中国人同士が経済活動を行うための重要なツールとなっています。

外国人の方々同士のコミュニティが、日本人の間で定着しているSNSとは別のSNSで出来上がっており、日本国内での生活の情報交換や決済もそれらのサービス上で行われているのは、日本の方からは見えにくい一面かもしれません。

総じてテンセント社が手掛ける『WeChat』は、水面下で国内でも巨大経済圏として定着しつつあります。インバウンドマーケティングなどに用いるだけでなく、国内の中でも存在感が大きいものに変わりつつあります。

日本では『ゲーム』ないしは『投資』の分野で名高いテンセント社ですが、Webサービスやキャッシュレス決済の分野でも『経済圏』が拡大していくかもしれません。

※サムネイル画像(Image:Vladeep / Shutterstock.com)

スマホライフPLUS編集部

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