確定申告の時期が終わると、副業をしている会社員の間で特に注意すべき問題がある。それが「住民税通知」によって会社に副業がバレてしまうという事態である。
X(Twitter)上では、ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ(@Tomojidien)さんによる投稿が注目を集めた。投稿では、「住民税を普通徴収にしていたはずなのに、特別徴収として勤務先に通知された」という内容が共有され、多くの副業をしている人から反響があった。
これは個別の体験談というよりも、「確定申告時に普通徴収を選んでも、副業が会社にバレてしまう可能性がある」という、非常に重要な注意喚起である。
確定申告で「普通徴収」を選んでも油断は禁物

住民税の徴収方法には、「普通徴収」と「特別徴収」の2種類がある。普通徴収は自分で納付書に基づいて支払う形式であり、特別徴収は会社が給与から天引きして納付する仕組みである。副業が会社に知られるのを避けたい場合、多くの人は「普通徴収」を選択する。
ところが、確定申告で普通徴収を希望したにもかかわらず、自治体の判断で特別徴収に変更されてしまうケースが実際に発生している。ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ(@Tomojidien)さんが投稿で紹介した画像では、勤務先企業名が記載された「特別徴収決定通知書」が掲載されており、本人の意思とは関係なく会社に副業分の住民税が通知された状況が判明した。
これは決して珍しい例ではない。自治体によっては、事務処理上の都合により、確定申告書に「普通徴収を希望」と記載があっても、特別徴収へ自動で切り替える運用がなされていることがある。
確定申告で終わらせない意識を

このような事態を避けるためには、確定申告を提出しただけで安心しないことが重要だ。確定申告後、自治体の税務課に連絡し、自分の住民税が本当に「普通徴収」として処理されているかを確認することが望ましい。
特に、6月頃に会社へ送られる「住民税決定通知書」の送付前に確認することが鍵となる。タイミングを逃すと、会社に通知が届いた時点で副業が発覚してしまい、取り返しがつかなくなる可能性がある。
また、マイナンバーカードを使って「マイナポータル」や「e-TAX」を通じて課税情報を早めに確認することも対策として有効だ。自治体からの通知が届く前に、自分で状況を把握できれば、事前に修正を依頼する余地も生まれる。
税の仕組みを「受け身」で捉えないこと
副業が一般化してきたとはいえ、企業の中には依然として副業禁止の就業規則を設けているケースもある。副業の存在が知られてしまうことで、社内での信頼関係に影響が出たり、最悪の場合は懲戒処分の対象となることもある。
こうしたリスクを避けるためには、確定申告や住民税の制度を「言われたとおりに行う」だけでなく、自分を守るために正しく使いこなすという意識が求められる。
ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ(@Tomojidien)さんの投稿は、「普通徴収を選んだから安心」と思っている副業者にこそ届いてほしい注意喚起である。制度上の盲点や自治体の運用の差異によって、知らぬ間に情報が漏れることは珍しくない。
確定申告は終わりではなく、「始まり」である。税制度を正しく理解し、必要な行動を取ることが、副業を継続する上でのリスク管理になるのだ。
そろそろ副業がバレやすい時期になりますので、ご注意下さい。 pic.twitter.com/uksQvDy3v6
— ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ (@Tomojidien) April 20, 2025
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)