かつて子どもの頃にプレイしたPS1やセガサターンなどのレトロゲームをもう一度プレイしたいと思う方は多いでしょう。そうした際にしばしば選択肢として挙がるのが「エミュレータ」を利用してのゲームプレイです。
従来のレトロゲームのハードは光学ディスクを読み取るドライブの劣化が進んでいるケースがある他、2025年現在の主流なモニターとハードの端子の相性が悪く、アップコンバーターが別途で必要となるケースがあるなど、「昔のハードを今でも遊ぶ」のは意外とハードルが高いためです。
とはいえ「レトロゲームをちょっと遊びたいだけなのにエミュレータを使うのは難易度が高い。そもそも安全なのだろうか」と思う方もいるはず。
そこで今回は「エミュレータとは何か」を解説します。
レトロゲームを今でも遊ぶ手段として注目される「エミュレータ」
![レトロゲームを今でも遊ぶ手段として注目される「エミュレータ」 1](/wp-content/uploads/2025/01/001-49.jpg)
エミュレータとは、本来特定のゲーム機でのみ動作するソフトウェアを、PCやスマートフォンなどの異なるデバイス上で動作させるものです。たとえば、PlayStationやセガサターンのゲームをPCでプレイできるようにするものなどがあります。
つまりゲーム機本体が手元になくても、エミュレータを使えばゲームを楽しむことができ、古いゲームを実機以上の解像度でプレイできる場合もあります。
そのため本体自体が寿命を迎えているレトロゲームを今でも遊ぶ手段として、年々エミュレータへの関心や期待は消費者の間で高まっていると言えるでしょう。
エミュレータを利用したゲーム体験は実機とどう違う?
エミュレータは、古いゲームを実機以上の解像度でプレイできる場合があります。またセーブデータがPC内に保存されるため、バックアップが容易で、データ消失のリスクが低減します。総じて画質が良く、セーブデータの保存の利便性も上がります。
一方、一部のゲームでは動作が不安定になったり、グラフィックや音声に不具合が生じることがあります。またアクションゲームやシューティングゲームなど「多少の映像・音声の遅延が致命傷になる」ジャンルのゲームでは、エミュレータでのプレイは満足度が低いケースもあります。
そのため「実機とまったく同一のゲーム体験」が得られるとは必ずしも言えません。とはいえレトロゲームを楽しむ手段として、エミュレータが極めて貴重なものであることは間違いないでしょう。
エミュレータを搭載している互換機の例
PS1やセガサターンなどレトロゲーム機のエミュレータは、無数に存在し、玉石混合です。そのため本稿では個別のエミュレータの紹介や使い方の解説は割愛します。
その上で、多くの方にとってはエミュレータを搭載している互換機を購入するのが、エミュレータ選びやPCでの各種設定の面倒さを軽減できるお手軽な手段でしょう。その互換機の代表がPlaymaji社が開発・販売する「ポリメガ」です。
![エミュレータを搭載している互換機の例1](/wp-content/uploads/2025/01/002-50.jpg)
ポリメガはPlayStation、セガサターンなどの他にも、メガCD、ネオジオCDなどのレトロゲームのソフトをプレイできます。かつてのブラウン管の画質ではなく、HDMIのきれいな画質でレトロゲームを楽しむことが可能。一部ソフトはプリインストールされているので、ポリメガ本体だけでゲームを楽しむこともできます。
もちろん、手元のソフトもプレイ可能です。手元のゲームをポリメガに一度インストールすれば遊ぶたびにゲームCDを入れる必要は無くなるので、本体を起動するだけでさまざまなゲームが楽しめます。
ポリメガに代表されるこうしたさまざまなレトロゲーム機に対応する互換機は、海外を中心にラインナップが充実しつつあります。ポリメガ以外の製品もさまざまなものが登場しており、国内からの入手性も改善されつつあります。
エミュレータの利用は安全?
結論から述べると、常識の範囲内でエミュレータを利用すること自体は安全です。
エミュレータそのものの安全性
エミュレータをダウンロードする際、信頼できないサイトから入手するとウイルス感染のリスクがあります。配布元の信頼性には十分に気を配る必要がありますが、エミュレータの配布元は多くが海外サイトです。
不安を感じる場合は、エミュレータを搭載している互換機をハードウェアとして購入するか「メガドライブミニ」のような復刻製品を購入するのが手軽でしょう。
自分で購入したゲームソフトのROMを利用するのが前提
法的に問題ないのは「自分が所有するソフトから抽出したROMデータ」のみを使用する場合です。たとえ実物のカートリッジを所有していても、インターネットから違法にダウンロードしたROMデータの使用は著作権法違反となります。
![自分で購入したゲームソフトのROMを利用するのが前提1](/wp-content/uploads/2025/01/003-42.jpg)
コピーガードの解除は禁止
近年のゲームソフトにはコピーガードが施されており、これを解除してROMを抽出する行為も違法です。つまり良くも悪くも、エミュレータは「コピーガードが施されていなかった時代のゲームソフトを、個人的に今でも遊ぶため」のものという側面があります。
※サムネイル画像(Image:Luciano Marques / Shutterstock.com)