Windows 10/11に標準搭載されているクラウドストレージサービス『OneDrive』。Microsoftアカウントを作成すると、OneDriveのストレージを5GBまで無料で利用できます。
Microsoft 365のサブスクリプションに加入すると、さらに大容量の1TBストレージ(Microsoft 365 Personalの場合)を利用できるようになって、個人利用はもちろん、ビジネスシーンでも幅広く活用できるのが特徴です。

しかし『OneDrive』ではなく、Googleドライブなど他のクラウドストレージを利用している方にとってはそもそも利用の意味が薄いサービスです。
また『OneDrive』はOSにデフォルトで組み込まれているのも、問題点の1つです。この記事をお読みの方の中にも、OneDriveに意図せずファイルが同期されたり、ファイル保存先が『OneDrive』に指定されてしまった経験がある方も少なくないでしょう。
そこで今回は『OneDrive』の同期解除の方法や、ファイルをGoogleドライブに転送する方法を解説します。
OneDriveの問題点と同期を解除する方法
『OneDrive』はマイクロソフト製品をメインに利用している方にとっては、一定の用途があるクラウドストレージです。しかし、そうではない方にとっては利用する価値が低いものです。
それでいて安易にアンインストールすると「思わぬデータ消失につながる可能性がある」のが、同サービスの大きな問題点です。なぜなら、意図せずファイルがOneDriveと同期されている場合、アンインストールによってPC内のファイルも削除されてしまうことがあるからです。
そのため、OneDriveをアンインストールする前に、必ず同期を解除し、必要なファイルはバックアップをとる必要があります。
なお同期解除の手順は以下の通りです。




こうした手順を踏まなければ「同期解除」ができず、さらにこの工程を省略してアンインストールすると、重要なファイルが丸ごと消えてしまうリスクがあるのは大きな難点です。
総じて、「使い勝手が微妙なクラウドストレージサービスがOSに組み込まれ、自動同期されることもある」という点は、ユーザーにとって大きなストレスとなっていると言えるでしょう。
Windows『OneDrive』の同期を解除してGoogleドライブにファイルを転送する方法(例)
Windows『OneDrive』の同期を解除後、OneDriveが不要であれば過去に同期されてしまったファイルや、保存先がOneDriveに指定されていたファイルを他のストレージに移すと良いでしょう。
一例としてGoogleドライブに転送する方法をご紹介します。
ダウンロードとアップロードを行う場合
まず、ブラウザを開き、OneDriveにログインします。

選択したファイルがローカルに保存されたら、Googleアカウントにログインし、ドライブに先ほどダウンロードしたファイルをアップロードしていきます。



Google Workspaceを利用している場合
Google Workspaceを利用している場合は、Googleの管理コンソールを使用して、OneDriveからGoogleドライブへの移行をクラウド上でスムーズに行うことが可能です。なお、移行を実行するためには、Google Workspace側は特権管理者、Microsoft OneDrive側はグローバル管理者アカウントである必要があり、Google Workspaceの特定のエディションを契約しているなどの要件を満たしている必要があります。
OneDriveとGoogleドライブ間でファイルを共有することはできるの?
OneDriveに多少の不便さを感じていても、すぐに利用を解除するのは難しい場合があるかもしれません。一方で、本記事をお読みの方の中には、将来的にOneDriveの同期を解除し、Googleドライブへ移行したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
その場合、暫定的な対応として、GoogleドライブとOneDriveを併用しながら移行を進めることになるでしょう。
そうすると、「OneDriveとGoogleドライブ間でファイルを共有したい」と思う場面が出てくるはずです。
結論として、OneDriveのファイルを共有する際は、相手に共有リンクを伝える方法が最も無難です。

このほかにもGoogleドライブとOneDriveの自動同期を謳うWebサービスなども存在しますが、海外サービスかつ有料のものが多いのが現状です。
またNASの「Cloud Sync」という機能を使うことでも両者を同期し、ファイル共有することが可能です。しかしこの場合にはNASを別にセットアップする必要があります。そのためファイル数が多くないならば、上記の手順で「リンクを共有」するのが当座の手段として手軽です。
※サムネイル画像(Image:JarTee / Shutterstock.com)