Wi-Fiルーターは、日常生活において「インターネット接続」に欠かせないデバイスであることは言うまでもありません。
そんなルーターですが、引っ越しや、家を新築した際についでにWi-Fiルーターを新調して5年~10年にわたってそのまま使い続けている方は少なくないでしょう。では1台のルーターは「10年間同じものを使い続けていても問題ない」ものなのでしょうか?
今回は、Wi-Fiルーターの寿命と管理のポイントについて詳しく解説します。
1. Wi-Fiルーターの一般的な寿命

Wi-Fiルーターの寿命は、一般的に4~5年とされています。これは、物理的な劣化や技術の進歩に伴う通信規格の変化が主な要因です。もっとも使用環境によっては3年程度で不具合が生じることもあれば、10年近く使用できる場合もあります。
つまり「10年使える場合がある」というのを鵜呑みにするだけでなく、ルーターの症状を普段からチェックし「交換時期のサインが生じているかどうか」で判断すべきでしょう。
【チェックリスト】ルーターの交換時期のサインとは?
では「交換時期のサイン」とは具体的にどのようなものでしょうか。結論から言えば、手元の端末に以下のような症状があらわれた場合、Wi-Fiルーターの交換時期が近づいているサインです。
・通信速度が30Mbpsを下回る
・頻繁な接続断や電波の届きにくいエリアが発生
・デバイスの過熱やボタンの反応がない
・新しいデバイスとの互換性の問題
もう少し詳しく見ていきましょう。
ネットワークの性能について
ネットワークの性能は、Wi-Fiルーターの寿命を判断するうえで重要なポイントとなります。

具体的には、通信速度の低下、接続の安定性、そして電波の届きにくさが挙げられます。通信速度が以前より明らかに遅くなり、たとえば30Mbpsを下回るような状況が続く場合、ルーターの性能が劣化している可能性があります。
また、頻繁に接続が途切れる場合は、ルーターが正常に機能していない兆候。さらに、以前は問題なく電波が届いていた場所で電波が弱くなる場合も、ルーターの交換を検討するべきサインです。
こうした不具合はルーター本体の寿命や技術の遅れに起因することも多いため、早めに買い換えた方がいいでしょう。
ハードウェアの状態について
ルーターの外部や内部が汚れや損傷を受けている場合も交換のサインです。

触ったときにルーターが異様に熱くなっている、変な音がするといった場合、分かりやすい故障の合図といえるでしょう。またLANポートやWANポートが物理的に壊れている場合、経年劣化が考えられます。
セキュリティ
セキュリティ面でも、古いルーターは脆弱性が増すことがあります。

WPA2など古い暗号化方式しか対応していない場合、メーカーによる更新が終了しているルーターを使い続けると、セキュリティリスクが高まります。できる限り早く買い換えた方がいいでしょう。
また、実際に不正アクセスの被害に遭った場合、原因が古いルーターであるとも考えられるので、古いルーターを使用している場合はチェックしましょう。
技術的な互換性
新しい通信規格が登場した場合、古いルーターでは対応できないことがあります。

たとえば、Wi-Fi 6やWi-Fi 7に対応していないルーターでは、最新のデバイスとの互換性が低下します。また、新しいデバイスが登場した際に対応できず、本来の性能を発揮できないこともあります。
動作の安定性
ルーターが頻繁に再起動が必要になる場合や、電源問題が発生する場合も交換時期です。

たとえば1日に何度も再起動を行う必要があったり、そもそも電源が入らない、説明書に記載されているランプとは異なるランプが点灯する場合は、動作が不安定になっている証拠です。
特にネット回線のピーク時などに起こっている場合は買い替えた方がいいでしょう。
その他
メーカーサポートが終了している場合も、寿命と考えられます。

また、なんらかの不具合があらわれて再起動したにもかかわらず、すぐに同じ症状が出た場合も寿命といえるでしょう。
一方、電子レンジなどのほかの電化製品が電波の妨害をしている場合もあるので、さまざまなシチュエーションで試してみることをおすすめします。
Wi-Fiルーターの寿命に影響を与える3つの要因
Wi-Fiルーターの寿命は、以下の3つの要因に大きく左右されます。
① 本体の物理的寿命
Wi-Fiルーターの本体は、使用することで自然に劣化します。特に、熱や埃が原因で内部部品が劣化し、通信速度が低下したり接続が不安定になることも。直射日光を避けて設置し、定期的にメンテナンスも行いましょう。
② 通信規格の陳腐化
無線LAN規格は2~6年周期で更新されます。2025年現在の最新はWi-Fi 7です。古い規格では最新デバイスの性能を最大限に活用できないので注意が必要です。
③ セキュリティリスク
セキュリティ面でも、古いルーターは脆弱性が増すことがあります。最新の暗号化方式に対応していない場合、セキュリティリスクが高まります。特に、長期間同じルーターを使用している場合は注意が必要です。
④ Wi-Fiルーターの寿命を延ばすための対策
Wi-Fiルーターの寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスや適切な設置環境が重要です。具体的には以下の対策がおすすめです。
・ファームウェア更新
・エアダスターで通気口の掃除
・直射日光が当たらない、通気性のいい場所への設置
こうした対策を行いつつ、4~5年を目安に計画的な買い替えを検討することが、快適なネット環境を維持する秘訣です。
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