今や、さまざまなシーンで人間のサポートをしてくれる生成AI。2022年11月の「ChatGPT」リリース以降、「Gemini」や「Copilot」といった後続のツールが多数登場し、生成AIは世界にその名を浸透させていった。それらの生成AIを活用したサービスが急速に普及する今、モバイル社会研究所は、生成AIの認知状況とともに利用意識や行動の調査を実施した。
男女で差がある？ChatGPTのリリースから1年後に認知した割合が多数
生成AIの認知時期調査は全国の男女15歳～69歳を対象に実施。全体を見ると、ChatGPTのリリースから1年後の2023年に認知した割合と2024年に認知した割合が同率で1位という結果になった。リリース年での認知率は18%で、それ以前は7%。また、2025年の認知率は3%となっているため、2024年までに97%の人が生成AIを認知しているということが浮き彫りになった。たった2～3年でこれほどの認知率を獲得したことにも驚きだが、社会に浸透するスピードも目を見張るものがある。
続いて性年代別の割合はどうだろう。男性を見てみると、50代以外、2023年に認知した割合が2024年の認知率を上回ることが明らかになった。対して女性は2023年の認知率が男性よりも7%低く、全体の40%以上が1年後の2024年に認知していることが分かる。2021年以前、2022年の認知率も、男性より下回っていた。男女で生成AIの認知時期に差が生まれたのは、女性よりも男性のほうが、デジタル社会への感度が少し高いということの表れなのかもしれない。
【職業別】高校生は認知時期こそ遅いものの、認知率はなんとNo.1？
今回は性年代別の調査とともに、職業別の生成AI認知時期、認知率調査も実施。「経営者・役員」や「教職員」、「自由業（開業医、著述業）」は全体の70%以上が2023年以前に認知したという結果となり、教える立場にあるからか、デジタル社会への感度が高かったことが明らかになった。対して「パート・アルバイト」「高校生」「専業主婦・主夫」は半数近くが2024年以降に認知しており、他業種と比べて少し遅い。
続いて、職業別の生成AI認知率を見てみよう。全体的には、生成AIがどのようなものか知っている割合は47%で、名前だけ知っている人や聞いたことがないという割合が53%という結果に。
職業別で見ると、なんと認知時期がワースト2位であった「高校生」が認知率トップとなり、説明できるほど理解している割合が20％となった。次いで「専門学校生、短大生、大学生、大学院生」がランクインしたことから、若年層であればあるほど認知時期こそ遅いものの、デジタル社会に対する関心が高いといえるのではないだろうか。一方、認知時期で高校生と同じくワーストだった「パート・アルバイト」「専業主婦・主夫」は認知率も低く、67～71%が内容まで把握していないということが分かった。
生成AIが世間に浸透してきた今、年齢を問わず、誰もがAIの波に乗り遅れないようアンテナを張るべき時代なのかもしれない。
出典:【モバイル社会研究所】
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