ネットショッピング、テレワークなどパソコンの使用が当たり前になってきた今の時代、IT技術の進化についていけず、頭を抱える人も多いのではないだろうか。「苦手な方専門パソコン教室 パレハ」が行った調査では、40代以上の約4割がパソコンへの苦手意識を抱えていることが判明。パソコンスキルの必要性を感じていながらも、重い腰が上がらない人が多いのが現状なのか。今回は中高年デジタル難民の「苦手意識」と「学び」のギャップについて見ていこう。
ITアレルギーの正体は専門用語?パソコンに苦手意識を持つ中高年層は約4割

株式会社デアルカが運営する「苦手な方専門パソコン教室 パレハ」は2025年3月6日~3月7日の2日間、40代以上の男女845名を対象に「パソコンへの苦手意識」に関する調査を実施。その結果、全体の39.0%が「パソコンに苦手意識がある」と回答し、約4割の中高年層がパソコンに対して抵抗感を抱いている実態が明らかになった。学生時代にパソコンやインターネットに接する機会が乏しかった40代以上の世代にとって、IT技術の進化は後追いで学ばざるを得なかったはずだ。社会に出てから急速に広まったデジタル環境に対して、リアルタイムで適応できなかった経験が、現在の苦手意識の根底にありそうだ。

続いて、パソコンに対してどのような苦手意識を持っているか聞いたところ、最も多かったのは「専門用語が多く、説明を聞いても理解できない」(70.9%)という声。次いで「操作を間違えると壊してしまいそうで怖い」(26.1%)、「キーボードやマウスの操作が難しい」(20.9%)という回答が続いた。これらの結果から、多くの中高年層がパソコンを複雑で親しみにくいものと感じている実態が読み取れる。特に専門用語の壁は大きく、知識不足による「理解できない」という不安が、操作そのものへの恐怖や抵抗感にもつながっていると考えられる。技術的な問題というよりも、言語や認知のレベルでパソコンへの苦手意識が根付いていそうだ。
苦手は認めても動けない。学び直しが進まない理由とは

では実際、苦手意識を克服しようと行動に起こした人はどれぐらいいるのだろうか。パソコンに苦手意識を持っていると回答した人に「過去にパソコンに対する苦手意識を克服しようと取り組んだことはあるか」と尋ねたところ、「取り組んだことがある」と答えた人は39.7%にとどまり、「取り組んだことがない」が60.3%と過半数を占めた。多くの人が苦手だと感じながらも、実際に行動に移すまでには大きなハードルを感じているようだ。
また、取り組んだことが「ない」と答えた人の理由として、「今さら学ぶには遅いと感じ、挑戦しようと思わなかったから」「理解力に自信がなく諦めているから」「克服する必要性を感じていないから」といった声があがった。自信のなさや必要性を感じられないことなど、心理的な要因が学び直しの障壁になっていると考えられる。
AI技術の進化が加速する今、経歴や年数だけに頼っていては生き残れない時代に。今の仕事も、数年後にはAIに置き換えられてしまう可能性は十分にある。だからこそミドル世代は危機感を持ち、パソコンをはじめとしたデジタルスキルを積極的に身につけていく必要がある。これからは「何をやってきたか」ではなく、「今、何ができるか」が問われる時代になるだろう。
出典:【株式会社デアルカ】
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