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8Kテレビは本当に必要か? 4K・8Kが一般家庭のテレビとして普及しない理由

8Kテレビは、4Kテレビの4倍という圧倒的な画素数を誇り、究極のリアリティを追求する映像技術として注目されています。しかし、2025年現在、一般家庭への普及は進んでおらず、そもそも「テレビはよく見るけれど、8K映像を目にしたことがない」この記事を読んでいる方のなかにも多いのではないでしょうか?

今回は8Kがなかなか普及しない理由について、詳しく見ていきましょう。

国内における4K・8K受信できるテレビの総数は?

4K・8Kを受信できるテレビの国内の総数はどれくらい?1
(画像はスマホライフPLUS編集部で作成)
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4K・8K対応テレビは2024年4月に累計2,000万台突破しています。これはNHKなどが加盟している「放送サービス高度化推進協会」が発表したもので、4K・8Kの衛星放送開始から5年半で2,000万台を超えたことになります。

では、2,000万台という台数は、国内のカラーテレビの総数に対して多いと言えるのでしょうか。まず国内では100世帯あたり181.5台のカラーテレビが普及していると言われています。

また、国内の一般世帯総数は4,885万世帯(※2020年の一般世帯総数)です。

このデータを基に計算すると、『1世帯あたりの平均台数: 181.5 ÷ 100 = 1.815台/世帯』、『総普及台数: 48,850,000世帯 × 1.815台/世帯 = 88,662,750台』となるため、国内のカラーテレビの総数は約8,866万台となります。つまり4K・8Kを視聴できるテレビは、国内において「4分の1以下の割合」であり、大半の家庭ではフルHDやそれ以下の画質の地上波やDVD、VHSなどを今でも視聴していると考えられます。

さらに、「4Kテレビが8K映像も視聴できる」とは限らないため、実際の8Kの普及率はさらに大幅に低いでしょう。ほとんどの人にとって「8Kは見たこともないもの」と言っても、過言ではないかもしれません。

8Kテレビが一般家庭になかなか普及しない理由

さきほど触れた「放送サービス高度化推進協会」は、ロサンゼルスオリンピック・パラリンピックが行われる2028年には累計4000万台突破を目指しています。

4000万台となると、国内の約8000万台のカラーテレビの半数が4K・8K対応のテレビになることを意味しますが、その目標値が現実的かどうかは疑問が残ります。圧倒的なコンテンツ不足と日本の家庭環境という制約をオリンピックの魅力“だけ”で突破できるかは、疑念が集まる点ではないでしょうか。

圧倒的なコンテンツ不足

8Kテレビの普及を妨げる最大の要因は、視聴できるネイティブ8Kコンテンツが極めて少ないことです。8K放送はNHK BS8Kなどごく一部に限られ、主要な動画配信サービス(Netflix、Amazonプライム・ビデオなど)も8Kコンテンツの提供には至っていません。

また国内の地上波は4K放送の開始にも至っていません。地上デジタル放送は1440×1080画素であり、厳密には画素数においてフルハイビジョンとも言えません。

映画やテレビ番組の制作では、8Kカメラで撮影しても最終的に4Kでリリースされることがほとんどです。この「コンテンツがないからテレビが売れない、テレビがないからコンテンツが作られない」という鶏と卵の問題が続いていると言えるでしょう。

視聴環境の制約と高価格

視聴環境の制約と高価格1
(画像はスマホライフPLUS編集部で作成)

8Kの映像品質のポテンシャルを発揮するには、テレビの実用サイズとして85インチが必要だと言われています。しかし日本のいわゆる「お茶の間」の典型的な間取りを踏まえると、家庭に85インチのテレビを置くのは必ずしも現実的ではありません。

ちなみに、85インチのテレビが「大きすぎる」という問題に直面しているのは、日本だけではありません。たとえば中国都市部では、85インチ以上のテレビを搬入しても都市部のマンションに搬入できないことが問題になっています。そのため中国ではスクリーンをロール状にして運べる「レーザーテレビ」がトレンドになりつつあり、ハイセンスなどが積極的な製品開発に取り組んでいます。

こうしたレーザーテレビは日本国内でも一定の需要があると考えられますが、8K対応のレーザーテレビが魅力的な価格帯に落ち着くには長い時間がかかるでしょう。

「フルHDで十分」という考え方も根強い

現在主流のフルHDテレビでも十分に美しい映像を楽しめると感じていることも、8Kテレビ普及の足かせとなっています。たとえば32インチ程度のテレビを2.5メートルほどの距離で視聴した場合、フルHDと4K・8Kとの違いを肉眼で判別するのは難しいでしょう。

「フルHDで十分」という考え方も根強1
(画像はスマホライフPLUS編集部で作成)

4K、8Kはテレビサイズが大きくなればなるほど、近くで見たときの画質の綺麗さが分かりますが、あまり大きな画面を求めていない人にはフルHDは十分。加えて、テレビ自体の需要が減少傾向にある中で、わざわざ高価な8Kテレビに買い替える必要性を感じていない人が大半かもしれません。

※サムネイル画像は(Image:​「Amazon」より引用)

スマホライフPLUS編集部

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