生成AIサービスの普及が進む中、今では個人だけでなくサービスを導入する企業も増加傾向にあるが、実態はどうなのだろうか。ICT総研は7月2日、法人による生成AIサービスの利用実態を把握するための「2025年7月法人向け生成AIサービス利用動向に関する調査」の概要を発表した。サービス導入済みの法人がどれぐらい増えているのか、人気のサービスや導入後の満足度などについて紹介していこう。

生成AIサービスを利用する法人は年々増加傾向にある

今回の調査結果によると、生成AIサービスを導入している法人は41.3万社にのぼることが明らかになった。2023年の法人利用数は24.7万社だったため、17万社ほど増えていることが分かる。2026年以降も増加が見込まれており、2027年には約60万社にまで法人利用数が伸びると予測。この爆発的な普及には、AI技術の進化に加え、業務効率化や意思決定支援、創造的業務の補助といった多様な業務ニーズに応える柔軟性が影響していると考えられる。導入しやすいサービスの開発や紹介時の工夫やコスト削減などにより、これまで導入に慎重だった中小企業や非IT系業種の企業からも導入に至っているようだ。

生成AIサービスの利用状況についても調査結果を見てみると、インターネットユーザー4,068人中、トライアル利用も含めると約25%が業務に導入していると回答。導入を検討しているという人も7.4%ほどいることが分かった。一方、導入予定すらないという人も46.2%存在しており、生成AIが普及しているとは言い難い状況だ。
満足度トップの生成AIサービスは「Notion AI」でChatGPT越えか

現状、法人利用されている生成AIサービスの中でもっとも利用数が多いのは「ChatGPT」で、全体の52.1%を占めている。次いで「Microsoft Copilot」が42.3%、「Google Gemini」が28.5%と続き、トップ3が生成AIサービスの市場を占めている印象だ。OpenAIやMicrosoft、Googleなど、主要プラットフォーマーが提供する汎用型生成AIは、法人業務での浸透率が高いと言えるだろう。20%を切るものの、Claudeが13.1%、Apple Intelligenceが11.0%、Notion AIが7.7%でその他も続く結果となった。

一方、生成AIサービスの利用数に関連して導入後の満足度をサービス別で調査したところ、なんとNotion AIが83.3%で利用数1位のChatGPTを超え、トップであると判明。0.3%差でChatGPTが後に続き、Apple IntelligenceやGitHub Copilot、Google Gemini、Microsoft Copilotは80%台でいずれも高い評価を獲得している。
サービスが増え、導入ハードルも下がりつつある今、ほとんどの法人業務にAIが標準導入される未来は、もうすぐそこまで来ていると言えるのではないだろうか。
出典:【ICT総研】
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