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ラジオから文字が出た!2014年まで全国放送されていた『見えるラジオ』実機が話題に

見えるラジオとは何だったのか

かつて「見えるラジオ」という名称で親しまれたFM文字多重放送を覚えている人はどれほどいるだろうか。FMラジオの音声放送に、文字データを重ね合わせて送信し、専用の受信機で文字情報を読むことができるという仕組みであった。ニュースや天気予報、番組表、株価情報などをラジオと同時に受け取れる画期的なサービスとして、1990年代半ばから2000年代にかけて大きな注目を浴びた。

見えるラジオは、アナログ放送とデジタルデータを組み合わせたハイブリッドな存在だった。当時のインターネット普及率はまだ低く、携帯電話のパケット通信も高額だった時代に、無料で最新の情報を文字で入手できるという点が強みだったのである。

yokoshiroさんが紹介した実機とその使用感

今回話題となったのは、X(旧Twitter)ユーザーの yokoshiro(@yokoshiro1234)さん の投稿である。yokoshiroさんは「これですね。自宅にありました。使ってみて面白かったけど、なかなか情報が更新されなくてw」とコメントを添えながら、見えるラジオ対応の実機を公開した。

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(画像は「yokoshiro(@yokoshiro1234)」さん提供)
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専用のポータブルラジオやラジカセ型機器の液晶画面に、スクロールする文字が映し出される様子は、今見ても独特の先進性を感じさせる。しかし、当時の利用者が感じた「情報更新の遅さ」は、サービスを使った人ならではの実感である。文字放送はリアルタイム性に限界があり、更新頻度は決して高くはなかった。それでも、文字が表示されるというだけで十分にワクワクさせてくれる存在だったことが、yokoshiroさんの言葉からも伝わってくる。

サービス終了とその背景 ― 見えるラジオは2014年に終了

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(画像は「TOKYO FM」公式サイトより引用)

見えるラジオは2014年ごろまで全国で放送が続けられていた。約20年にわたり提供されたが、最終的に終了した背景にはいくつかの要因があった。最大の理由はインターネットとスマートフォンの普及である。ニュースや天気予報、株価といった情報を手元の携帯端末で瞬時に確認できるようになったことで、文字多重放送の役割は急速に小さくなっていった。

また、専用受信機の普及台数が伸び悩んだことも大きい。見えるラジオ対応機器は一時期、家電量販店やカタログに並んでいたものの、一般的なラジオ機器に比べると高価であり、利用者層は限られていた。放送局にとっても専用設備の維持にはコストがかかり、利用者数の減少とともに事業継続は難しくなっていったのである。

いま実機を所有することの意味

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(画像は「株式会社日立製作所」公式サイトより引用)

それでも、yokoshiro(@yokoshiro1234)さん のように実機を所有し、当時の姿を記録として残している人の存在は貴重である。見えるラジオは単なる情報サービスではなく、技術史の中での過渡期を象徴するメディアだった。インターネットが本格的に普及する前夜に、人々がどのように情報を受け取っていたのかを示す生きた資料と言える。

懐かしさを覚える人もいれば、初めて知って驚く若い世代もいるだろう。ラジオというメディアが音声中心でありながら、視覚情報を取り入れる挑戦をしていた事実は、今振り返ってもユニークである。

技術の移り変わりとメディアの記憶

見えるラジオの歴史は、テクノロジーがいかに速いペースで進化し、過去の仕組みを置き換えていくのかを物語っている。今の若者世代にとっては、「ラジオから文字が出る」という発想自体が新鮮に映るかもしれない。しかし当時は真剣に「これからの情報伝達の形」として期待されていたのである。

インターネットに役割を奪われた今では、見えるラジオは「姿を消したメディア」のひとつとして語られる。しかし実機の存在は、単なるノスタルジーではなく、時代を反映する重要な記録である。yokoshiro(@yokoshiro1234)さん の投稿は、そのことを多くの人に思い出させるきっかけとなった。

見えるラジオは2014年ごろに役割を終えたが、その存在が示すのは「メディアは常に進化し続ける」という事実である。今後も新しい技術が登場し、かつての革新がやがて懐かしさに変わっていくのだろう。

今回の投稿をきっかけに、忘れ去られつつある見えるラジオに再び光が当てられた。実機を大切に残す人々がいる限り、その記憶は完全に消えることはない。

※サムネイル画像(Image:「yokoshiro(@yokoshiro1234)」さん提供)

スマホライフPLUS編集部

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