動画配信サービスの値上げが続くなか、最近では比較的低価格な広告付きプランを導入するサービスも増えている。こうした状況について、利用者はどう感じているのだろうか。オリコンが実施した定額制動画配信サービスに関する調査結果をもとに、現状を見ていこう。

約6割以上が「広告付きプランに変更したくない」と回答

オリコンは、2025年6月26日~7月17日に、自身のアカウントで現在2カ月以上継続登録し、料金を把握して利用している全国の18~84歳の男女2,956人を対象に、定額制動画配信サービスに関する調査を実施した。
さらに調査期間時点で、広告付きプランを提供していないサービス利用者1,587人を対象に、「広告付きプランが提供開始された場合の今後の切替意向」を尋ねたところ、全体で「広告付きプランに変更したくない」が6割以上を占めた。サービス別では、この割合が最も高かったのは「dアニメストア」で75.3%、次いで「Hulu」が69.1%、「DMM TV」が65.9%となった。広告付きプランに否定的な理由としては、「広告が挟まれることにより、作品への没入感が一気に失われる」「映画の世界観に広告が入ってくると、台無しになるから」といった意見が挙げられた。
一方で、「広告付きプランに変更したい」と回答した割合が高かったのは「Disney+」で18.9%、次いで「FODプレミアム」が14.3%だった。これらの回答者からは、「広告付きになることで月額料金が安くなるなら前向きに検討すると思う」「やはり料金が高いため、割安にコンテンツを視聴できるなら魅力だと思う」という声が寄せられた。メインの動画配信サービスに加えて、サブとして利用する人が多いため、少しでも出費を抑えたいという心理が今回の結果につながったと考えられる。
月額料金の値上げは継続に負担を感じるが7割以上

続いて「月額料金の値上げ(価格改定)について」尋ねたところ、「月額料金が上がりすぎると、利用を続けるのが負担に感じる」と回答した割合が、すべてのサービスにおいて7割を超える結果となった。特に「DAZN」では82.1%と突出して高く、スタンダードプランの料金が4,200円と他の動画配信サービスに比べて高額であることが、こうした結果につながったと考えられる。一方、「dアニメストア」や「Netflix」では、「コンテンツが充実していれば、値上げも仕方ないと思う」と回答した割合が2番目に高く、サービスによって利用者の受け止め方に差がみられた。
複数の動画配信サービスを契約するのが一般的になった今、利用者は月額料金の上昇を負担に感じながらも、広告付きプランへの変更には抵抗を持つという葛藤を抱えていることがわかった。「Hulu Disney+ セットプラン」のように、お得に利用できるセットプランの登場を望む声も増えそうだ。




