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パソコンと主要部品の値上がりはいつまで続く?高騰の理由と今後の見通し

パソコンと主要部品の値上がりはいつまで続く?高騰の理由と今後の見通し1
(画像は「photoAC」より引用)
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ここ最近、パソコン本体やPCパーツの価格を見ると「以前より明らかに高くなっている」と感じる人も多いのではないでしょうか。

特にハイエンドのグラフィックボードや最新世代のCPUだけでなく、これまで比較的安価だったメモリやSSDまで軒並み値上がりしています。

パソコンと主要部品の値上がりはいつまで続く?高騰の理由と今後の見通し2
(画像は「Microsoft」公式サイトより引用)

もちろん、最大の理由として、2025年10月14日のWindows 10サポート終了に伴う買い替え需要が挙げられますが、今回の値上がり幅はそれだけでは説明できないほど大きいものです。

かつては“待てば安くなる”がPCパーツの常識でしたが、今はその法則がまったく通用しない状況です。本記事では、なぜこれほどまでに価格が高騰しているのか、その複合的な要因を紐解きます。

メモリの高騰とデータセンター建設ラッシュ

メモリの高騰とデータセンター建設ラッシュ1
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

今回の価格高騰において、最も象徴的かつ深刻な影響を与えているのが「メモリ」と「ストレージ」の需給バランスの崩壊です。

2025年現在、ChatGPTをはじめとする生成AIの急速な普及に伴い、Google、Microsoft、Amazonといった巨大IT企業は、AI処理能力を強化するためにデータセンターの増設を急ピッチで進めています。そして巨大なAIモデルの研究・開発には、従来のサーバーとは比較にならないほど大量かつ高速なメモリが必要です。

こうした状況のなかで、特にサムスン電子の動向が大きな注目を集めています。

メモリの高騰とデータセンター建設ラッシュ2
(画像は「Samsung」公式サイトより引用)

サムスンはDRAM生産能力において世界最大手の一角を占めている一方、SKハイニックスやMicronなどのメーカーはNVIDIAのGPUに使われる半導体メモリの方にリソースの多くを集中させており、そのため、AI向けサーバーに使われるDDR5メモリまで十分に生産できない状況が続いています。

この状況を受け、サムスンはDDR5メモリの価格をわずか数カ月で最大60%も引き上げ。結果として、世界最大級の生産能力を持つサムスンが市場の供給を握る形となり、「価格決定権(プライシング・パワー)」を強力に行使できる立場になったことが市場に衝撃を与えました。

パソコンと部品の値上がりの「その他」の要因は?

PCや部品の値上がり要因には、ほかにも「GIGAスクール構想」に伴う需要増や円安の影響も挙げられます。

GIGAスクール構想「第2期」による官需の増大

GIGAスクール構想「第2期」による官需の増1
(画像は「文部科学省」公式サイトより引用)

教育現場における「GIGAスクール構想」も、現在のPCとPC部品の値上がりの原因のひとつです。第1期で導入された端末の多くが更新時期を迎えており、政府は第2期に向けて補助金の増額や端末スペックの引き上げを決定しています。

全国の小中学校で数百万台規模の端末入れ替え(リプレース)が発生するため、メーカー各社はこぞってこの「官需」に対応するための在庫確保に動きます。一般市場向けのPCやパーツの供給が圧迫され、結果として市場価格の下支え、あるいは上昇要因となってしまうのです。

歴史的な円安

PCパーツのほとんどは海外からの輸入品です。仮にドル建ての原価が変わらなくても、円安が進行すれば国内販売価格は上昇します。

現在は1ドル150円強で推移する、歴史的な円安水準です。かつての1ドル110円台の感覚と比較すると、為替だけで約3〜4割もコストが増している計算になります。これに原材料費の高騰や輸送コストの上昇が加わり、価格上昇をさらに後押ししています。

需給のひっ迫は解消されず「長期化」の見込み

では、この値上がり傾向はいつ収束するのでしょうか。残念ながら、「2026年に入っても高騰は続く」というのが大方の見方です。

需給のひっ迫は解消されず「長期化」の見込み1
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

学習用のサーバー投資に加え、2026年以降は推論需要がさらに増加すると見られ、一部の巨大テック企業だけでなく、一般企業、病院、金融機関、自治体などがそれぞれの業務専用AIを動かし始めます。これにより、AI半導体の裾野が圧倒的に広がり、需要が途切れなくなります。

さらに、これまでクラウド(データセンター)で行っていたAI処理を、セキュリティや速度のためにPCやスマホ本体で行う「オンデバイスAI」が標準化するでしょう。これに伴い、ハードウェアの大規模な買い替えが発生すると見られます。

総じてPC市場は「AI需要による部品不足」「円安」「更新需要の集中」というトリプルパンチを受け、かつてないインフレ局面にあります。

2026年に向けてもこの傾向は続くと見られており、楽観的な値下がり待ちは推奨できません。

※サムネイル画像は(Image:​「photoAC」より引用)

スマホライフPLUS編集部

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