
ブラウザのタブを開きすぎて、どれがどのページかわからなくなった経験はありませんか。タブが小さくなりすぎてアイコンすら判別できず、結局全部閉じてやり直す――そんなストレスに、Googleがひとつの回答を出しました。
Chromeに新たに追加された「縦タブ(Vertical Tabs)」機能について、設定方法から他ブラウザとの比較まで、詳しく解説します。
Chromeの「縦タブ」とは? 何が変わるのか
Googleは4月7日(火曜日)、Chrome安定版に縦タブ機能を正式に導入しました。従来、タブはURLバーの上に横一列で並ぶのが当たり前でしたが、この新機能を使うとブラウザ画面の左側に縦のリストとしてタブが表示されます。
横並びの場合、タブを大量に開くとひとつひとつが極端に細くなり、タイトルどころかサイトのアイコンすら読み取れなくなります。縦タブではタブの見出しが横幅を使って表示されるため、どのタブがどのページなのかが一目瞭然です。縦タブのバーは幅を縮めてアイコンだけの表示にすることも可能で、画面の横幅を圧迫しすぎない工夫もされています。
この機能は完全にオプションです。有効にしても気に入らなければすぐに元の横タブに戻せます。Googleによると「この機能は現在ロールアウト中で、まもなくお使いのChromeにも表示される」とのこと。まだ表示されない方はしばらく待てば利用できるようになるはずです。
縦タブの設定方法 ― 3クリックで切り替え可能
設定方法はとてもシンプルです。
- Chromeウィンドウの上部(タブバーの領域)で右クリックする
- 表示されたメニューから「Show Tabs Vertically」を選択する
- 即座にタブが画面左側に縦表示へ切り替わる
元に戻したいときは、同じ手順で横表示に切り替えられます。
あわせて、Googleはフルページ表示のリーディングモードも追加しています。こちらはページ上で右クリックし「Open in reading mode」を選ぶだけ。広告やサイドバーが消えた読みやすい画面に切り替わるので、長文記事を読むときに便利です。
実は”最後発”――他ブラウザの縦タブ事情
意外に思われるかもしれませんが、縦タブ自体は新しいアイデアではありません。Chromeはむしろ主要ブラウザの中で最も遅い導入です。
先行ブラウザの対応状況
- Vivaldi:初期バージョンから縦タブに対応。上下左右どの位置にもタブバーを配置でき、タブスタックやタブの休止(ハイバネーション)といった高度な管理機能も備えています。
- Brave:2023年5月末リリースのバージョン1.52で縦タブを導入しました。
- Microsoft Edge:Windows・macOSの最新版で利用可能。Ctrl+Shift+,(カンマ)で横・縦をワンタッチ切り替えでき、タブグループ機能やスリーピングタブ(使っていないタブのリソースを節約する仕組み)とも連携します。
- Firefox:2024年4月からNightlyの実験ブランチでテストを開始。2024年後半にかけてNightly・Betaで段階的にテストが行われ、2025年3月のバージョン136で安定版に正式搭載されました。
- Arc:折りたたみ可能なサイドバーに縦タブを配置するのがブラウザ設計の根幹。一定期間使われなかったタブを自動でアーカイブする機能も特徴的です。
Chromeの縦タブ機能は2025年11月にChrome Canary(開発者向けの実験ビルド)に搭載され、そこからUIの調整を経て今回の正式リリースに至りました。後発ゆえに、他ブラウザの実装を研究したうえでの投入と見ることもできます。
縦タブは「使うべき」か? メリットとデメリット
メリット
- タブの視認性が劇的に向上する。横タブでは10個を超えるとタイトルが消えますが、縦タブなら見出しの大部分が読めます。
- 常時タブを多く開く人ほど恩恵が大きい。調べものをしながら仕事をする人、SNSとニュースを同時に開く人には特に有効です。
- ワイドモニターとの相性が良い。最近のディスプレイは横長が主流。縦方向に余白が少ない一方、横方向にはスペースがあるため、左端をタブに使っても本文表示への影響は限定的です。
デメリット
- 慣れが必要。2004年にFirefox 1.0がタブブラウジングを一般に広く普及させて以来、約22年間横タブが標準でした。視線の動きが根本的に変わるため、最初は違和感があります。
- 横幅の狭いノートPCでは画面が窮屈になる可能性。13インチクラスのディスプレイでは、タブバーをアイコン表示に縮めるなどの工夫が必要になるかもしれません。
世界シェア1位のブラウザが動いた意味
Chromeは世界で最も利用者が多いWebブラウザです。VivaldiやArc、Braveのようなブラウザが先に縦タブを実装してきましたが、ユーザー規模が桁違いのChromeが正式採用したことで、縦タブという概念そのものが「知る人ぞ知る機能」から「スタンダードの選択肢」に格上げされたと言えます。
編集部としては、まず1週間だけ試してみることをおすすめします。最初は違和感があっても、タブの見出しが読めるだけでブラウジングのストレスは確実に減ります。合わなければ右クリック一つで戻せるのですから、失うものは何もありません。
今すぐ試したい方は、以下の3ステップで始められます。
- Chromeが最新版か確認する(右上の「︙」→「ヘルプ」→「Google Chromeについて」でアップデート)
- タブバーを右クリックして「Show Tabs Vertically」を選択する
- 1週間使ってみて、合わなければ同じ手順で横タブに戻す
参考:Chrome Unboxed、TechCrunch、9to5Google、gHacks、Brave Blog、Winaero、Microsoft Edge Features、Digital Trends、Wikipedia


