誰しもスマホの充電は速いほうがいいですよね。もちろん、急速充電すれば通常より2~4倍も速く充電できますが、バッテリーに不具合が出たり劣化したりしないのでしょうか? そこで今回は、気になるスマホの急速充電の基本とNG行為について解説します。
そもそも急速充電って何なの?
最近のスマホは4,000mAhを超える大容量バッテリーを搭載しているものも多く、かなりバッテリーの持ちが良くなりました。
しかし、その分フル充電するまでに時間がかかってしまうので、やはり急速充電でできるだけ速く充電したいものですね。
でも、急速充電することでバッテリーに不具合が出たり劣化したりしないのでしょうか?
その前に急速充電の基本について解説しましょう。そもそもスマホで使う充電器は5W~10Wが標準的であり、特に「急速充電」に明確な定義はありません。
何となく、USB PD(Power Delivery)やQC(Quick Charge)といった充電規格に対応することで、15~20W以上で充電できるものを「急速充電器」と呼んでいるのです。
また、スマホを急速充電するにはUSBケーブルも「PD」に対応する製品を使用する必要があります。非対応のUSBケーブルでは急速充電できませんのでご注意ください。
急速充電でバッテリーの劣化が早まるという噂は本当か?
スマホで急速充電し続けるとバッテリーの劣化が早まるという噂を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、通常の充電器やUSBケーブルを使っていれば、バッテリーをできるだけ劣化させないように適切な電圧・電流で充電できるようになっているので、さほど心配する必要はありません。
たとえば、最近のスマホは18~27W程度で充電されますが、最大100Wに対応する充電器を使用しても、自動的にスマホ側が対応する電圧・電流の情報をやり取りして適切に充電できるようになっています。
急速充電時は、多少スマホ本体が熱くなるかもしれませんが、基本的には急速充電器を使用しても問題ないのです。
もちろん、怪しい中華製充電器や素性の分からないUSBケーブルを使うと、このような安全機能が働かず、バッテリーを劣化させる危険性もありますのでご注意ください。
また、最近のiPhoneではバッテリーの劣化を防ぐために「バッテリー充電の最適化」機能が搭載されており、これをオンにすると80%までは急速充電し、80~100%までは低速充電に切り替えるようになっています。
さらに、iPhone 15以降のモデルでは「充電上限」を80~100%に指定できる機能も追加されました。これは100%充電の状態を長く続けることでバッテリーが劣化するのを防ぐための機能で、上限を85~95%に設定しておけば安心ですね。
●Apple「iPhoneの充電上限とバッテリー充電の最適化について」は→こちら
ちなみに、最近のAndroidスマホのなかには、80W~120Wという超急速充電に対応する製品もあります。
たとえば、「Xiaomi 14T Pro」は最大120Wでの充電が可能で、5,000mAhのバッテリーをたった19分で1%→100%まで充電可能となっています。
また、「OPPO Reno10 Pro 5G」は最大80Wの充電に対応しており、4,600mAhのバッテリーを2%→100%まで、わずか28分で充電できるんですよ。
これらは、通常の数倍のスピードでスマホを充電することができますが、専用充電器を使ってしっかり制御されているので、基本的にバッテリーの劣化を心配する必要はありません。
バッテリーの劣化が進む原因とNG行為
ここまでの説明で、基本的にスマホを急速充電してもバッテリーが極端に劣化しないことがお分かりいただけたと思います。
しかし、充電方法や環境によってはやはりバッテリーの劣化を加速させてしまうNG行為がありますので、十分注意してください。
【NG行為 1】スマホのバッテリー残量が0%になってから充電する
バッテリーが0%になるまで使ってしまうと、過放電でバッテリーに負荷がかかります。基本的に、スマホのバッテリー残量が20~30%以下になったら充電するよう心がけましょう。
【NG行為 2】100%状態でスマホを充電し続ける
基本的に、バッテリーは100%まで充電せず、80~90%程度にしておいたほうがダメージが少ないようです。
また、夜寝る前に充電しておいて100%の状態が長く続くのも良くありません。もし、スマホ側で設定できる場合は充電上限を80~90%にしておいたほうがいいでしょう。
【NG行為 3】スマホを充電しながらゲームや動画を観る
バッテリーは熱に弱いのですが、スマホでゲームやYouTube動画を視聴すると、スマホに負荷がかかり本体が高温になることがあります。
まして、充電しながらスマホで負荷のかかる作業を長時間続けると、電源供給と充電の両方を同時に行うことになり、バッテリーの劣化が進んでしまいます。
【NG行為 4】高温や低温の場所でスマホを充電する
先ほどバッテリーは熱に弱いと説明しましたが、逆に寒い場所も苦手です。
スマホを充電するのに適切な温度は5℃~35℃程度だと言われていますので、極端に暑い場所や寒い場所でスマホを充電すると、バッテリーの劣化が進みますのでご注意ください。
まとめ
いかがでしょうか? 通常の環境で急速充電してもスマホのバッテリーが極端に劣化することはありません。
しかし、0%から充電したり100%の状態をキープし続ける。あるいはゲームをしながら充電したり、極端に暑い場所や寒い場所での充電も、バッテリーにはよくありません。
もし、バッテリーの劣化が気になるようでしたら、iPhoneの場合は、設定から「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」を開き、最大容量をチェックしましょう。ここが80%を切っていたらバッテリー交換の目安になります。
また、最近のAndroidスマホでもバッテリーの状態を確認できることが多いので、一度チェックしてみることをオススメします。