スマートフォンを所有するシニアが増加する一方で、うまく使いこなせなかったり、身に覚えのない連絡を受けたりといったトラブルを経験している人も一定数いるようです。シニア世代のスマホ利用の実態を明らかにするため、MMD研究所が実施した「2024年シニアのスマートフォンのセキュリティに関する調査」の結果を見てみました。
シニアの約7割がスマホに関するトラブル経験あり
2024年12月11日～13日に、スマートフォンを所有する60歳～79歳の男女1,200人を対象としたインターネット調査が実施されました。「スマートフォンに関するトラブルや困りごとの経験有無」を尋ねたところ、「経験したことがある」と回答した人は72.4％に上り、4人に2人以上が何らかのトラブルや困りごとを経験していることが明らかになりました。
次に、スマホ利用におけるトラブルや困りごとを誰に相談するかを尋ねたところ（複数回答可）、「同居している家族」と答えた人が31.9％と最も多く、次いで「通信会社のカスタマーサポート」が27.9％、「同居していない家族」が21.6％と続きました。家族やカスタマーサポートといった信頼できる相手に頼って解決する人が多い一方で、「特に相談せず、自分で解決する」（19.6％）や「特に相談せず、諦める」（4.9％）という人も一定数いることが明らかになりました。
スパムやウイルス、詐欺などのトラブルに遭った場合、独断で対応するのはリスクを伴うため、本人だけでなく家族もこまめにコミュニケーションを取るなど、注意が必要と言えそうです。
セキュリティ対策をしているシニアは6割強、ただし対策は限定的か
スマホを利用する際のセキュリティや防犯対策について、「ある程度意識しており、自分で設定や対策を行っている」と回答した人が42.6％、「ある程度意識しており、家族や知人に相談して設定や対策を行っている」が21.6％で、合わせて6割強の人が対策を実施していることが分かりました。
一方で、「ある程度意識しているが、具体的な対策はしていない」という人が24.6％に上り、4人に1人は危機意識があるものの、行動には移せていないことが明らかになりました。
実際にセキュリティや防犯対策を行っている770人に、具体的な方法を尋ねたところ（複数回答可）、「怪しいメッセージやリンクを開かないようにしている」と回答した人が74.2％で最も多く、次いで「非通知や知らない電話番号には出ないようにしている」が69.7％、「詐欺電話や不正請求に注意している」が56.3％と続きました。警察やメディアによる注意喚起が功を奏しているのか、多くのシニアがスパムメールや詐欺電話への対策を行っていることが分かります。
一方で、不正利用や情報漏洩に対する具体的な対策を行っている人は半数以下に留まっており、「セキュリティソフトの利用」が43.1％、「個人情報入力時にサイトの安全性を確認している」が30.6％、「公共Wi-Fiに個人情報を入力しないようにしている」が26.9％でした。
これらの結果から、シニアのセキュリティ対策に偏りがあることが浮き彫りになりました。不正利用や情報漏洩から守るためには、正しい情報発信や家族の支援体制が不可欠です。ご両親が十分なセキュリティ対策を行っているか、またスマートフォンで困っていることがないか、一度話し合ってみるのも良いでしょう。
出典元:【MMD研究所】
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