主要キャリアによる3G回線終了に伴い、ガラケーからスマホに移行せざるを得なかったシニア層の方も少なくないでしょう。
とはいえ、もともとガラケーを使っていた人にとって、携帯端末にもっとも重要なのは「通話」。それ以外の余計な機能はむしろ不要だと感じる人もいるはず。
そこでこの記事では「シンプルな機能のみを搭載した機種例」や、選ぶ際の注意ポイントをご紹介します。
そもそもガラケーはいつまで使える?
結論から述べると、2025年5月現在も3G回線を提供しているのはドコモのみ。つまり「ドコモと契約している場合のみ、従来の3G回線のガラケーが利用可能」なのが現状です。とはいえ、ドコモも2026年3月31日に3Gサービスを終了予定です。

なお、auは2022年3月末、ソフトバンクは2024年4月15日(石川県は同年7月末)を持って3Gサービスを終了済みです。
そのため、今後もガラケーを使うには、4G LTE(VoLTE)対応の端末、いわゆる「ガラホ」と呼ばれているフィーチャーフォンを選ぶ必要があります。
「通話のみ」でスマホを選ぶ際の機種例

カメラ性能やネット利用を重視せず「通話のみ」でスマホを選ぶ際には、前提として操作の分かりやすさや通話品質、バッテリー性能などを重視すると良いでしょう。

またカスタマーサポートや店頭サポートの有無もチェックするのがおすすめです。近年はキャリアの携帯ショップの店頭サポートが有償化するケースが増えてきましたが、場合によっては有償サポートのオプションを利用する前提で「店頭サポート」を重視して端末と料金プランを選ぶのも一案です。
そのうえで端末そのものはいわゆる「らくらくホン」を選ぶか、それとも従来のガラケーに近いデザインのものを選ぶか、選択肢がいろいろとあります。2例、それぞれ見ていきましょう。
【従来のガラケーに近い】4G LTE対応のガラケーの例
従来のガラケーに近い「4G LTE対応のガラケー」であれば、3G回線終了後も引き続き端末を使うことができます。
代表的な端末にはシンプルな折りたたみデザイン、大きな文字とボタン、長時間バッテリーが特徴の「DIGNO®ケータイ KY-42C(NTTドコモ)」があります。

物理ボタンが存在することや折り畳みデザインである点など、従来のガラケーとほぼ操作性が変わらないため、通話のみで端末を使いたい場合におすすめの機種の1つです。
ただし、こうした「ガラケー的なスマホ」はニーズが良くも悪くも限定的であるとも言えます。今回の記事作成に当たって筆者が数店舗、家電量販店の店頭で在庫をチェックした限り「ガラケー的なスマホ」の取り扱いは限定的でした。
実際に端末を購入する場合は、お近くの店舗に電話で在庫状況の確認を事前に行うか、端末のみをオンラインで購入して後から格安SIMなどを挿して使うのも一案です。
【らくらくホン】ドコモのシニア向けスマホの例
いわゆる「らくらくホン」を使うのも良いでしょう。らくらくホンは高齢者向けの携帯電話として長らく定番であり、こちらは筆者が家電量販店を数店舗巡った限り「比較的取り扱いが多い」印象でした。

大きな文字とアイコン、押しやすいボタンのような“らくらくタッチ”という独自の操作方法、充実したサポート(らくらくホンセンターなど)が特徴です。最新機種の「らくらくスマートフォン F-53E」は2025年1月30日に発売され、迷惑電話対策機能や健康管理に役立つ自律神経計測機能も搭載しています。
「通話のみ」でスマホを選ぶ際の料金プランの考え方
「通話のみ」でスマホを選ぶ際は、端末そのものに加え、料金プランの選び方も重要です。昨今は「格安SIM」が広がりを見せてはいるものの、シニア層の方が適切なサポートを受けながらスマホを利用するという前提においては「大手キャリア」のプランを選ぶ方が良い場合もあるでしょう。
大手キャリアの場合
たとえばドコモでは、「ケータイプラン」(月額1,507円~、データ100MB/月)に通話定額オプションを追加可能(※家族間通話は無料)です。
こうした大手キャリアのプランよりも、一層安価な格安SIMは多数存在します。たとえば日本通信SIMの「合理的シンプル290プラン」であれば月額基本料は290円。月70分の無料通話オプション(390円)を足しても、ドコモのケータイプランより非常に安いです。

ただし大手キャリアには「キャリアの携帯ショップがあり、困った際に店頭で質問しやすい」という強みがあります。
たとえば筆者は最近、ハイエンドスマホの購入のために近隣のキャリアの店舗を訪れたところ「スマホを紛失した人がその後の対応を相談している」「シニア層の方がおそらく初めて購入すると思われるスマホの利用方法や契約について相談している」様子などが目立ちました。つまり、いま携帯ショップは一種の「スマホよろず相談所」と化しているようです。
そのシニア層の方の家族がスマホ利用のサポートを十分にできないならば、多少割高でも大手キャリアのプランに加入したうえで、ショップでサポートを受ける方が便利なことも多いでしょう。
格安SIMと中古スマホの組み合わせを選択肢として検討するのは現実的か?
コストを抑えたい方には、格安SIMと中古スマホ(または4Gガラホ)の組み合わせもおすすめです。
たとえばiPhoneであっても、現在もサポートされているiPhone 11であれば中古価格は2万5,000円前後。日本通信SIMの「合理的シンプル290プラン」と組み合わせれば、端末も月額料金も安く済ませることができるでしょう。
ただし、中古スマホを購入する場合はSIMフリー端末であることを必ず確認すること、スマホや格安通信会社に関する知識がある程度ある家族がサポートできることが条件となります。サポート体制などは事前に確認するようにしましょう。
※サムネイル画像は(Image:「ビックカメラ.com」より引用)