最近は物価高騰などの影響で、スマートフォンの月額利用料金をできるだけ抑えたいと考える人が増えています。では実際に、利用者の月額料金はどの程度なのでしょうか。今回は「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態」に関する調査結果をご紹介します。

携帯電話の平均月額料金は低下

株式会社MM総研では、15~69歳の男女1,421人を対象に「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態」を調査。
まずはじめに「携帯電話の平均月額料金」を調査すると、前回(2025年1月)の調査と比べて低下していることが明らかに。6カ月で239円低下し、4,117円となりました。
具体的には、MNO(移動体通信事業者)4ブランドのスマートフォン利用者の月額利用料金が4,756円、楽天モバイルを除くMNOのフィーチャーフォン利用者の月額利用料金が2,527円、サブブランド利用者の月額利用料金が3,191円、MVNO(仮想移動体通信事業者)利用者の月額利用料金が1,858円となっています。
法改正による実質値引きの制限により、端末の割引前購入金額も低下

次に端末の割引前購入金額(定価・または割引前の端末の支払総額)を調査したところ、スマートフォン利用者全体で76,021円で、前回調査から1,070円低下する結果となりました。低下した背景として、2024年12月に施行された電気通信事業法の関連省令の改正により、大手キャリアの下取りを活用した実質値引きの制限が考えられます。
具体的な購入金額として、MNO4ブランドのスマートフォンは81,135円(前回調査比1,102円低下)、MNOのフィーチャーフォン利用者は18,636円(同3,039円上昇)、サブブランド利用者は67,860円(同1,367円上昇)、MVNO利用者は58,920円(同1,876円低下)となっています。
携帯キャリア別の通信量調査、約半数が3GB以下

スマートフォン利用者の「月間モバイルデータ通信量」を調査すると、平均モバイルデータ通信量は12.46GB、中央値が3GBとなりました。52.5%のユーザーが3GB以下となっています。平均値は上昇傾向ですが、中心値は変わらず二極化が進行しています。
携帯キャリア別の月間モバイル通信料を見ると、MNO4ブランドのスマートフォン利用者は14.82GB、サブブランド利用者は7.24GB、MVNO利用者は6.78GBとなりました。MNO4ブランドのモバイルデータ通信量は、サブブランド及びMVNOの2~2.2倍であることがわかります。
音声通話時間はMNO4社の「41分」が最多に

次に、「携帯電話番号とIP電話・アプリ電話それぞれの音声通話時間」を調査した結果、携帯電話番号からの場合、MNO4社は20.0分、サブブランドは17.3分、MVNOは9.2分となりました。IP電話・アプリ電話からの場合は、MNO4社は21.0分、サブブランドは16.5分、MVNOは12.7分となっています。合算すると、MNO4社の41.0分がもっとも多い結果でした。
1週間あたりの利用時間は約20時間

次いで「スマートフォンの1週間あたりの利用時間」を調査すると、通話時間を除いた平均は1,201分(20時間1分)でした。MNO4社は1,236分、サブブランドは1,173分、MVNOは1,115分で、利用内容を用途別に見ると「インターネット検索・情報収集」が235.5分ともっとも多く、次いで「動画視聴」の179.5分、「SNS」の163.8分という結果に。
具体的なサービスとして、SNSでは「X(旧Twitter)」(64.1%)、音楽配信サービスでは「YouTube Music」(29.3%)、動画配信サービス利用者のうち有料サービスでは「Amazonプライム・ビデオ」(27.7%)がもっとも高い割合を占めています。
今回の調査結果から、スマートフォンの月額料金は以前よりも低下していることが判明しました。その背景として、政府主導の競争促進策、ドコモのahamoに代表されるオンラインプランの登場や、KDDIのUQモバイル、ソフトバンクのワイモバイルといったサブブランドの拡大、既存キャリアへの対抗軸としての楽天モバイルの台頭などが考えられます。今後もどのように料金が変化していくのか、動向に目が離せません。
出典:【MM総研】
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