これまで、携帯電話の通信キャリアは大手キャリアだけでなく、サブブランドやMVNO、オンライン専用ブランドまで、幅広く登場してきた。そんな中、CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパンは今回、2025年における携帯電話サービス顧客満足度調査の結果を発表。どのキャリアが支持されているのかを見ていこう。

オンライン専用ブランドとMVNOは通信品質の満足度が著しく低下した

今回の調査結果から、通信キャリアにおいて4部門を合算した通信業界全体の総合満足度スコアは623ポイントで、前年の625ポイントと比較して大きな変化は見られなかった。部門別でも、前年比で1~4ポイントの増減にとどまっていることが明らかに。総合満足度に直結する「通信品質」の満足度スコアを見てみると、トータルでの変化はほとんどないものの、「povo」などのオンライン専用ブランドと、「日本通信SIM」などのMVNOは2024年に比べて大きく低下する結果となった。これらのキャリアは一刻も早い通信品質面の改善が期待される。一方、「ドコモ」や「au」などの大手キャリア、「UQモバイル」などのサブブランドは、わずかに満足度スコアが伸びている。

現在、各通信キャリアにおいて、料金プランの値上げが見られることが増えてきている。料金プランの値上げに対する許容意向を調査したところ、全体的に「今後も今の料金を維持すべき」という声が半数を超えるものの、MVNOでは47%となり、「100~300円程度の値上げがあっても仕方がないと思う」という声が44%にのぼる結果となった。とはいえ、キャリアは数多く存在するため、料金プランの値上げには慎重に対応しなければ、継続利用は難しいだろう。
2025年の通信キャリア別顧客満足度

今回は、各通信キャリアでの顧客満足度についても調査した。大手キャリアとサブブランドでは各キャリアで大きな差がなく、大手キャリアでは「ドコモ」と「ソフトバンク」が同率1位で、サブブランドでは「UQモバイル」と「Y!mobile」が同率1位という結果に。

通信品質の満足度がガクッと落ち込んだ2部門はスコアの差が大きく、MVNOでは、「日本通信SIM」が2位の「mineo」と30ポイント近く差をつけて1位となった。

オンライン専用ブランドでは、「povo」が2位の「LINEMO」に30ポイント近く差をつけて1位と判明。
今回の結果から2026年以降の通信キャリアの動きにも注目したいところだ。
出典:【株式会社J.D. パワー ジャパン】
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています