iPadやAndroid系のタブレットなど、タブレット端末はスマホより大きく、パソコンよりコンパクトなことから、非常に便利な電子機器として広く普及している。そんな中、ICT市場調査コンサルティングのMM総研は今回、2025年度上期(2025年4~9月)の国内タブレット端末の出荷台数調査を実施。人気メーカーや2025年通期の見通しについても紹介する。

今期もiPadの出荷台数は圧倒的1位

今回の調査結果から、2025年度上期のメーカー別出荷台数シェアについて見てみると、全体の出荷台数は371万台となり、前年度同期比22.8%増で2期連続の増加となった。うちApple社のiPadが229万台となり、シェア61.7%で上期として16期連続で1位となった。上期のシェア60%超えは2011年以来14年ぶり。GIGA市場でのiPad支持が台数増につながったとみられる。
しかし全体の出荷台数を見ると、小中学校に1人1台のタブレット端末を配布した「GIGAスクール構想」の特需で過去最高を記録した2020年度から5年が経過し、買い替え需要によって400万台超の出荷が期待されていたものの、実際はその予測を29万台下回る結果となった。今後、タブレット端末の需要をどのように高めていくのか、各社のアプローチが注目される。
2025年度通期のタブレット出荷台数は前年度比約30%増加する見込み

今回の調査結果から、2025年度通期のタブレット出荷台数は、前年度比29.9%増の864万台と予想されている。下期に増加が見込まれる主因は、小中学生向けGIGAスクールでの買い替え特需がピークを迎えるためだ。2026年以降もGIGAスクールの需要は2026年以降も続くものの、2028年度に向けて出荷台数は徐々に減少すると見込まれる。また、2030年度は第3次GIGAスクール需要のピークが期待され、2029年度以降は再び出荷台数増加が予想される。2020年度以降のタブレット市場では、GIGAスクール需要が大きな影響を与えている。
先端技術が次々投入されるスマホ市場に遅れを取らないためにも、メーカー各社はスマホ同様タブレットでも革新的なモデルを投入する必要があるだろう。
出典:【MM総研】
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