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「スマホを忘れると不安」が8割の時代。シニア層の”スマホ依存”が急加速している理由と、私たちが今考えるべきこと

スマホを操作するシニア世代の男女のイメージ写真
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

「あ、スマホ忘れた」——その瞬間、心臓がドキッとしませんか?

朝の通勤電車、ポケットに手を伸ばしてスマホがないことに気づく。たったそれだけのことで、一日中ソワソワしてしまう——。こんな経験、多くの方に覚えがあるのではないでしょうか。

2025年1月に実施された最新の調査(訪問留置法、対象15〜79歳の男女)によると、回答者の実に8割が「スマホ・ケータイを忘れると落ち着かない」と回答しました。スマートフォンは、もはや「便利な道具」ではなく「精神安定剤」に近い存在になりつつあります。

そして注目すべきは、この傾向が若者だけの話ではなくなっていることです。今回の調査データを読み解くと、この5年間で最も大きな変化を遂げたのは、意外にも60〜79歳のシニア層でした。

 

全世代で「必需品化」が進行——若年層は9割が「ないと不安」

「スマホ・ケータイを忘れると落ち着かない」表
「スマホ・ケータイを忘れると落ち着かない」(モバイル社会研究所調べ)

まず、調査結果の全体像を整理します。

「スマホ・ケータイを忘れると落ち着かない」という設問に対し、「そう思う」「まあそう思う」を合わせた肯定率は全体で80%。性別による大きな差はなく、男女ともに高い水準です。

年代別に見ると、若年層(15〜29歳)は約90%と最も高く、年齢が上がるにつれてやや低下する傾向はあるものの、シニア層(60〜79歳)でも7割を超える水準に達しています。

5年前との比較で見える「シニアの急上昇」

この数字の本当のインパクトは、2020年1月調査との比較で浮かび上がります。5年前と比べて全年代で肯定率が上昇していますが、もともと高かった若年層の伸びは緩やかです。一方、シニア層はこの5年間で最も大きな上昇幅を記録しました。

背景には、シニア層のスマホ所有率の急伸があります。2025年3月の別の調査レポートでは、「シニア調査開始から10年でスマホ所有率は4倍の89%」という結果が出ています。ガラケーからスマホへの移行が完了に近づき、それに伴って「スマホなしでは不安」という意識が一気に広がった格好です。

「そう思う」「まあそう思う」回答率の2020年調査との比較
「そう思う」「まあそう思う」回答率の2020年調査との比較(モバイル社会研究所調べ)

 

SNS・メールで「時間を忘れる」——女性の半数が実感するスマホ没入

「スマホ・ケータイでメール・SNSをしていると時間を忘れる」調査結果
「スマホ・ケータイでメール・SNSをしていると時間を忘れる」(モバイル研究所調べ)

調査では、スマホの「没入度」についても興味深いデータが出ています。

「メール・SNSをしていると時間を忘れる」という設問では、女性全体の52%が肯定。男性を上回る結果となりました。LINEでのやりとりやInstagram、Xのタイムラインをスクロールしているうちに、気づいたら30分、1時間と経っていた——という感覚は、特に女性に共感される方が多いようです。

動画・ゲームでも全年代上昇、シニア層は3割超え

さらに「動画やゲームをしていると時間を忘れる」という設問では、若年層ほど高い傾向がある一方で、シニア層でも31%が「そう思う」「まあそう思う」と回答。2020年比で増加が最も顕著だったのも、やはりシニア層です。

YouTubeのレコメンド機能や、短尺動画(TikTok、YouTubeショートなど)の浸透が、世代を問わず「気づいたら時間が溶けていた」体験を生み出していると考えられます。シニア層の場合は、退職後の時間的余裕も相まって、コンテンツ消費がより日常に溶け込みやすい環境があるのかもしれません。

「そう思う」「まあそう思う」回答率の2020年調査との比較
「そう思う」「まあそう思う」回答率の2020年調査との比較(モバイル社会研究所調べ)

 

「スマホ依存」はネガティブなだけではない——しかし向き合い方は必要

ここで、「スマホ依存が進んでいる!危ない!」とだけ煽るのは、少し短絡的です。

ポジティブな側面:つながりと安心のインフラ

シニア層にとってスマホは、家族とのLINE連絡、災害時の情報取得、キャッシュレス決済、健康管理アプリなど、生活の安全網そのものです。「忘れると落ち着かない」は、裏を返せば「スマホがあることで安心して暮らせている」ということ。デジタルデバイドが解消に向かっている証拠ともいえます。

注意すべき側面:「時間を忘れる」の先にあるもの

一方で、意図しない長時間利用は、睡眠時間の圧迫、目や首への負担、詐欺被害リスクの増加といった問題につながります。特にシニア層は、フィッシング詐欺やワンクリック詐欺のターゲットにされやすく、スマホ利用時間が増えるほどリスクにさらされる時間も増えるという構造的な課題があります。

総務省も近年、高齢者向けのデジタルリテラシー講座を自治体と連携して展開していますが、「使い方」だけでなく「使いすぎの自覚」まで含めた啓発が求められるフェーズに入っているのではないでしょうか。

 

「スクリーンタイム確認」を家族の習慣にしてみませんか

今回の調査データが示しているのは、スマホが全世代にとって「なくてはならないもの」になったという事実です。もうこの流れが逆行することはないでしょう。

だからこそ大切なのは、「自分がどれだけスマホを使っているか」を客観的に知ることです。iPhoneなら「スクリーンタイム」、Androidなら「デジタルウェルビーイング」の機能で、一日あたりの使用時間やアプリ別の利用状況を簡単にチェックできます。

お正月やお盆に家族が集まったとき、お互いのスクリーンタイムを見せ合ってみるのも面白いかもしれません。「お父さん、YouTubeに1日3時間って……」なんて会話が、デジタルとの健全な付き合い方を考えるきっかけになるはずです。

スマホは道具です。道具に使われるのではなく、道具を使いこなす——その意識を、世代を超えて共有していきたいところです。

出典:【モバイル社会研究所

※サムネイル画像はスマホライフPLUS編集部で作成しています。

スマホライフPLUS編集部

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