そろそろスマホを買い替えたい。でも、今がベストなタイミング?
「最近バッテリーの減りが早くなった」「新しい機種が気になるけど値上がりが怖い」──そんなモヤモヤを抱えているスマホユーザーは多いのではないでしょうか。実は今、世界のスマホ市場は大きな転換点を迎えています。調査会社Omdiaが2026年2月に発表した最新レポートから見えてきたのは、「勝者と敗者がはっきり分かれ始めた欧州市場」の姿でした。
この記事では、2025年の欧州スマートフォン市場で何が起きたのかを、私たちの買い替え判断に直結するポイントに絞って解説します。
2025年の欧州スマホ市場、全体では「微減」の1億3420万台

まず大きな数字から押さえましょう。2025年の欧州スマートフォン出荷台数は前年比1%減の1億3,420万台。
ほぼ横ばいに見えますが、回復基調にあった2024年から再びブレーキがかかった形です。
背景にあるのは2つの要因です。
USB-C義務化とエコデザイン規制
EU(欧州連合)が推し進めてきたUSB-C統一規制が本格的に効力を発揮し、Lightningポート搭載のiPhone 14以前のモデルは2024年末に販売終了となりました。さらに「エコデザイン規制」と呼ばれるバッテリー交換の容易性や修理のしやすさを求めるルールも加わり、メーカーはコスト増を価格に転嫁せざるを得ない状況です。
消費マインドの冷え込み
欧州ではインフレの影響が長引いており、「壊れるまで使い続ける」派が増加傾向にあります。買い替えサイクルの長期化が全体の出荷台数を押し下げました。
メーカー別・明暗くっきりの成績表

王者Samsung:年間首位は死守するも、勢いはAppleに
Samsungは年間4,660万台・シェア35%で依然トップ。ただし上半期は主力の廉価モデル「Galaxy A0xシリーズ」を欠いたことで苦戦し、下半期に値下げ版Galaxy A16とヒット作Galaxy A56で巻き返す、という”山あり谷あり”の1年でした。年間モデルランキング1位がGalaxy A56だったのは注目で、欧州ユーザーが求めているのはフラッグシップではなく「コスパの良いミッドレンジ」だということがわかります。
Apple:過去最高シェア27%の秘密はUSB-C規制にあり
前年比6%増の3,690万台で、欧州市場における過去最高シェアを更新。ここでポイントなのが、USB-C規制の”追い風”効果です。Lightningモデルが市場から消えたことで、iPhone 14以前を使っていたユーザーが一気に買い替えに動きました。iPhone 16シリーズの好調に加え、廉価モデルiPhone 16eも欧州では他地域以上に売れたのはそのためです。
さらに注目すべきは第4四半期(10〜12月)の数字。この期間だけを見ると、Appleは1,340万台・シェア34%でSamsungを逆転して首位に立っています。年末のiPhone新機種投入時期に首位を奪う構図は例年通りですが、通年シェアも過去最高を更新したことで、「年末だけの一時的な現象」とは言い切れなくなってきました。

Xiaomi・Motorola:横ばい〜微減の”踊り場”
Xiaomiは2,180万台で3位を維持したものの、前年比1%減。Redmiシリーズの低価格路線で市場シェアは守りつつ、年末には欧州で「新小売戦略」として実店舗(Xiaomi Store)の出店を加速し始めました。製品だけでなくエコシステム全体で勝負する姿勢が見え始めています。
Motorolaは770万台で前年比5%減とやや苦戦。ただし下半期、特に第4四半期は2桁成長に転じており、ポーランド・イタリア・スペイン・英国といった重点市場での拡大が効果を上げています。
HONOR:初のトップ5入りで「ダークホース」の存在感
前年比4%増の380万台で、ついに欧州トップ5に名を連ねました。武器は低価格のXシリーズ。まずは手の届きやすいモデルで販売チャネルとの関係を構築し、将来的にプレミアム路線へ移行するという段階的戦略を取っています。かつてのHuawei傘下からの独立後、着実に地盤を固めている印象です。
2026年以降、スマホは値上がりする?メモリ価格高騰の影
ここからが「これから買い替える人」にとって最も重要なパートです。
Omdiaのアナリスト、ルナール・ビョルホブデ氏はメモリ価格の上昇が2026年の最大の懸念材料だと指摘しています。スマホの価格を左右する部品のうち、NANDフラッシュやDRAMといったメモリチップの価格が上昇すると、端末価格の値上がりか、もしくは同じ価格帯でのスペックダウンという形で消費者に跳ね返ってきます。
欧州市場は世界全体のわずか10.8%。市場規模が小さいゆえに、メモリの供給不足が起きた場合、メーカーがアジアや北米を優先し、欧州向けの供給を絞るリスクがあります。この影響をもっとも受けにくいのは、規模とラインナップの幅を持つSamsungとApple。逆にシェアの小さいメーカーほど、ラインナップの縮小や価格の急騰に直面しやすい構図です。
「買い」のタイミングは2025年モデルが在庫にあるうち
今すぐ買い替えを検討しているなら、2025年モデルが店頭在庫にあるうちが狙い目です。 2026年モデルはメモリ価格高騰の影響で値上がりする可能性が高く、「同じ予算で買えるスペック」が下がるシナリオが現実味を帯びています。
メーカー選びという観点では、欧州のトレンドは日本市場にも示唆を与えてくれます。Galaxy A56のヒットが示すように、多くのユーザーが求めているのは20万円のフラッグシップではなく、5〜8万円台の”ちょうどいい”ミッドレンジ。iPhone 16eの好調もまさにそのニーズの反映でしょう。
一方、NothingやFairphoneのような新興ブランドが高い2桁成長を記録した点も見逃せません。「大手2強に飽きた」ユーザー層が確実に存在することを、業界全体が認識し始めています。
読者へのおすすめアクション
買い替えを考えているなら、2025年モデルの在庫があるうちに価格比較サイトをチェックしてみてください。まだ急がないなら、2026年夏以降のメモリ価格の動向をウォッチしておくと、最適な購入タイミングが見えてきます。ミッドレンジ帯を狙うなら、Galaxy A56・iPhone 16e・Xiaomi Redmiシリーズあたりが「欧州で実績を証明した」安心の選択肢です。
出典:【Omedia:Apple and HONOR claim record market shares as Europe’s smartphone shipment dips 1% in 2025】



