漫画家・矢野トシノリ@c106日曜日南m23ab(@hosimaki)さんが投稿した一言が、多くの共感を呼んでいる。
「漫画家ワイ 会社員気分を味わうために タイムカード導入」

添えられていたのは、実際のタイムカードとレコーダーの写真。しっかりと出勤・退勤の時間が印字されており、会社員さながらの勤怠記録が整然と並んでいる。
冗談のようでいて、本気の工夫。この投稿には、在宅ワーカーやフリーランスが直面する“自分を律する難しさ”と、それに対抗するための創意工夫が詰まっている。
フリーランスにとっての「出勤」とは何か
一般的にフリーランスには明確な始業や終業の概念がない。時間の使い方は完全に自由であり、起きた時間から仕事を始め、疲れたらやめるという流れで一日が過ぎていくことも多い。しかしこの自由さは、日々のリズムを崩し、生活リズムの乱れや集中力の低下につながることもある。
だからこそ、矢野トシノリ@c106日曜日南m23ab(@hosimaki)さんは、物理的なタイムカードを使って出勤・退勤という「行為」を形にした。誰に求められたわけでもないルールを、自らに課すためだ。
SNS上でもこの投稿には大きな反響があった。共感の声として「これは真似したい」「自分もだらけがちなので導入したい」「生活のリズムが整いそう」といったコメントが多く寄せられている。
物理的な打刻という動作を通して、自分にスイッチを入れるという発想が、多くの働き手にとってリアルな解決策として響いたのだ。
出退勤の代替が「アプリ」や「PCのログイン」になっている時代

現代の多くの職場では、アプリやパソコンのログインやシャットダウンの記録が事実上の勤怠管理として機能している。
とくにオフィスワーカーにとっては、パソコンを立ち上げた瞬間が出勤、電源を落としたタイミングが退勤とされることも少なくない。
だがそのような記録は、あくまで“操作ログ”でしかなく、本人の意識とは必ずしも一致しない場合もある。
なんとなく席に着き、なんとなく作業を始め、いつのまにか終業している。そんな曖昧さが常態化すると、仕事とプライベートの境界も曖昧になっていく。
その点で、アナログなタイムカードを使った明確な打刻は、意識の切り替えを視覚と行動の両面からサポートする。
「仕事を始める」「終える」という行為を明文化することで、自分の生活にリズムと手応えを取り戻せるのだ。
また、紙のカードに積み重なっていく記録は、働いた実績を可視化するものとしての機能も持つ。記録があることで、自分が頑張っている実感を得られる。
働き方は自分で設計していい
矢野トシノリ@c106日曜日南m23ab(@hosimaki)さんの投稿は、会社員という立場ではない者が、あえて「会社員ごっこ」をするというユーモアに満ちている。
しかしその根底には、働き方を自分でコントロールしようとする真剣さがある。
フリーランスには時間の自由があるが、裏を返せばすべての選択に責任を持たなければならない。生活が崩れても、体調を崩しても、それを管理できるのは自分だけだ。
だからこそ、自分の働き方に「儀式」や「演出」を取り入れて、自分を律するのはとても理にかなっている。
タイムカードでなくてもいい。ノートに記録をつける、作業前に好きな音楽をかける、服を着替える。どんなやり方であれ、自分の仕事に「始まり」と「終わり」をつける工夫が、持続的な働き方につながる。
誰かに強制されるのではなく、自分で自分にルールを作る。それができるからこそ、自由な働き方には価値がある。
終わりに「タイムカードを導入した」という一見ユニークな発想の裏には、フリーランスとして生活と向き合う現実がある。
仕事のリズムを整えたい、生活にメリハリをつけたい、自分の頑張りを目に見える形で確認したい。そんな思いは、決して少数派ではない。
仕事と暮らしが混ざり合う時代だからこそ、自分だけの“勤怠管理”を見直してみることには、大きな意味がある。
あなたの毎日にも、自分で決める「始業」と「終業」の仕組みを取り入れてみてはいかがだろうか。
漫画家ワイ
— 矢野トシノリ@c106日曜日南m23ab (@hosimaki) June 24, 2025
会社員気分を味わうために
タイムカードを導入 pic.twitter.com/tEOOgAR7zf
※サムネイル画像(Image:「矢野トシノリ@c106日曜日南m23ab(@hosimaki)」さん提供)