日々のコミュニケーションから情報収集、エンタメまで、私たちの生活に欠かせない存在となったスマホ。だが、便利さの裏で、知らず知らずのうちに「手」に大きな負担をかけているかもしれない。SPRASANNが実施した調査によると、多くの人がスマホ使用により痛みや疲労を感じている実態が明らかになった。今回はその現状と求められる対策について見ていこう。

スマホ利用者の約9割が「手の痛み・疲れ」を実感

SPRASANN合同会社は2025年5月11日~12日の2日間、10代以上の男女500人を対象にスマホ使用時の手の不調や、既存スマホアクセサリーの満足度について調査を実施。「スマホを使用して手が痛くなるまたは疲れることはあるか」という問いに、89.6%が「ある」と回答し、約9割の人がスマホ操作により何らかの身体的負担を感じていることが明らかになった。

また、痛みや疲労を感じる部位について尋ねると、「指(307件)」「手首(278件)」が上位に。スマホ操作で最も酷使される部位に集中しており、長時間の使用によって慢性的な不調を招くリスクが示唆される結果となった。スマホ操作の単純な動作の繰り返しにもかかわらず、頻度と使用時間の長さが想像以上に手指や手首へ負荷をかけているようだ。

さらに、年代別に見ると「よくある」と回答した割合が最も高かったのは30代だった。10代の頃からスマホに日常的に触れてきた世代であり、その長年の蓄積が、手の痛みや疲れといったかたちで表れ始めているのかもしれない。一方で、20代や40代では「たまにある」との回答が多く、一定の負担を感じながらも、30代ほど深刻化していない様子がうかがえる。さらに50代以上では「あまりない」「全くない」といった回答の比率がやや高く、スマホの使用頻度や操作スタイル、ライフスタイルそのものの違いが影響していると考えられる。スマホ使用による手の不調は年齢にかかわらず幅広い世代で発生しているが、その深刻度や自覚の度合いには世代ごとの傾向があるということが明らかになった。
広がるスマホアクセサリー利用と求められる対策とは

スマホ使用時の手の負担に対しては、どのような対策を講じているのだろうか。スマホリングやスマホバンドといった補助アクセサリーの利用状況について尋ねたところ、「現在使っている(31.8%)」「以前使っていたがやめた(25.8%)」「試したことはある(22.4%)」と、全体の約8割が何らかの使用経験があると答えた。スマホアクセサリーはすでに多くの人にとって当たり前の選択肢となっているようだ。だが、一方で「やめた」と回答した人も少なくない。機能性やデザイン、利便性といった満足度においては改善の余地があるのかもしれない。
生活に欠かせないツールとなったスマホだからこそ、使う側の身体への配慮や快適に使うための工夫がこれからの時代にはますます重要になってくるだろう。
出典:【ハンモッ君】
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)