ちょっとした買い物も、すべてAmazonで購入している人も少なくないのではないでしょうか。一方、「種類が多くて何を買えばいいか分からない」「似た商品が多すぎて選べない」といった悩みもつきものですが、Amazonが2024年に提供開始したチャット型AIアシスタント「Rufus(ルーファス)」は、曖昧な要望にも自然言語で応答し、最適な商品候補や比較ポイントを瞬時に提示してくれる画期的なサービスです。

この記事では、Rufusの使い方と、具体的な活用シーン、そして実際の回答品質までを詳しく解説します。
Rufusとは—Amazonが提供する新しい買い物体験

RufusはAmazonショッピングアプリ内に組み込まれたチャット型AIで、Amazonの膨大な商品データベースとカスタマーレビュー、コミュニティQ&A、さらにはウェブ上の公開情報まで横断的に学習した大規模言語モデルを基盤にしています
・Amazonの膨大な商品カタログ
・カスタマーレビューとQ&A
など膨大なデータを学習することで、Rufusはキーワード検索だけでは得られない、文脈に基づいた回答や提案を可能にしています。
つまり、ユーザーは検索バーに話しかける感覚で「登山に必要な持ち物は?」「USB-Cケーブルを選ぶ際のポイントは?」など自然文で質問でき、買い物前の情報収集から購入判断までをワンストップで支援する“買い物専属アドバイザー”として注目されています。
【初心者向け】Rufusの始め方と基本操作
Rufusを使い始めるのは非常に簡単です。まずはAmazonアプリを起動します。

また、商品ページからRufusに質問することも可能です。

「Rufus」は本当に役に立つ?主なユースケース
2024年11月に日本でリリースされたばかりのRufus。そのため、いまひとつ使い方が分かっていないという方も少なくないのではないでしょうか。
役に立つ使い方の例をご紹介します。
漠然とした「~したい」にぴったりな商品を教えてもらう
ほしいものがまだ明確に決まっていない時でも、Rufusは強力な味方になります。目的やシーン、やりたいことを伝えるだけで、関連する商品を幅広く提案してくれます。これは、従来のキーワード検索では難しかった使い方です。
たとえばAmazonは公式に、以下のような質問と回答例を紹介しています。
・「スムージーを作るには何が必要?」→ ミキサーやブレンダー、プロテイン、レシピ本などを提案。
・「5歳児と雨の日に遊べるゲームは?」→ 室内用のジャングルジム、ボードゲーム、粘土などを提案。
・「登山を始めるのに必要なものは?」→ トレッキングシューズ、バックパック、レインウェア、ヘッドライトなどをカテゴリ別に提案。

「どっちの商品がいいか」を教えてもらう
複数の選択肢で迷った時、Rufusに尋ねればそれぞれの特徴やメリット・デメリットを分かりやすく整理してくれます。
「コードレス掃除機と有線掃除機、それぞれのメリットとデメリットは?」→可動性、駆動の特徴、吸引力の違いなどを解説。
「ヘッドホンとイヤホンの違いを教えてください」→聞こえ方の違い、遮音性、持ち運びやすさなどを解説。
「IHクッキングヒーターとガスコンロの特徴を比較して」→価格、安全性などを説明。

商品に関する深堀質問
気になる商品を見つけて詳細ページを読んでいる時、さらに知りたいことが出てくるのはよくあることです。Rufusを使えば、そのページを離れることなく、ピンポイントな質問を投げかけることができます。
たとえばジャケットの商品ページで「このジャケットは洗濯機で洗えるか」を尋ねると、Rufusは、商品説明、カスタマーレビュー、Q&Aの中から関連する情報を探し出し、要約して回答してくれます。
Rufusの回答の質は高い?
Rufusは、Amazon内の膨大な商品情報、レビュー、Q&Aはもちろんのこと、将来的には個人の購買履歴や閲覧履歴といったプライベートなデータと深く連携できるポテンシャルを持っています。
ただし現時点で、パーソナルな購買アシスタントとして十分な性能があるかといえば「従来の検索機能で十分」な側面もあります。
たとえば「2023年3月時点で最安値だった4Kテレビのモデル名を教えて」「日本茶を急須で淹れる時、一番香りが立つ温度帯のおすすめ商品を複数教えて」のような、過去の価格情報や専門家レベルの知識や細かいシーン別の提案を求めるケースには完全に対応しきれません。
また、「この商品の価格は前日比で高くなった?安くなった?」や「プライムデーで安くなった?」といった、ユーザーが最も知りたいであろう直接的な価格に関する質問には、現時点で日本では未対応です。
つまり従来のAmazonの検索面や商品ページでは分からない情報の提供や、個人的で複雑な条件に基づいた商品提案は「まだまだこれから」です。
今後の展望として、AIの回答精度の向上はもちろん、より高度なパーソナライズ機能の追加が期待されます。ユーザー一人ひとりの好みや過去の購買行動を完璧に理解し、まるで長年付き合いのある店の主人のように「あなたにはこれがおすすめですよ」と提案する機能へと発展したら、ChatGPTのショッピング機能など他のEC×AIの機能と大きく差別化され、唯一無二の存在へと進化する可能性があります。
※サムネイル画像(Image:Ahyan Stock Studios / Shutterstock.com)