猛暑をふるう今夏だが、連日の水不足から一変して急な記録的大雨によって氾濫危険水位を超える地域が発生し、実際に人的被害・浸水被害のニュースが飛び込んでくる。こういったいつ起きるかわからない自然災害に対して、どれだけ対策ができているだろうか。クロス・マーケティングは、「防災に関する調査(2025年)備え・実践編」を実施したので見ていこう。

家庭内での災害対策「できていない計」74%

クロス・マーケティングは、2025年7月、全国の20歳~79歳の男女3,000人を対象に、「防災に関する調査(2025年)備え・実践編」を実施。
今年はすでに世界各地で地震や山火事、洪水、熱波といった自然災害が発生している。日本では家庭内において、災害対策はどれだけ備えられているのかを尋ねてみると、全体では「しっかりできている」2%、「どちらかといえばできている」24%、「どちらかといえばできていない」48%、「全くできていない」26%となった。年代別に見ていくと、20代~40代の3割以上が「全くできていない」と回答しており、年代が上がるにつれ、備えに対する意識は高くなる傾向にあるようだ。しかし、これだけ各地で災害が起きていても、全体の74%の人が災害対策を講じていない実態が明らかとなった。
「物・室内・室外・コミュニケーション」で見る防災対策

防災対策として物の備えでは、「懐中電灯やランタン」が4割台でトップ、続いて「乾電池」「非常食・保存食・ペットボトルの水」「カセットコンロ・ガスボンベ」「日頃利用する食料品や日用品を少し多めに購入」が3割台となり、この4年間大きな変化はない。「水なしで使える簡易トイレ」が昨年よりも5pt上昇した。

室内・室外の備えでは「自宅近くの避難場所を確認」が3割台でトップに、続いて「家具の転倒落下・移動防止対策」「ハザードマップ等で自宅近くの危険箇所を確認」がともに2割台。コミュニケーションの備えでは「固定電話の契約」が3割台でトップ、「防災速報アプリをインストール」「災害時に家族が離れている場合の行動について話し合っている」「自治体等の災害情報メールに登録」が1割台という結果になった。
日中は家族が離れて過ごすことが多いため、自宅にいた場合、会社にいた場合、学校にいた場合、各所の避難場所の確認をしておくことや、家族でどう連絡を取るか、ペットがいた場合はどうするのかなど日頃から話し合っておくことが重要だ。また年齢や障がい、健康状態、家族構成、言語、住環境によっても受けるダメージが異なってくることを踏まえておきたい。いつ起こるのかわからないのが自然災害である。後悔しないためにも、あらゆる自然災害に対して対策を講じておくに越したことはないだろう。
出典:【株式会社クロス・マーケティング】
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)