業務の中で、上司の発言や行動によってモチベーションが下がった経験はあるだろうか。実は上司からすると、その行動には“良かれと思って”したことだったが意図が思うように伝わらなかった、ということもしばしばあるようだ。ペンマークとアルバトロスは、「Z世代と上司のコミュニケーションに関する実態調査」を共同で実施。実際どれだけのコミュニケーションギャップが生まれているのか見てみよう。

上司の「良かれ発言」でZ世代の7割がモチベーション低下

大学生向け学習管理SNS「Penmark」を運営する株式会社ペンマークと、累計3万件以上の実績を持つ退職代行サービス「退職代行モームリ」を運営する株式会社アルバトロスが共同で、Z世代の若手社会人316人を対象に「Z世代と上司のコミュニケーションに関する実態調査」を実施。
“良かれと思って“した発言や行動が、思わぬ結果になり驚いた経験を持つ人もいるだろう。親切にしたつもり、配慮したつもり、相手の立場を考えて行った行為が逆効果になってしまうケースも少なくない。
今回の調査では、上司の良かれ行動によって、20歳~29歳の若手社会人がどう感じたかをアンケートした。
上司の良かれ行動に、Z世代の7割以上がモチベーション低下の経験あり

上司は良かれと思って発言しているが、意図が十分に伝わらず、逆にモチベーションが下がってしまった経験があるかを尋ねたところ、「頻繁にある」「時々ある」合わせて72.7%にのぼった。中でも「頻繁にある」と回答した人が25.9%いることは無視できない数字であり、日常的にコミュニケーションギャップが発生している実態が明らかとなった。
調査対象の男女比はほぼ半々で、年齢層も20代前半と後半で偏りがないため、幅広い若手社会人に共通する課題であることが示唆される。
例えば「部下のためを思って」と発する言葉が、Z世代にとっては「押しつけがましい」「自分の考えを否定された」「マイクロマネジメント」と受け取られ、結果として意図が伝わらず、モチベーション低下につながってしまう可能性がある。
Z世代の特徴は、幼い頃からインターネットやSNSに触れ、多様な価値観の中で育ってきたため、「個の尊重」や「心理的安全性」を重視する傾向にある。このことから一方的な指示や精神論、あるいは過去の成功体験に基づくアドバイスに対して、必ずしもポジティブに受け取られるとは限らない場合があるようだ。
コミュニケーションは、発する側・受け取る側の双方のスキルが求められるため、上司が何を伝えようとしたのか汲み取る力も必要である。一方、上司はZ世代の特徴を捉えつつ、どうすれば伝わるのかを考えなければならない。職場のエンゲージメントを高めていくためにも、双方のコミュニケーションスキルの向上が求められているだろう。
出典:【株式会社ペンマーク「Z世代と上司のコミュニケーションに関する実態調査」】
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