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「グルメサイト」離れが進んでいる? 飲食店探しの主流はGoogleマップにシフト

友人との食事会などで美味しいお店を探したいとき、「食べログ」などグルメサイトではなく「Googleマップ」を使う機会が増えた方は多いのでは?

とはいえ、よく考えるとGoogleマップは「汎用的なマップアプリ」に過ぎず、なおかつ口コミ機能はアプリの一つの機能にすぎません。

つまりグルメサイトではなくマップアプリを使う方が増えていることの背景には、グルメサイトが「ユーザーから極めて信頼を失った状態にある」と言えるかもしれません。

ではなぜ「グルメサイト」離れは進んでいるのでしょうか。いくつかの要因を見ていきましょう。

食べログの「独禁法違反」問題

グルメサイトに対して、ユーザー側が抱く信頼感に最も悪影響を与えたのは「食べログ」の独禁法違反問題です。

まず食べログの点数は、ユーザーが付けた星(点数)を単純平均で算出するものではなく、非公開のアルゴリズムによって最終的な点数が算出されています。

食べログは「食べログの点数は、ユーザーの各評価を単純平均したものではありません。ユーザーに影響度を設定して、点数の算出要素の一つにしています。」とも公表しており、少なくともユーザーの声・評価は「平等」ではなく、ユーザーごとにある種の重みが設定されていることは間違いありません。

食べログの「独禁法違反」問題1
(画像は筆者作成)

そして食べログの独禁法違反の裁判では、アルゴリズムの変更が争点となりました。この裁判は韓国料理チェーンが「チェーン店の点数が下がるようにアルゴリズムが変更され、その影響によって来店数が下がり、損害を受けた」と訴えたものです。

地裁判決では飲食店側が勝訴し、実際に「チェーンの点数が下がるようにアルゴリズムが変更されたこと」「アルゴリズムの変更は優越的地位の濫用であること」などが認定されています。食べログ側に、飲食チェーンに対する賠償命令も命じられています。

もっとも二審の高裁判決では、アルゴリズムの変更が飲食チェーンにとって不利なものであることは認めつつも、賠償命令は取り消されるなど判決は覆っています。

総じて「双方に一定の言い分があり、どちらの主張にも妥当性がある」と言える状態ですが、少なくとも飲食チェーンからすると「評価が押し下げられるアルゴリズムが採用されているプラットフォームを積極的に使いたいか」というと微妙でしょう。

加えてプラットフォームと飲食店が裁判で競う最中で肝心の「消費者」が置き去りになっていることは否めません。加えて消費者からすれば「アルゴリズムは不要で、単純平均で十分ではないか?」というのも疑問を抱くポイントでしょう。

そんな中、食べログの代わりとなったのが「Googleマップ」です。お店側からすれば掲載に費用がかかりません。そしてユーザー側からすれば、星が単純平均で算出されるため、評価の透明性が高いのもポイントです。

こうした背景があり、飲食店側の「グルメサイト離れ」が進み、消費者側もより使いやすいGoogleマップを利用するようになったものと見られます。

飲食店探しの主流はすでに「Googleマップ」

少なくとも消費者の間では、飲食店探しの主流はすでに「Googleマップ」に置き換わっていると考えられます。

株式会社TableCheckが2022年8月に発表した「グルメサイトに関する意識調査」によると、「飲食店を検索する際によく利用する手段をすべてお選びください」という質問に、86.1%の人が「Google」と回答。

なお、グルメサイトは「61.3%」だった上、グルメサイトの信頼度を問う質問で、計30.4%の人が「信用しない」と答えています。

では、なぜ飲食店探しの主流が「Googleマップ」になったのでしょうか。

地図機能と口コミが一体化した「利便性の高さ」

まずは地図機能と口コミが一体化していることの「便利さ」が大きいと言えるでしょう。

現在地から実際の店舗までの道順や所要時間がすぐに分かり、周辺の他店舗との比較も簡単なこともあり、ユーザーから高い支持を得ていると言えます。

地図機能と口コミが一体化した「利便性の高さ」1
(画像は「Googleマップ」より引用)

ちなみに、株式会社トライハッチが発表したGoogleマップを活用したお店探しに関する調査によると、73%が過去3カ月以内に調べたGoogleマップの飲食店を来店しているそう。

飲食店そのものを目的に外出する人は実は少数派で、「出先のエリアの周辺にある美味しいお店の口コミを見て、美味しそうだったらそのまま店までナビしてほしい」という人が想像以上に多いかもしれません。

高評価も低評価も反映される「信頼性の高さ」

Googleマップの評価はアルゴリズムを使わず、高評価も低評価も反映される点が特徴です。点数が単純平均で表示されるため、グルメサイトのアルゴリズムを巡る裁判が行われている昨今では、相対的に信頼性が高いプラットフォームに見えやすいです。

Googleマップの口コミを「無条件で信じる」のは危険

もっとも、Googleマップの情報を無条件に信頼することには注意が必要です。最後にいくつか、Googleマップの口コミを見る際の注意点も見ていきましょう。

口コミの書き込み資格は「Googleアカウント所有者」であることのみ

Googleマップは良くも悪くも「口コミの書き込みに資格が要らない」のが特徴です。そのため、口コミの信頼性確保には一定の課題があります。

Googleアカウントを持っていれば誰でも口コミを投稿できるため、実際には来店していない人による評価や、競合店による意図的な低評価などの可能性も否定できません。このため、口コミ情報を参考にする際は、ある程度の批判的な目で見る必要があります。

MEO対策が激化している傾向も

近年、GoogleマップでのMEO(Map Engine Optimization)対策が活発化しています。これは、Googleマップでの検索順位を上げるための施策を指しますが、中には過度な対策を行う事業者も現れており、純粋な店舗情報や評価が歪められる可能性も出てきています。

たとえばオープンしたばかりの飲食店が、満点の評価をいきなり得ることを目的に「無料で飲食させる代わりに星5を付けるよう依頼する」といったケースが典型例です。

消費者は、単純に評価や口コミだけでなく、複数の情報源を組み合わせて総合的に判断することが重要となっています。

※サムネイル画像(Image:BongkarnGraphic / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています

スマホライフPLUS編集部

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