「青春18きっぷ」は、全国のJR線の普通・快速列車およびBRTが乗り放題になる期間限定のフリーきっぷです。もちろん年齢制限はなく誰でも利用できます。しかも、指定席券などを追加購入することで、一部の観光列車にも乗れるのをご存じでしょうか？ そこで今回は、青春18きっぷでプチ贅沢ができる観光列車を4つ紹介しましょう。
まずは「青春18きっぷ」のルールを確認！
「青春18きっぷ」は、JR各社（JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州）が発売する期間限定のフリーきっぷ。
春季・夏季・冬季の年3回発売され、期間内であれば全国JRの普通・快速列車・BRTに何度でも乗り放題になるので、長期旅行やのんびり鉄道旅が好きな“乗り鉄”には定番のきっぷとなっています。
もちろん“18きっぷ“といっても年齢制限はなく誰でも利用可能。ただし、子ども料金の設定がないので、小学生でも大人料金と同じ金額になります。
価格は3日間用が1万円、5日間用が1万2,050円の2種類。以前は任意の5日間を複数人で分けて使えましたが、現在は連続した日数の個人利用のみとなっていますので注意が必要です。
青春18きっぷは普通・快速列車ならそのまま乗車できますが、別途グリーン券を購入すれば普通列車のグリーン車も利用可能。ちなみに、東京近郊ではJR中央線、東海道線、横須賀線、総武快速線など、多くの路線でグリーン車が設置されています。
また、首都圏の普通列車グリーン券は50kmまでが750円、100kmまでが1,000円、100km以上は1,550円（Suicaでの購入時）ですが、JR東日本のポイントサービス「JRE POINT」を利用すれば、400～600ポイント（1ポイント1円相当）で交換可能ですので、かなりお得に利用できます。
●【公式】JR東日本「普通列車グリーン車」は→こちら
●【公式】JRE POINT「(JRE POINT用)Suicaグリーン券への交換で使う」は→こちら
つまり青春18きっぷでもグリーン券や指定席券を追加購入すれば、ローカル線の観光列車も楽しめます。そこでこのあと、乗り鉄の筆者が実際に乗って良かった“青春18きっぷを利用したおすすめの観光列車”を4つ紹介していきます。
【1】リゾートしらかみ
最初に紹介するのは筆者が大好きな「リゾートしらかみ」。JR秋田駅から五能線を経由し、青森駅まで向かう人気の観光列車です。
列車の種別は「快速」なので青春18きっぷで乗車可能。ただし、全席指定なので指定席券（840円）が別途必要になります。
おすすめの理由は価格と距離のバランスの良さ。秋田～青森間を5時間以上走るにもかかわらず、指定席券はたったの840円！ 平日でもほぼ毎日運行しているため比較的乗りやすいのも魅力。
車内にはボックス席があり、座席をフルフラットにできるタイプもありますので、家族やグループ旅行にもピッタリです。
沿線では日本海、白神山地、岩木山、リンゴ畑など、多彩な風景が楽しめます。さらに津軽三味線の生演奏や、津軽弁の語り部、人形芝居など、車内イベントも充実しているので、5時間があっという間に感じられる充実した列車旅になります。
●【公式】JR東日本「リゾートしらかみ（ブナ／青池／くまげら）」は→こちら
【2】SLばんえつ物語
次に紹介するのは、JR会津若松駅から磐越西線経由で新津駅を結ぶ「SLばんえつ物語」。
“走る貴婦人”と呼ばれたSL「C57」が牽引する観光列車で、レトロな雰囲気と蒸気機関車ならではの迫力が楽しめます。種別は「快速列車」なので、青春18きっぷ＋指定席券（840円）で乗車可能となっています。
最大の魅力は石炭を燃やす独特の匂いや煙、力強い走行音など、五感でSLを体験できること。途中駅での「石炭寄せ」や「給水作業」も見どころで、間近で見ると迫力満点です。運行距離も長く3時間超の本格的なSL旅を堪能できます。
●【公式】JR東日本「SLばんえつ物語」は→こちら
【3】越乃Shu＊Kura
3つめは、新潟県を走る日本酒がコンセプトの観光列車「越乃Shu＊Kura（こしのしゅくら）」。
快速列車なのでそのまま青春18きっぷで乗車可能ですが、全席指定（840円）で利用できるのは3号車のみ。1号車の食事付きプランはコース料金となりますので、青春18きっぷでは乗れないのでご注意を。
ルートは4種類あり、最長ルートの「越乃Shu＊Kura」は上越妙高駅～十日町駅間を約4時間かけて運行します。そのほか「ゆざわShu＊Kura」（上越妙高駅～越後湯沢駅）、「柳都Shu＊Kura」（上越妙高駅～新潟駅）、「摂田屋Shu＊Kura」（長岡駅～越後湯沢駅）など多彩なコースが用意されています。
米どころ・新潟の地酒を堪能できる列車で、車内売店では利き酒セットやおつまみを販売。地酒は5～6種類ほどあって日本海の絶景とともに味わえます。
なお、お酒が飲めない人向けにはソフトドリンクコースも用意されていますので、誰でも楽しむことができます。
●【公式】JR東日本「越乃Shu＊Kura」は→こちら
【4】しまんトロッコ
最後に紹介するのは、愛媛県の宇和島駅から高知県の窪川駅を結ぶJR四国・予土線の「しまんトロッコ」です。
しまんトロッコは普通車両とトロッコ車両が連結されており、江川崎駅と土佐大正駅間だけトロッコ車両へ移動することができる観光列車。青春18きっぷで利用できる快速列車で、トロッコ車両のみが指定席（530円）です。
見どころは、江川崎駅～土佐大正駅間の四万十川沿いのトロッコ区間。川と山々に囲まれた絶景が広がり、沈下橋など、四万十川ならではの風景を車窓から楽しめます。鉄橋を渡る際の爽快感は格別で、自然の息づかいを感じられる旅となっています。
●【公式】JR四国「しまんトロッコ」は→こちら
まとめ
いかがでしょうか？「青春18きっぷ」は普通・快速列車限定のきっぷですが、指定席券やグリーン券を追加購入することで、プチ贅沢な観光列車も楽しめます。
しかも、指定席券はどれもお手頃価格なので、青春18きっぷと組み合わせればかなりリーズナブルに旅行できるのが最大の魅力となっています。
なお、次の青春18きっぷは冬季になります。まだ詳細は発表されていませんが、参考までに2024年冬季の販売スケジュールは3日間用が「2024年11月26日～2025年1月8日」でしたので、ぜひ青春18きっぷを利用した観光列車の旅にも挑戦してみてください。
※記事中の価格はすべて税込です。
