多くの会社で1on1MTGが導入されてきたが、実際のところ、良い結果につながっているのだろうか。MENTAGRAPHが22歳~65歳のビジネスパーソン724人を対象に「1on1 MTG」の実態を調査したところ、「本音で語れない」という課題が浮き彫りとなった。

率直に話せている「上司」52.7%・「部下」44.3%

調査は、2025年6月27日~7月3日に実施され、10月15日~11月15日に分析を行った。対象は22歳~65歳の管理職300人・非管理職424人である。
1on1MTGは、部下の成長支援や不安・不満の解消を目的に導入が進んできたが、その実効性と運用上の課題が浮き彫りになりつつある。
1on1MTGでどの程度率直に話せているのかを尋ねると、管理職は52.7%が、部下は44.3%が重要なことはほぼ話せていると感じている。しかしながら「一部は話せているが控えめになる」34.4%、「表面的な話が中心で深い話はない」12.0%、「当たり障りのない話しかできていない」9.2%と、部下の半数以上が「率直に話せていない」と感じていることも明らかとなった。
上司は深い対話ができているつもりでも、部下は同じようには受け止めていないことが明らかになった。

さらに率直に話せない理由について、「何を話してよいかわからない」が38.1%と最も多く、「上司との信頼関係が十分でない」31.4%、「人事評価に影響する可能性がある」27.1%、「話した内容が他の人に伝わる可能性がある」24.6%といった回答が上位に並んだ。
評価や守秘への不安、場の雰囲気の硬さに加えて、アジェンダ設計が不十分なため、話題の入り口が見つからないという問題もある。
話したい内容「業務の進行状況や完了予定」が最多

続いて、1on1MTGで話したい内容を尋ねると、「現在の業務の進行状況や完了予定」が上司・部下ともに最も多かった。全体的な回答比率は上司のほうが高い傾向にあり、対照的に部下は「特になし」と回答した割合が高い。そもそも何を話すべきかという設計段階や、運用面に課題がある可能性が示唆される。
「業務プロセスや手順に関する疑問相談」や「目標達成度やKPIの確認」「リソース不足や時間管理の問題」など業務運用に関するテーマで上司の選択率が大きく上回る一方、部下側は「キャリアパスや将来の方向性」など将来のキャリアに関わる話題への関心が相対的に高い結果となった。
「ワークライフバランス」においては、部下側は5位に位置づくが、上司は10位と順位に大きな差が見られる。
上司は業務の進行・プロセス・KPIに重心が置かれやすいが、部下はキャリアやワークライフバランスといった自分の生活基盤や将来に対するテーマへのニーズが高い傾向にあり、上司と部下の間に認識のギャップが見られる。1on1MTGをより良いものにしていくには、上司の観察力やアジェンダ設計が重要になると考えられる。
出典:【MENTAGRAPH株式会社】
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