多くの会社で年度末を迎える3月。なんだかんだと作業量が増えてしまったり、異動や配置転換のために慌ただしく過ごしたりしてしまう人も、多いのではないだろうか。
また、新入社員を迎えたり、新しい制度やシステムに対応したりするために、「例年、3月からゴールデンウィーク明けまでは残業が増えがち」という職場は、決して珍しくない。
しかし、「社会人は3月〜5月の残業を、できるだけ避けるべき」ということを知っている人は、意外と少ない。
今回は春の残業の注意点について、Xで大きな話題となったねこみち|毎日図解でお金を学ぶ@Tomojidienさんのポストを参考に、詳しく解説していこうと思う。
社会保険料の算出方法って知ってる!?
ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ@Tomojidienさんが、「3月~5月は、残業しすぎに注意」と警鐘を鳴らしているのは、ずばり「社会保険料」に影響が出るからだ。
社会保険料とは、健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険から構成される「社会保険」のために必要な保険料のことである。
つまり、「病気やケガなどのリスクに備えたり、将来的に年金を受給したりするために、従業員と会社が折半しながら、月々納付していきましょうね」というお金のことである。
社会保険料を納める必要があるのは、会社員や一定の条件を満たすパート・アルバイトの人なのだが、その金額は一律ではない。
実は社会保険料は、一人ひとりが得た報酬などによって、納付額が決まるのである。
残業代も社会保険料を算定する基準に関わる!
ここで改めて確認したいのが、ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ@Tomojidienさんのポストだ。




ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ@Tomojidienさんが分かりやすく図にまとめてくれているように、9月以降の社会保険料は「4月・5月・6月に得た報酬の平均」によって決まる。
多くの企業が「残業代の支払いは翌月」としているため、3月~5月にかけて残業を多くした人は、「高い報酬を得ている人」と判断されてしまい、結果として9月以降の社会保険料が上がってしまう可能性が高まるのだ。
ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ@Tomojidienさんが提示してくれた例によると、4月~6月に受け取った報酬の平均が24万円の場合は年間の社会保険料+厚生年金の納付額が43万円、報酬の平均が41万円の場合は年間納付額が74万円になってしまう。
つまり、3月〜5月にかけて月17万円ほど残業や休日出勤などをしてしまうと、年間で支払う税金が31万円も増えてしまうのだ。
「これ知らないとまじで損しちゃいますよねー」、「この違いは大きすぎます!知らないと損しますね٩(>ω<*)و」などのリプライが続々と寄せられている通り、春の残業には要注意である。
ただし、春の残業にメリットも?
「3月~5月に報酬を得すぎてしまうと、9月以降の社会保険料が上がってしまう」ということは理解できても、「分かってはいても、この時期はどうしても忙しくなってしまいますよね それが分かっていての仕組みですかね…」、「これを知識として知っていながらも、これから繁忙期ががっつり始まります」というように、実際は「年度末・年度初めの残業は避けられない」という人もかなり多いことだろう。
「あっさり時間内に帰るようにします〜」、「残業しないように効率上げていきます」というリプライを寄せている人のように、なんとか残業時間を調整できる人は良いものだが、どうしても3月4月の繁忙期を避けられない人は、高くなった税金に頭を抱えるしかないのだろうか。
この点に関してはねこみち|毎日図解でお金を学ぶ@Tomojidienさんもリプライ欄で解説してくれているのだが、実は「社会保険料が上がる=将来もらえる厚生年金が増える部分もある」ので、単純に「4月~6月の報酬増=損」とは言い切れない点もあるのである。
秋以降の社会保険料を低く抑えたい人は、春の残業量をできる限り調整してみながら、調整できなかった場合は「老後にもらえるお金が増えたかも」と気持ちを切り替えることが大事だと言える。
忙しい時期ではあるが、少し残業量も気にしながら、春を乗り切ってみてはいかがだろうか。
「3〜5月は残業しすぎ」にご注意下さい。 pic.twitter.com/Nf6duhtpfN
— ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ (@Tomojidien) March 2, 2025
※サムネイル画像(Image:「photoAC」より)