戸建てやマンションを所有していると、毎年6月に入ってから固定資産税の納付書が届きます。現在ではキャッシュレスで簡単に支払うことができるのですが、いったいどのような方法で支払うのが簡単かつお得なのでしょうか?

【目次】
1.固定資産税をキャッシュレスで支払うには大きく分けて3つの方法がある
2.クレカ払いは手数料を取られるのがネック!
3.電子マネーはお得だがコンビニに行く必要がある!
4.クレカチャージでポイントがもらえるのはau PAYとFamiPay
5.FamiPayにクレカを登録してチャージ金額の上限金額を上げる方法
6.FamiPayで固定資産税を支払う方法
7.まとめ
固定資産税をキャッシュレスで支払うには大きく分けて3つの方法がある
固定資産税の納付書は毎年6月ごろに送られてきますが、1年分を一括で支払う用紙以外に、4期分に分割払いできる用紙も入っているのが一般的です。
一括払いでは10万円を超えることも多いので、4期に分けて払う人も多いと思いますが、この場合でも合計支払い金額は同じです。
たとえば、1~2期はクレカ、3期と4期はスマホ決済アプリといった違う方法で納付することも可能となっていますよ。

もちろん、コンビニや金融機関に出向いて現金で支払うこともできますが、今では自宅にいながらキャッシュレス決済で支払うことも可能となっています。
キャッシュレス決済の方法は大きく分けて「クレカ」「電子マネー(WAONやnanaco)」「スマホ決済アプリ(PayPayや楽天ペイなど)」の3種類。
ただし、クレカやスマホ決済アプリなら自宅で簡単に固定資産税を納付できますが、電子マネーは対応するコンビニなどに行って支払うことになります。
また、以前はスマホ決済アプリで固定資産税を支払うと、ポイントがもらえてお得に納付することもできましたが、現在では基本的にポイント還元はなく(キャンペーンでの抽選等は一部あり)、クレカ払いの場合は手数料を取られてしまうので注意が必要になります。
クレカ払いは手数料を取られるのがネック!
クレジットカード(クレカ)払いは「地方税お支払いサイト(eL-TAX)」で自宅にいながらスマホで納付書の「eL-QR」を読み込んで支払うことが可能です。
ただし、1万円まで37円(税込40円)、1万円以降は1万円ごとに75円(税込82.5円)が加算されます。これは納付額の約0.8%になるので、クレカのポイントを手数料以上もらえないと損します。
●地方税お支払いサイト(el-TAX)は→こちら

つまり、0.5%のクレカでは損、1.0%ならギリギリ損しないのですが、現在は税金の納付で1.0%以上もらえるクレカを探すのが意外と厳しいでしょう。
たとえば、1期分が3万9,300円の場合は手数料が288円かかりますので、0.5%還元のクレカでは199円ポイントしかもらえず損。しかし、1.0%還元のクレカなら398ポイント還元されるので、わずかに得になる計算です。
気になる人は、地方税共同機構クレジットカード納付サイトの「システム利用試算」で手数料がいくらになるか確認してみましょう。
●地方税共同機構クレジットカード納付サイト「システム利用試算」は→こちら
■クレカで支払うメリット&デメリット
・自宅で簡単に支払える
・支払いでポイント還元も狙える
・支払い手数料がかかる
・高額支払いも簡単
※還元率のいいクレカでないと損することがある
クレカで固定資産税を支払う手順


ただし、年間100万円以上使うと数万ポイントがもらえるようなクレカで、あと数万円足りないという場合は、手数料を少し払ってもクレカ払いを利用したほうが得する場合もあります。
電子マネーはお得だがコンビニに行く必要がある!
電子マネー納付は手数料がかからず、手軽かつお得に納付できますが、コンビニなどに出向く必要があるのがやや面倒です。
しかし、電子マネーはコンビニで領収書が発行されるので、必要な人は面倒でもコンビニに行って電子マネーで支払いするしかありません。
また、固定資産税を電子マネーで支払ってもポイント還元はありませんが、クレカから電子マネーにチャージする際にポイントをもらうことは可能です。
まず、「nanaco」の場合はセブン-イレブンで納付可能。チャージ上限金額は5万円ですが、クレカからのチャージは1回3万円になります。また、チャージ可能なクレカは基本的に「セブンカード・プラス」だけで0.5%(200円で1ポイント)のポイントがもらえますよ。
●nanaco「登録できるクレジットカード」は→こちら

ただし、iPhoneの場合はApplePayのセブンカード・プラス以外のクレカでチャージ可能で、ポイント還元もありますので、ポイント還元率の高いクレカを使いましょう。たとえば、リクルートカードなら1.2%還元されますよ。
次に、WAONはミニストップで納付可能。チャージ上限金額は5万円までで(設定変更しないと上限金額は2万円/2万9,000円)、1回のチャージ上限金額は4万9,000円です。また、「イオンカードセレクト(WAON一体型/家族カード)」を利用する場合は0.5%(200円で1ポイント)還元となります。
●WAON「クレジットを利用してチャージ(入金)ができるカードの種類」は→こちら

こちらも、iPhoneの場合はApplePayでもっとお得なクレカを使ってチャージできます。たとえば、V NEO BANKデビット+(Mastercard)なら1.5%還元になります。
■電子マネーで支払うメリット&デメリット
・支払いでポイント還元はない
・コンビニに出向く必要がある
・高額支払いができないこともある
・領収書がもらえる
・クレカチャージでポイントがもらえる場合も!
※コンビニで支払うのが面倒でなければお得に支払える場合もある
クレカチャージでポイントがもらえるのはau PAYとFamiPay
スマホ決済アプリは、自宅にいながらスマホで手数料なしで手軽に納付できるのがメリット。しかし、現在ではスマホ決済アプリで固定資産税を払ってもポイント還元はありません。
そこで、スマホ決済アプリにクレカでチャージするとき得するには、ポイント還元を受けることになります。
現在、固定資産税ではau PAY、d払い、PayPay、J-Coin Pay、楽天ペイなどのスマホ決済アプリが利用可能となっています。

しかし、PayPayやd払いなどはクレカチャージでポイントはもらえないので、損はありませんがお得ではありません。
クレカチャージでポイント還元が受けられるのは、au PAYとFamiPayで、利用するクレカによって高ポイント還元も狙えるのです。
ちなみに、楽天ペイもクレカチャージでポイント還元はありませんが、「JAL Pay」などを使った迂回ルートで数%のポイント還元を狙うことは可能です。しかし、かなり面倒くさいのでポイ活に熱心でない人にはオススメしません。
●JAL Pay(公式)は→こちら

■スマホ決済アプリで支払うメリット&デメリット
・自宅で簡単に支払える
・支払いでポイント還元はない
・高額支払いには本人確認が必要
・チャージ方法によってはポイント還元がある(FamiPayかau PAYがオススメ)
※使用するアプリとチャージするクレカによっては少しお得になる
※JAL Payや楽天ギフトカードなどを挟んで工夫すれば数%のポイント還元も可能
まず、au PAYへのクレカチャージの上限金額は1回5万円まで。au PAYカードでは最大月25万円までチャージ可能ですが、残念ながらポイントは付きません。そこで、ポイントが付与される他社クレカを利用することになりますが、月の上限金額は5万円までとなっています。
オススメなのは、1.0%還元される「PayPayカード(Mastercard)」か「Amazon Prime Mastercard」。「イオンカード(Mastercard)」は0.5%ですが毎月10日は1.0%になります。また、「三井住友(NL)(Mastercard)」では0.5%還元となっています。
●au PAY「au PAY 残高へのチャージ(入金)方法」は→こちら
次に、FamiPayへのクレカチャージですが、利用可能なクレカは「ファミマTカード」か「JCBブランドのカード」だけです。
ただし、ファミマTカードは新規受付を終了しており、9月1日より「FamimaCard」にリニューアルされる予定。こちらはファミリーマートでの買い物で最大5%還元されるそうです。
●FamilyMart「ファミマTカード(クレジットカード・ポイントカード)会員サービス終了のご案内」は→こちら

FamiPayへのクレカチャージ上限金額については、ファミマTカードの場合1日&1カ月上限金額が10万円となっています。
一方、JCBブランドカードの上限金額は、本人確認なしの場合1日1万5,000円、1カ月で2万円までですが、本人確認を済ませれば1日10万円、1カ月で30万円までチャージ可能になります。ただし、本人確認後、自分でチャージ上限金額を変更しないといけない点はご注意ください。
また、FamiPay請求書支払いの1枚あたりの上限金額は5万円未満(4万9,999円)となりますが、一部の請求書(払込票)の支払いは、5万円以上も可能なようです。
■クレカチャージの上限金額
【JCBブランドカード】※ファミマTカードを除く
<本人確認なし>
・1日の上限金額:1万5,000円
・1カ月あたりの上限金額:2万円
<本人確認済>
・1日の上限金額:10万円(初期値1万5,000円)
・1カ月の上限金額:30万円(初期値2万円)
【ファミマTカード】※クレジットカード
・1日の上限金額:10万円
・1カ月の上限金額:10万円
というわけで、FamiPayにチャージするのにオススメなのは、「ファミマTカード」で0.5%、「PayPay(JCB)」で1.0%、「イオンカード(JCB)」で0.5%(毎月10日は1.0%)、「楽天銀行デビットカード(JCB)」で1.0%などとなっています。
FamiPayにクレカを登録してチャージ金額の上限金額を上げる方法
筆者は、たまたまJCBブランドのPayPayカードを所有していたので、今回はFamiPayを利用することにしました。
まずは、FamiPayにPayPayカード(JCB)を登録しましょう。FamiPayアプリの「チャージ」→「クレジットカード」→「クレジットカードを追加する」をタップ。ここでカード情報を入力すると、JCBの本人認証画面になるので、手続きを済ませるとクレカが登録されます。
しかし、FamiPayアプリの「本人確認(eKYC)」を済ませていない場合は、1万5,000円以上のチャージはできません。
FamiPayへのクレカを登録する手順




次に、FamiPayで本人確認(eKYC)を行いましょう。これを実行しないと1カ月で2万円までしか支払えません。筆者の場合は本人確認手続きしてから2日後に承認されました。
この本人確認(eKYC)は外部サイトで行いますが、「マイナンバーカード」か「運転免許証」等で申請できます。画面の案内に従ってスマホで身分証や自分の顔を撮影していけば、10~15分ほどで終了します。最後に「申請を受け付けました」と表示されれば本人確認申請は終了です。
FamiPayの本人確認申請をする手順



FamiPayの本人確認が終わってから、しばらく待つと「本人確認の審査が完了しました」という通知が届きます。
ただし、今回筆者の場合は6月5日の夕方に申請して、7日の昼過ぎに本人確認通知が届きました。通常はもう少し早く終わるようですが、6月は申請が多い時期なのでかなり時間がかかったようです。
FamiPayで固定資産税を支払う方法
本人確認審査が通ったら、まず、FamiPayの「セキュリティ設定」を開いて「チャージ残高上限を30万円にする」のスイッチをオンにします。
次に、「クレジットカードチャージの上限金額」の「1日当たり上限金額」と「1カ月あたりの上限金額」を必要に応じてアップしましょう。1日の金額上限は最大10万円、1カ月の金額上限は最大30万円までです。
FamiPayのチャージ上限金額を変更する手順


ようやくFamiPayの準備ができたので、実際に固定資産税を「FamiPay請求書払い」で納付してみましょう。
まずは、FamiPay残高をチャージします。今回は4期に分けて支払いますが、1期目は3万930円ですので4万円をチャージしました。
FamiPay残高に4万円チャージする手順


残高チャージが終わったらFamiPayの「サービス」で「FamiPay請求書払い」→「地方税統一QR(eL-QR)」を選択。
「利用規約を確認して二次元コードを読み取る」をタップするとスマホのカメラが起動するので、固定資産税の納付書に記載された「eL-QRコード」を読み込み、内容を確認したうえで「納付する」をタップすれば納付は完了です。
固定資産税をFamiPayで支払う手順




まとめ
いかがでしょうか? 筆者は普段あまりFamiPayを使っていなかったので、クレカの登録や本人確認(eKYC)、チャージ上限金額の変更などの、下準備にかなり時間がかかってしまいました。
しかし、FamiPayでの固定資産税の支払い自体は、必要な金額をチャージしたら、カメラで納付書のeL-QRコードを読み込んで「納付する」タップするだけなので、非常に簡単です。
固定資産税は10万円以上支払うことも珍しくないので、ぜひ、少しでも簡単かつお得な納付方法を探してみてください。