今やスマホ1台あれば、あらゆる手続きが完結できる時代となった。言い換えれば、この1台から膨大な情報にアクセスできるということだ。そんな状況で、人々のスマホにおけるセキュリティ対策はどうなっているのだろうか。モバイル社会研究所は2025年1月、携帯電話から個人情報が漏洩・悪用されないために行っている対策について調査を実施。その結果から今回は、「QRコード決済サービス」利用者がどの程度「画面ロック(パスワード・指紋認証等)」を利用しているかを紹介していこう。

30%近くの人が画面ロックを行っていない?

国内のスマホユーザーの15~79歳を対象に実施された本調査。調査結果から、QRコード決済サービスの利用率と画面ロック利用率を見てみると、QRコード決済の利用率総計は利用者が60%、画面ロック利用率総計は、利用者が71%であることが分かった。QRコード決済はどの年代、性別においても過半数に普及していることが分かる。一方、画面ロックは年代によって少しばらつきがあり、10代は利用率が最も高く、70代は逆に最も低い傾向にある。高齢な人には、自身の注意はもちろん、周りからのセキュリティ注意喚起も必要と言えるのではないだろうか。
QRコード決済利用者は画面ロックにも抜かりない?

画面ロック利用率の総計を調査したところ、QRコード決済利用者は82%が画面ロックを利用していることが明らかになった。一方、QRコード決済を利用していない人は56%にとどまり、セキュリティ対策への意識が相対的に低いと考えられる。

QRコード決済利用者に絞り、年代、性別で見てみると、10代は画面ロック利用率が圧倒的に高く、70代で急に利用率が落ち込む結果に。また、男性は画面ロック率が平均を維持しているものの、女性は年代が高くなるにつれて画面ロック利用率が減っていることが分かった。
画面ロックをしていないと、スマホをなくしたときに拾った誰かが不正な送金や支払いを行えてしまうほか、盗難時のリスクも高まる。このデジタル社会では特に、パスワードや生体認証といった画面ロックによるセキュリティ対策は必須と言えるだろう。身近な人が画面ロックをしていない場合は、さりげなく注意を促すのが適切だろう。
出典:【モバイル社会研究所】
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