キャッシュレス決済の普及が進み、生活のあらゆる場面で複数の支払い手段を使い分けることが当たり前になりつつある今、利用者はどの決済サービスを使い、携帯料金の支払いにはどのカードを設定しているのか。オリコン株式会社が携帯キャリア・格安ブランド利用者9,544人を対象に調査を実施したところ、日常の選択行動に特徴的な傾向が見えてきた。詳しく見ていこう。

普段の支払いは「PayPay」が主流

オリコン株式会社のグループ会社であるoricon MEの調査によれば、「携帯キャリア」「携帯キャリア格安ブランド」ともに、普段使用する決済サービスとして最も多く選ばれたのは「PayPay」だった。国内で屈指の対応店舗数を持つ同サービスは、キャリアが提供する決済手段よりも日常使いとしての利便性が勝る結果となった。キャッシュレスが浸透した現在、ますます存在感を強めている。

キャリア別の傾向を見ると、ドコモ利用者は「d払い」が63.0%、KDDI利用者は「au PAY」が63.0%、SoftBank(以下ソフトバンク)利用者は「PayPay」が82.6%、楽天モバイル利用者は「楽天ペイ」が63.2%でそれぞれトップに。ただ、ソフトバンク以外でも、PayPayを普段から使用する人は4割を超えており、キャリアをまたいでPayPayが広く浸透している様子がうかがえる。また、格安ブランド(ahamo・povo・LINEMO)においても、最も利用されていたのはPayPayであり、とりわけソフトバンクが運営するLINEMO利用者では80%以上に達する結果となった。幅広い使用シーンと還元施策の豊富さなどから、PayPayは日常決済の中心的存在になりつつある。
料金支払いは「楽天カード」が強さを発揮

一方で、携帯料金の支払いに設定されているクレジットカードでは、「楽天カード」が26.8%で首位となった。特に楽天モバイル利用者においては79.7%と圧倒的に高く、他キャリアでは、dカード(50.2%)、au PAYカード(43.2%)、PayPayカード(32.9%)が上位に並ぶが、楽天モバイルの自社カードは突出する結果となった。楽天経済圏との親和性の高さが、携帯料金という毎月発生する固定費の支払いにも強く影響していると考えられる。
また、共通ポイントを貯めている理由について尋ねたところ、「ポイントの使い道が豊富だから」「街での買い物での還元率が良いから」が上位に挙がったほか、「共通ポイントを貯められる携帯キャリアを使っている(いた)から」という声も一定数見られた。単純にポイント還元が高いことだけでなく、自分が契約しているキャリアとのつながりや経済圏の一部としてポイントを貯めることが、選択の背景になっているようだ。
今後も、ユーザーは日常の決済では利便性を重視しつつ、固定費の支払いではポイント還元や自分が利用する経済圏との相性を踏まえて、目的に応じた上手に使い分けをしていくことが予想される。



