記録媒体として極めて長寿な『CD』ですが、近年はクラウドサービスの普及やフラッシュメモリの大容量化と価格低下に伴って、利用機会が減っているのもまた事実でしょう。
すると記録媒体としての『CD-R』『CD-ROM』『CD-RW』の、それぞれ異なる特性と用途を把握し、使い分ける機会も減っているのではないでしょうか?
これらの特性と用途を把握していない場合、何らかの機会にCD-RやCD-ROMを使う際に「書き込み回数」などの壁に直面してしまうことがあるかもしれません。
そこで今回は『CD-R』『CD-ROM』『CD-RW』の違いを見ていきましょう。
『CD-R』『CD-ROM』『CD-RW』の基本特性の比較
CD-R、CD-ROM、CD-RWの違いを理解するためには、まずそれぞれの特性を把握しておくことが大切。簡単に説明すると、CD-Rは一度だけ書き込める記録型メディア、CD-RWは書き換え可能なリライタブルメディア、CD-ROMは読み取り専用のメディアです。

CD-ROM(「Compact Disc Read-Only Memory」の略)は読み取り専用の媒体です。工場で物理的にピット(凹部)とランド(平部)を形成し、レーザー反射率がもっとも高く(最小70%)音楽データが記録されているのであれば、基本的にすべてのCDプレーヤーで再生可能です。なお、市販の音楽CDのほか、ゲームソフトにも使用されます。
CD-R(「Compact Disc Recordable」の略)は一回追記可能の媒体です。
シアニン、フタロシアニン色素層にレーザーを照射し、300℃で化学変化を起こします。反射率は70%程度ですが、日光に弱く長期保存には遮光ケースが必須です。
CD-RW(「Compact Disc ReWritable」の略)は1000回程度の書き換えが可能で、もっとも汎用性が高い。
ゲルマニウム、アンチモン、テルルなどの主成分を相変化させ記録します。600℃でアモルファス状態(低反射)、400℃で結晶状態(高反射)に制御します。なお、反射率約20%となっています。
実用面及び用途別選択基準から見る『CD-R』『CD-ROM』『CD-RW』の違い
次に、実用面での特性について見ていきましょう。先にも簡単にご紹介しましたが、この三種のもっとも大きな違いはやはり書き換え可能な回数にありますが、CD-ROMは読み取り専用、CD-Rは1回のみ、CD-RWは1000回程度の書き換えが可能です。

次に、それぞれの特性に適した用途を紹介します。
CD-ROMが最適な場面
CD-ROMは、事前に記録されたデータを読み取るためのもので、データを書き込む必要がない場合におすすめです。具体的には以下の通り。
・改変不要なデータ配布(ソフトウェアインストールディスク等)
・プロフェッショナル音源のマスタリング
CD-ROMは、データが一度書き込まれると変更できない特性を持っているため、ユーザーが誤ってデータを変更するリスクがなく、データの整合性が保たれるためソフトウェアインストールディスクなどに適しています。また改変不要で長期的なデータ保存用としても向いています。
音質を損なうことなく音楽データを安定して保存できるため、音楽業界ではマスタリングされた楽曲を配布、販売する際に広く利用されています。
CD-Rを選ぶ理由
CD-Rは、データを一度だけ書き込むことができるため、長期的なデータ保存や配布におすすめです。具体的には以下の通り。
・重要なデータの長期アーカイブ(卒業アルバム・結婚式映像等)
・車載オーディオや旧型機器での再生に使うディスクの用意
CD-Rは、一度だけデータを書き込めるため、卒業アルバム・結婚式映像などの大切な思い出を保存するのに向いています。書き込み後は変更できないため、データの消失のリスクを少なくでき、思い出の映像を安全に保管できます。
また、多くのカーオーディオはCD-Rの再生に対応しているため、特に車載オーディオでの再生においても有用です。加えて、CD-Rは、CDプレーヤーや旧型のオーディオ機器でも再生できるため、これらの機器を使用している場合にも適しています。
CD-RWの活用例
CD-RWは、データを何度も書き直すことができるため、データの一時的な保存や頻繁な更新が必要な場合におすすめです。具体例は以下の通り。
・暫定版データの仮保存(企画書の複数バージョン管理)
・定期的なシステムバックアップ(月次データ更新)
CD-RWは、データの書き換えが可能なメディアであるため、プロジェクトや企画書の暫定的バージョンを管理したり、各バージョンを保存・更新するのに向いています。
また、たとえば、システムの定期的なバックアップを行う際に、毎月の業務データや重要なファイルをCD-RWに書き込むことで、過去のデータを保持しつつ、新しいデータを追加することが可能。これにより、データの保護と管理が容易になります。
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