パソコンで写真を加工するときは、「Photoshop」などを使うのが一般的だと思いますが、Windows 11には「フォト」アプリが標準装備されています。通常、写真をダブルクリックするとフォトが起動して閲覧することができますが、実は、このフォトにも簡易的な編集機能が搭載されています。そこで今回は、フォトを使ってどこまで写真を編集できるのか紹介しましょう。
写真の閲覧だけじゃない「フォト」の編集機能とは？
Windows 11では、写真をダブルクリックすると標準アプリの「フォト」が起動して、写真を閲覧することができます。
もし、フォトが起動しない場合は、写真を右クリックして「プログラムから開く」で「フォト」を選択してください。
しかし、このフォトアプリは写真の閲覧だけでなく、トリミングしたり色味や明るさを調整するといった簡易的な編集作業ができますし、AIによる写真加工まで可能になっているのをご存じでしょうか？
そこで今回は、Windows 11の標準アプリ「フォト」でどこまで写真を加工できるのかを紹介します。ちょっとした写真編集ならフォトで事足りる場合も多いと思いますので、何ができるのかは覚えておきましょう。
【1】写真のムダな部分をトリミングする
まずは、フォトアプリで写真を「トリミング」してみましょう。トリミングとは“画像の不要な部分を取り除いて構図を整える編集作業”のことです。
その方法は、最初に写真をフォトアプリで表示して、画面左上にある「編集」をクリックします。すると、写真の周りにトリミングの白枠が表示されるので（画面上部のメニューでトリミングが選択された状態）、これをドラッグして範囲を指定しましょう。
トリミングしたい範囲が決定したら、画面右上の「保存オプション」をクリックし、「コピーとして保存」か「保存」をクリックします。
ただし、「保存」の場合は元の写真を上書きしてしまうので、失敗してもやり直しができません。基本的には「コピーとして保存」を選ぶようにしましょう。これは、ほかの編集作業でも同じなので覚えておいてください。
なお、まれに「コピーとして保存」をクリックしても写真が保存されない場合があるようですが、その場合は、最初に元の写真をコピーしてからフォトアプリで編集して「保存（上書き保存）」すればいいでしょう。
写真をトリミングする手順
【2】写真の回転や傾きを修整する
写真のなかには縦の構図なのに横に表示されていたり、その逆の場合があります。また、微妙に写真が斜めになっていて不安定な感じになっていることもあるでしょう。そのような写真は、フォトアプリで簡単に調整できます。
フォトアプリで編集画面の上部メニューの「トリミング」を表示した状態で、画面左下にある「回転」アイコンをクリックしてみましょう。1回クリックするごとに左右どちらかに90度回転します。
編集が終わったら「保存オプション」で「コピーとして保存」か「保存」をクリックすればOKです。
横向きの写真を縦にする手順
次に、微妙に傾いている写真を編集してみましょう。こちらも写真をフォトアプリで開いて編集画面で「トリミング」を表示すると、画面下に「スライダー」があるので、これを左右に動かして調整していけばOKです。
写真の微妙な傾きを調整する手順
【3】写真の明るさや色調などを調整する
スマホやデジカメで撮った写真は必ずしも適正な明るさや色味ではありません。そのような場合もフォトアプリで明るさや色味を調整することが可能です。
まず、フォトアプリの編集画面で、画面上部メニューから「太陽マーク（調整）」を選択しましょう。すると、画面右側に「ライト」と「カラー」が表示されます。
各項目のスライダーを左右に動かせば、明るさやコントラスト、彩度、色調などを調整できるので、プレビュー画面を見ながら調整していきましょう。ただし、やり過ぎには注意してください。
調整が終わったら「保存オプション」→「コピーとして保存」をクリックします。
写真の明るさや色調を調整する手順
【4】写真にフィルターを設定する方法
明るさや色味を調節するだけで、写真の見栄えはかなり良くなると思いますが、「フィルター」機能を使えば、そのような作業もある程度は自動でできます。
また、SNSなどでハッと目を引くような写真にするには、フィルターで色を過剰に発色させたり、モノクロやセピア風にするのがオススメ。
その方法は、まず、フォトアプリの編集画面の上部メニューから「刷毛アイコン（フィルター）」を選択。次に、画面右側に表示された一覧から、好みのフィルターを選びましょう。
次に、フォルターの強さはスライダーで調整可能ですので、プレビュー画面を見ながら左右に動かしていけばOKです。
調整が終わったら「保存オプション」→「コピーとして保存」をクリックして保存しましょう。
写真にフィルターをかける手順
【5】AIを使って画像を修正する
実は「フォト」アプリには「AI（消去）」や「AI（背景）」といったAI機能も組み込まれています。
まず、「AI（背景）」を選ぶと「ぼかし」「削除」「置換」の3機能が利用できます。「ぼかし」は大きく映っているモノの周囲をボカすことができますし、「削除」は背景を削除できます。また、「置換」は背景を指定色にできる機能となっています。
「AI（背景）」で背景をぼかしたり削除する
次に、「AI（削除）」では、指定したジャマなモノを消去可能です。ただし、実際に使ってみたところ、全然上手く消すことができませんでした。
「AI（削除）」でジャマな人物を消去する手順
しかし、フォトアプリ上部タブにはMicrosoftのAI機能「Copilot（コパイロット）」アイコンもあります。これをタップすると「ChatGPT（GPT-5）」を利用した写真加工も可能になります。
Copilotが起動したら、どのように加工したいかを文字で指示（コマンドプロンプト）しましょう。こちらの場合は、Googleの「消しゴムマジック」のように非常に美しくジャマな人物を消去することができました。
もちろん、「Copilot」は「フォト」を経由せずとも、直接起動しても利用可能です。ただし、Copilotで読み込める写真は10MB以下ですので、あまりデータ量の大きい写真は扱えません。ご注意ください。
Copilotでジャマな人物を消去する手順
まとめ
いかがでしょうか？ 今回はWindows 11の標準アプリ「フォト」を使った写真編集で、いったいどこまで写真を加工できるのかを紹介しました。
フォトだけでここまで編集できるのであれば、ちょっとしたトリミングや明るさ＆色味調整くらいは、わざわざPhotoshopなどを使う必要はないでしょう。
もし、フォトアプリで写真編集をしたことがない人は、ぜひ一度試してみてください。
なお、Windows 11には「ペイント」アプリも標準装備されています。こちらは写真に文字を書き込んだり、写真の切抜き合成などもできますので、目的に合わせて使い分けるのがいいと思います。
