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なぜ給料が上がらない? エンジニア転職理由1位「収入」の裏で起きている評価のすれ違い

「がんばっているのに給料が上がらない」「自分のスキルが正当に評価されていない気がする」──そんなモヤモヤを抱えながら働いているエンジニアは、実際どのくらいいるのでしょうか。2025年6月6日に公開されたプレスリリースでは、IT関連部門の従業員と経営者の間にある「評価」と「働き方」に対する認識のギャップが、具体的な数字とともに示されました。

この記事では、調査結果をもとに「転職理由の上位は何か」「評価への不満はどの層で大きいのか」「経営者と現場のすれ違いはどこにあるのか」を整理していきます。

 

なぜ給料が上がらない? エンジニア転職理由1位「収入」の裏で起きている評価のすれ違いの画像1
(画像はShutterstockから引用)

 

この調査は誰が・いつ・どんな人に聞いたのか?

調査データを読み解くうえで、まず「どんな規模の調査で、どんな立場の人が回答しているのか」を押さえておくことが大切です。

調査主体:ファインディ株式会社(Findy Team+事業部)と株式会社ネオマーケティング 調査方法:ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート 調査対象:全国の20歳以上の男女のうち、従業員数50人以上の企業に勤務する事業会社のシステム部門・SIer(システムの受託開発を行う企業)などのIT関連部門の従業員もしくは経営者・役員 有効回答数:800名 調査実施日:2025年2月26日(水)~2025年3月3日(月) 対象業態:スタートアップから大企業、SIer、SES(技術者を派遣・常駐させるサービス)といった業態を幅広くカバー

注意しておきたいのは、この調査はWeb系企業のエンジニアが半数を占めるファインディ株式会社の利用ユーザーに対する調査ではないという点です。テーマは「リモートワーク」「評価制度」「転職意向」「採用の重視点」など、働き方と評価に関する幅広い項目が含まれています。

以降のセクションでは、この調査から見えてきた具体的な数字と、経営者・現場それぞれの認識の違いを確認していきます。

 

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株式会社ネオマーケティング、ファインディ株式会社Findy Team+事業部の調査から引用

 

転職理由の1位は「収入を上げたい」──人間関係より評価・報酬の連動が決め手

「がんばっているのに給料が上がらない」「自分のスキルが正当に見てもらえていない」──そんな不満を抱えながら働いている方は少なくないかもしれません。今回の調査では、IT関連部門の従業員が転職を考える理由がはっきりと数字に表れていました。

転職したいと回答した人(n=263)に理由を聞いたところ、最も多かったのは「収入を上げたい」で全体の49.0%。IT関連部門の従業員に限ると51.8%とさらに高くなっています。次に多かったのが「評価が適正でないと感じる」で、全体42.6%、IT関連部門の従業員では46.5%でした。

注目したいのは、「人間関係が悪い」「社内の雰囲気が悪い」といった要素は比較的低い傾向にあった点です。つまり、職場の居心地よりも「自分の成果がきちんと収入に反映されているか」が転職の判断軸になっていると読み取れます。

IT関連部門の従業員が重視するのは、評価者にスキルへの理解があることや、成果と収入が連動する設計になっていることです。一方で経営者は「カルチャーの良さ」「社内の雰囲気」を軸に会社の良さを伝えがちだという傾向も示されています。

経営者が「うちは雰囲気がいい会社だ」とアピールしても、従業員が求めているのは評価と報酬の仕組みそのもの。この認識のズレが、人材流出につながっている可能性があるといえるでしょう。

 

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株式会社ネオマーケティング、ファインディ株式会社Findy Team+事業部の調査を引用

 

40〜50代エンジニアの約62%が評価に不満──小規模企業ほど深刻な理由

「自分のスキルや経験に見合った評価を受けていない」──そう感じているエンジニアは、年代や企業規模によって大きな差があることが今回の調査で浮き彫りになりました。

まず年代別に見ると、「評価に不満があるか」という設問で「とてもそう思う」「ややそう思う」と答えた割合は、40代で62.7%、50代で62.1%。経験を積んだミドル層ほど、待遇とのギャップを強く感じている傾向がうかがえます。

企業規模別ではさらに差が開きます。

従業員数50〜100人未満の企業では、76.6%が「正しく評価されていない」と回答 同じ規模の企業で、86.6%が「どのように評価されるかは自分にとって重要」と回答

つまり「評価は大事だ」と感じているのに「正しく評価されていない」という状態が、小規模企業で最も顕著に表れています。

人事評価で満足している点を聞いた設問でも、エンジニア全体の41.5%が「人事評価に満足している点はない」と回答。従業員数50〜100人未満に限ると、この割合は66.7%にまで跳ね上がりました。満足している点のトップは「公平だと感じる」でしたが、それでも19.3%にとどまっています。

小規模な組織では評価の仕組みや基準が整いにくく、結果として「がんばっても報われない」という不信感が蓄積しやすい構造があると考えられます。

 

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株式会社ネオマーケティング、ファインディ株式会社Findy Team+事業部の調査を引用

 

経営者の70%は「正しく評価できている」──現場とのギャップはなぜ生まれる?

前のセクションで見たとおり、従業員全体の59.6%が「正しく評価されていない」と感じています。ところが経営者側に同じテーマで尋ねると、まったく異なる景色が見えてきます。

経営者全体の70.3%が「正しく評価できている」と回答しました。現場が「評価されていない」と感じ、経営者が「評価できている」と感じている──この約30ポイントもの認識のずれが、転職意向の高まりにつながっている構造です。

では、経営者は評価を軽く考えているのでしょうか。調査結果を見る限り、そうとは言い切れません。

「IT関連部門の従業員を正しく評価することは難しいか」という設問に対し、経営者の69.0%が難しさを感じていると回答 「IT関連部門の従業員を採用する難易度は高いか」には79.5%が「難しい」と認識

つまり、経営者の多くは評価や採用の難しさを自覚しています。それでも「ある程度やれている」と感じているのが実態です。

評価が難しい理由として最も多かったのは「適正にすることが難しい」で18.8%。続いて「定量的に評価することが難しい」が12.7%、「公平にすることが難しい」が12.3%でした。

調査では、経営者はきちんと評価しようとしているものの、その内容や意図をどう伝えればよいか、方法や仕組みが整っていないことが課題だと指摘されています。「評価していないわけではないのに伝わらない」──このすれ違いこそが、現場の不満と経営者の自信が同時に存在するギャップの正体といえそうです。

 

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株式会社ネオマーケティング、ファインディ株式会社Findy Team+事業部の調査を引用

 

 

リモートワーク継続希望は88.5%──経営者が見落としがちな「働き方」の優先度

「給料や評価だけ整えれば人は辞めない」──そう考えている経営者がいるなら、この数字は見逃せません。リモートワーク継続意向を尋ねたところ(n=513)、全体の88.5%が「続けたい」と回答しました。特に情報通信業(受託・支援事業)の従業員では98.6%とほぼ全員です。

ところが経営者と現場では温度差があります。「とても継続したい」と答えた割合だけを比べると、両者の間に21.5ポイントもの開きがありました。

この差は、転職先を選ぶ基準にもはっきり表れています。

エンジニアが転職先で重視する点:「収入」61.8%、「業務内容や裁量」40.0%、「リモートワークの有無」39.4% 経営者が採用で重要と考える点:「業務内容や裁量」44.0%、「収入」40.8%、「評価制度」38.5%

注目すべきは「リモートワークの有無」です。エンジニア側は39.4%が重視しているのに対し、経営者側はわずか13.5%。約26ポイントの差が開いています。

リモートワークの課題についても認識のずれがあります。経営者は「管理・マネジメント」を課題に挙げた割合が46.0%だったのに対し、現場従業員は29.0%にとどまりました。一方、エンジニア側に多かった課題は「リモートでの環境整備」でした。

つまり経営者が「どう管理するか」を悩んでいる間に、現場は「どこで・どう働けるか」を転職の判断軸にしている可能性があります。収入や評価制度を整えることはもちろん大切ですが、働き方の選択肢についても現場の期待値を把握しておかないと、採用や定着の場面で思わぬすれ違いが起きかねません。

 

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株式会社ネオマーケティング、ファインディ株式会社Findy Team+事業部の調査を引用

 

受託・支援系と事業会社で悩みが違う──業態別に見る課題の質

「IT関連部門」とひとくくりにされがちですが、受託・支援事業と事業会社のシステム部門では、日々感じている悩みの中身がかなり違います。自分がどちら側にいるかで、転職時に重視すべきポイントも変わってきます。

共通の悩みは「人材不足」と「スキル習得」

今回の調査で全体の上位に挙がった業務上の課題は「人材不足」51.0%、「スキル不足、習得」45.3%でした。業種を問わず広く共有されている悩みです。

受託・支援系が抱えやすい課題

受託・支援事業の従業員は「スキル不足、習得」「育成」「評価の難しさ」が事業会社より高い傾向にありました。プロジェクト単位で顧客企業の案件に従事するスタイルでは、自分の貢献度が社内で見えにくくなりがちです。そのため転職先を選ぶ際にも「評価制度」を重視する割合が42.4%と、事業会社より9.8ポイント高くなっています。

さらに「リモートワークの有無」を重視する割合も51.5%で、事業会社より12.4ポイント高い結果でした。案件ごとに客先常駐や出社が発生する可能性があり、働き方の不確実性が転職時の重要な判断軸になっていると考えられます。

事業会社のシステム部門が感じる課題

一方、事業会社のエンジニアは社内プロダクトに中長期で関わる安定性がある分、「コミュニケーション」など組織文化や関係性に起因する課題意識が強く表れていました。自社勤務が中心で環境の予測可能性が高いため、働き方の条件に対する不満は比較的少ない傾向があります。

同じ「IT関連部門の従業員」でも、業務環境や報酬構造の違いから抱える悩みの質が大きく異なっています。転職や働き方を考えるときは、自分の業態に合った判断軸を持つことが大切です。

 

 

 

まとめ:自分の会社の評価制度と働き方、一度振り返ってみよう

今回の調査から見えてきたのは、IT関連部門の従業員が転職を考える最大の理由は「収入を上げたい」「評価が適正でないと感じる」であり、人間関係や社内の雰囲気よりも、評価と報酬がきちんと連動しているかどうかが重要だという点です。

一方で、経営者と現場の間には評価に対する認識の大きなギャップがあります。さらにリモートワークの重視度にも差があり、現場が求める「どこで・どう働けるか」という視点が経営側に十分届いていない可能性も示されました。

調査結果が示唆しているのは、評価制度を見直すだけでなく、それをどう伝え、どうすれば相手にきちんと伝わるのかを考えることが重要だということです。

「自分の働きは正当に見てもらえているのか」「収入と成果はかみ合っているのか」──そうした疑問を感じたら、まずは自分自身の状況を冷静に振り返ってみることが、次の一歩につながるはずです。




出典:株式会社ネオマーケティング プレスリリース(PR TIMES)

参考:ネオマーケティング 調査レポートMONOist(ITmedia)CodeZine

スマホライフPLUS編集部

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