「固定電話の番号は、引っ越しや事業者の変更で変わってしまうもの」と思っていませんか? 実は、2025年から固定電話の番号ポータビリティが大きく変わります。それが「双方向番号ポータビリティ」。
この制度によって、これまでNTT東西の加入電話間もしくは他の事業者間では片方向でしか利用できなかった番号ポータビリティが、ほかの事業者間で契約しても番号を引き継げるようになります。つまり、電話番号を変えずに、よりお得なプランやサービスを提供する他社に乗り換えることが簡単にできるようになるのです。
「固定電話の番号はそのまま他社に乗り換え」が簡単に!
これまでの固定電話番号ポータビリティ(LNP)は、NTT東日本・西日本が払い出した番号に限定されており、他の通信事業者が発行した番号や「ひかり電話」の専用番号は対象外でした。このため、利用者は通信事業者を変更する際に番号を維持できないケースが多く、乗り換えの障壁となっていました。
2025年1月から開始される「双方向番号ポータビリティ」は、固定電話番号をそのまま維持したまま、異なる通信事業者間で乗り換えが可能になる制度です。これにより、これまで制限されていた固定電話番号の移行が大幅に緩和され、利用者の利便性が向上します。
従来の「固定電話乗り換え」の難点
これまでの固定電話サービスでは、番号ポータビリティに制限がありました。NTT東日本やNTT西日本が割り当てた番号(ひかり電話専用番号帯を除く)については、他の事業者に変更した場合でも使用できましたが、それ以外の事業者間での番号の移行はできない状態でした。
つまり、NTT東日本から他の事業者へ変更する場合は同じ固定番号を引き継げたものの、他の事業者からNTT東日本へ変更する際には同じ番号を使用できませんでした。さらに、NTT東西以外の事業者間では番号の引き継ぎができませんでした。
しかし、「双方向番号ポータビリティ」の開始によってこの問題はある程度解消されることになります。一部事業者は対応していないものの、対応している事業者であれば、NTT東西に乗り換える場合でも番号ポータビリティを使えるようになりました。
「双方向番号ポータビリティ」に対応する事業者は?
双方向番号ポータビリティに対応する固定電話サービス事業者は、全18社に及びます。
・株式会社アイ・ピー・エス・プロ
・アルテリア・ネットワークス株式会社
・株式会社STNet
・NTTコミュニケーションズ株式会社
・株式会社エネコム
・大江戸テレコム株式会社
・株式会社オプテージ
・株式会社QTnet
・KDDI株式会社
・Coltテクノロジーサービス株式会社
・株式会社三通
・ZIP Telecom株式会社
・ソフトバンク株式会社
・中部テレコミュニケーション株式会社
・株式会社トークネット
・楽天モバイル株式会社(楽天コミュニケーションズ株式会社)
・西日本電信電話株式会社
・東日本電信電話株式会社
「双方向の番号ポータビリティ」の開始時期と注意点
双方向番号ポータビリティの受付開始日は、2025年1月14日。
手続きを行う場合、まずは移行先の通信事業者に申し込みを行います。数日後に可否通知が届くので、可能だった場合は実施日時を決めて、回線切り替えを実施します。
なお、双方向番号ポータビリティを使う場合、タイミングによっては契約していた事業者の解約金が発生したり、固定電話からひかり電話に乗り換える場合、工事費用がかかる場合などがあるので注意しましょう。
NTT東日本は、固定電話からひかり電話に加入する場合の初期費用の一例として、基本工事費が2,000円、交換機等工事費が1,100円、同番移行工事費が2,200円(いずれも税込み)と案内しています。
参考:NTT東日本公式ホームページ
また、手続き申し込みから即日で乗り換えることはできないため、2週間ほどの余裕を持って手続きを始めることをおすすめします。
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