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ソニーのスマホ『Xperia』はなぜ売れなくなったのか?【国内出荷台数TOP5から外れる】

かつて、Androidスマホで「定番」として国内はもちろん、海外でもブランド力を発揮していた『Xperia』。しかし、その全盛期は過去のものになりつつあります。サムスンのGalaxyや中国製スマホなどが台頭する中、徐々にシェアを失い、すでに国内出荷台数のTOP5からも外れています。

では、なぜかつて人気だったXperiaはここまで「売れないスマホ」になってしまったのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

『Xperia』は販売不振?【販売台数が減少傾向】

まず、Xperiaが自社の強みである日本市場において、シェアを失いつつあることは事実です。2024年度(2024年4月〜2025年3月)通期の国内スマートフォン出荷台数(MM総研)によると、Xperiaはメーカー別シェアのTOP5から陥落しています。

『Xperia』は販売不振?【販売台数が減少傾向】1
(画像はスマホライフPLUS編集部で作成)
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ソニーも2024年度の販売数の落ち込み自体は否定しておらず、収益性の改善などさまざまな企業努力を進めてはいるものの「従来よりもXperiaの存在感が薄れつつあること」自体は事実と言えるのではないでしょうか。

『Xperia』はなぜ売れなくなったのか?

Xperiaが売れなくなった理由として、中国製の低価格スマホの台頭、AI機能の不足、スマホ本体の値引き規制などが挙げられます。

中国製の低価格スマートフォンの台頭

中国製の低価格スマートフォンの台頭1
(画像は「Xperia 1 VI」公式サイトより引用)

Xperiaは、高機能・高品質を追求する一方で、価格設定が「高すぎる」との指摘が絶えません。フラッグシップモデルである「Xperia 1 VI」は20万円近い価格のモデルも存在します。こうしたフラッグシップモデルはプロユースに適している一方で、「ボリュームゾーン」とは言えないでしょう。

ボリュームゾーンであるミドルレンジモデル(Xperia 10シリーズなど)は、シャープのAQUOS senseシリーズや中国メーカーのRedmi Noteシリーズ、OPPO Reno Aシリーズなどと比較してコストパフォーマンスで劣ることは否めません。

つまりXperiaがハイエンド路線へと完全に舵を切り、ミドルレンジ以下のボリュームゾーンでは、中国メーカーやシャープのAQUOSシリーズがユーザーの獲得を競い合っていると言えるでしょう。

ハイエンド機種として求められる「AI機能」が不足している

ハイエンド機種としては「AI機能」が不足している1
(画像は「Apple」公式サイトより引用)

ハイエンドスマホの市場では「AI機能」が大きなトレンドとなっています。その代表格には、たとえばiPhoneの『Apple Intelligence』が挙げられます。

一方、Xperia(例:Xperia 1 VI)はAI機能のトレンドに十分に追従できていないのではないかという指摘があります。たとえばシェア奪還に向けたAIカメラ搭載など、AI機能を打ち出す動き自体は見えており、独自開発の『Xperia Intelligence』機能も発表済みです。

しかし『Xperia Intelligence』機能がどのような発展を遂げるのか、開発ロードマップはやや不透明であり、20万円以上のハイエンドスマホに搭載される主要なAI機能の開発ロードマップが不明瞭であることは、ユーザーにとって不安要素です。

値引き規制が逆風に

2019年に施行された電気通信事業法の改正により、携帯キャリアによる端末の大幅な割引販売が規制されました。総じて「1円スマホ」「0円スマホ」や、ハイエンドスマホのダイナミックな店舗独自の値引きなどが難しくなりました。

これにより、高価格帯のハイエンドモデルが主な収益源であったXperiaは大きな打撃を受けました。加えて、近年の部材高騰や円安の長期化は製造コストを押し上げ、Xperiaの価格競争力をさらに低下させる要因となっています。

ソニーが『Xperia』を手掛ける意味とは?【イメージセンサー事業の存在】

ソニーが『Xperia』を手掛ける意味とは?【イメージセンサー事業の存在】1
(画像はスマホライフPLUS編集部で作成)

ソニーはスマートフォン向けイメージセンサー市場で世界トップクラスのシェアを誇ります。具体的にはグローバルのイメージセンサー事業で55%のシェアを保っています。

自社でスマートフォン開発を続けることは、イメージセンサー技術の最先端を把握し、開発にフィードバックする上で有利に働きます。つまりXperiaはソニーのイメージセンサー事業の研究・開発成果を自社のブランドに投入する対象として、依然として大きな価値があると言えるでしょう。

もっともXperiaを純粋なスマートフォンとして求める顧客層が、端末にイメージセンサーだけを求めているわけではないでしょう。かつてのようなブランドの輝きや知名度が失われつつある現状や、ハイエンドスマホが顧客にとって入手性が大きく悪化している現状を踏まえて、Xperiaには再びミドルレンジへのアプローチが求められているのかもしれません。

※サムネイル画像は(Image:​「ドコモオンラインショップ」より引用)

スマホライフPLUS編集部

スマホライフPLUS編集部

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