今回は、筆者が海外のWebサイト「NONCAM」で約22万円で購入した「カメラがないiPhone SE3」を開封してみます。皆さん、本物のiPhone SE3とどこが違うのか気になると思うので、実際にいろいろと比較してみましょう。私はもうワクワクが止まりません!

カメラレスiPhoneはなぜ存在するのか?
カメラレスiPhoneは海外Webサイトの「NONCAM(ノンカム)」で購入しました。これはAppleが公式販売しているものではなく、あくまでもNONCAMが仕入れてカメラレスに改造しているものです。ここでは、自分で付け替えるためのパーツも販売しており、今回、私はiPhone 5sのカバーも一緒に購入しています。

では、なぜこのようなカメラレスiPhoneが必要になるのかと言うと、軍事施設とか研究所などではセキュリティ上の問題でカメラ付きスマホの持ち込みができません。日本でも警察署の一部とかメーカー開発部門のデータセンターなどは、カメラ付きスマホの持ち込みができないんです。
つまり、セキュリティの厳しい場所ではこのようなカメラレススマホの需要があるということで、実際に、NONCAMという会社は2011年からカメラレスiPhoneを販売しています。

外箱をチェック!
それでは、箱の外観から見ていきましょう。カメラレスiPhoneは昔のiPhoneのようにビニールでしっかり梱包されています。私は上だけ残してキレイにビニールをはがしました。そのまま開けて、できるだけビニールを残すという、ちょっと懐かしいやり方ですね。

実際に、本物のSE3の箱と比較してみましょう。当たり前ですがまったく同じですね。背面もバーコードとか日本語だとかいろいろと違いありますが、基本的には同じものです。

ただし、NONCAMではiPhone SE3の色はスペースグレーしか選べませんでした。そもそも、iPhone SE3にスペースグレーは存在せず、黒系ならミッドナイトになるはずなので、本物のiPhone SE3とは何か大きく違う可能性もあります。とはいえ、箱の表記は両方ともミッドナイトとなっていますので、これはあとで検証してみましょう。
実際、中身はどうなっているのでしょうか。さっそく箱を開けて確認してみます。「おおっ、すごい本当にカメラがない!」ちょっとドキドキしてきました。

同梱物はどうなっているの?!
カメラレスiPhoneの本体を確認する前に、同梱物を確認しておきましょう。おそらく現在販売中のiPhone SE3と変わらないと思うんですが、特別なものが入っているかもしれません。
ああ、まだリンゴシールがありますね。説明書も入っています。これは本物と変わらないですね。あとはUSB-C to Lightningケーブルですが、本物と比較してみても同梱物はまったく同じでした。

次に本体を見ていきましょう。保護用ビニールを取ってみると「うわー、美しいな、美しすぎる! 何だこれ! 本当にカメラがないぞ~」。これは、ちょっと外で誰かに見せるように使いたいですね~。
でも、ケースをつけたらその部分は穴が開いてしまうので、穴なしケースを自作したいくらいです。
背面を近くで見ても無理やりカメラ部分を削ったとかではなくて、背面ガラス自体がきちんとできてますね。背面を付け直したような跡もまったく見られません。境目に何か不自然なところもなくて普通にキレイです。これはカッコイイ!

本物のSE3と比較するとけっこう違う…!
それでは、本物のiPhone SE3と並べて比較してみます。まず、背面はアップルマーク(りんごマーク)の位置が違います。本物は真ん中にあってiPhoneのロゴもないんですが、カメラレスiPhoneのほうはアップルマークが上にあるし、iPhoneのロゴもあります。
表はまったく同じですね。ただし、インカメラも使えなくなっているはずなので、そのあたりはあとで確認していきます。

カメラを使うアプリを起動すると?!
カメラレスiPhoneの電源を入れてセットアップを済ませました。セットアップは英語表記で、時刻設定などはシンガポール時間になっています。これは、販売会社のNONCAMがシンガポールにあるためでしょう。
もちろん、日本語に変更したんですが問題なくiPhoneとして動作しています。ただし、ホーム画面が初期状態とはちょっと違います。わかりますか? カメラアプリがないんです。やはり、カメラがないのでカメラアプリも隠してあるということですね。

これはiOSを改造しているのではなく、カメラがないのでスクリーンタイム機能でアプリを制限しているだけ。したがって、自分でカメラアプリを表示させることは可能です。
設定を開いて「スクリーンタイム」→「コンテンツとプライバシーの制限」→「許可されたアプリと機能」を開くと、「カメラ」アプリがオフになっていますので、これをオンにすればOKです。すると、カメラとFaceTimeがホーム画面に表示されました。

では、カメラアプリを起動するとどうなるのでしょうか? 実際に試してみるとカメラアプリはすぐに起動しますが何も見えません。インカメラに切り替えても何も表示されませんし、この状態でシャッターを押しても無反応です。
カメラのメニューは表示されますが、シャッターが押せない状態ですね。やはり、単にカバーを付け替えただけでなく、カメラモジュールを物理的に取り外しているのでしょう。

Apple以外のアプリではどうでしょうか? たとえば、Xアプリを起動して写真を投稿してみます。カメラボタンを押すと写真一覧は表示されますが、「カメラ」のマークは表示されません。やはり、Xから写真を撮ることもできないようになっていました。

なお、設定でアプリの許可を確認してみると、本物のiPhone SE3にはカメラとマイクの項目がありますが、カメラレスiPhoneのほうは許可項目にカメラやマイクはありません。これではXで投稿しようとしても、カメラのマークが表示されないわけです。

スクショや画面収録は可能か?
続いて、スクリーンショット(以下スクショ)や画面収録はできるのかを確認していきましょう。これは、iPhone内の画面であり外側の写真を撮るわけではないので、可能ではないかと思います。
スクショは電源ボタンとホームボタンの同時押しでできますが、さすがにスクショは撮れますね。もちろん、写真アプリにも画像が残っています。

次に、画面収録も試してみましょう。これで音声も収録できますが、どうでしょうか? やっぱり画面収録はできていますね。音声も収録されています。カメラを禁止しているだけでマイクの使用はOKでした。

背面のデザイン対決
「背面がスッキリ」と言えば、最近ではiPhone 16eがシングルカメラで背面が美しかったので対決させてみましょう。
実際に並べてみると、ああ、やっぱりカメラレスiPhoneのほうがカッコイイですね。もちろん、これは今カメラレスiPhoneのほうが新鮮だっていうこともあります。
ただ、リンゴマークの位置が真ん中だったらもっとよかったと思いますが……。

ワイヤレス充電/本物とのカラー確認
今度はワイヤレス充電を試してみましょう。iPhone SE3はMagSafeのようにマグネットでくっつきはしませんが、ワイヤレス充電可能です。
カメラレスiPhoneの場合は、リンゴマークより下の真ん中あたりに置けば充電されますが……。まあ、これは普通にワイヤレス充電できました。
本物のSE3はリンゴマークが真ん中にあるんですが、おそらく、iPhone 8あたりのパーツをずっと流用しているんだと思いますね。

最後にボディカラーを確認しておきましょう。「あれっ? 違うな」本物のSE3はミッドナイトですがカメラレスiPhoneのほうはスペースグレーです。
なるほど、もしかするとNONCAMには部品的にスペースグレーしか在庫がないのかもしれませんね。ああ、確かに側面の色も違います。これはまったく気づきませんでしたが、今回の大きな収穫ですね。

背面の部品だけもある(iPhone 5s)
最後に、冒頭で紹介したNONCAMで一緒に購入したiPhone 5sの背面付け替えキットを紹介しましょう。このパーツにもやっぱりカメラがないんです。
あとは、分解キットもセットになっていますね。私はiPhone 5sも何台か持っていますので、いずれ背面カバーの付け替えもやってみようと思っています。

まとめ
いかがでしょうか? 今回購入したカメラレスiPhoneは背面がスッキリしていて、めちゃくちゃカッコイイiPhoneでした。
もちろん、現代においてスマホにカメラは必須なのですが、職場によってはこのようなiPhoneも必要になるということでしょう。
「法人向けにAppleが公式販売してもいいのでは?」なんて思ったりしますが、私はこの珍しいカメラレスiPhoneをコレクションのひとつにしておきます。
こちらのチャンネルでも解説しています。
※サムネイル画像は筆者YouTubeチャンネルより